ダイニングルーム
それこそ、価値観の違いですし、ダイニングテーブルの上がシーリングライトでも普通に生活することはできる訳ですから、好んでシーリングライトを選択している人からすれば完全に余計なお世話ですが・・
分譲住宅でよく目にする「テーブル配置とは無関係な位置に設置されたシーリングライト」はさすがに前記事で触れたポール・ヘニングセンが言うところのひどい照明計画なのでは・・と思います。
個人的には、ダイニングテーブルにはやはりペンダントライトを計画したいです。
確かに、シーリングライトはひとつのスイッチで全体を明るくできるなんでもアリの便利な照明ではありますが、食事の時間には食事に適した照明を計画したいところです。
食事に適した照明とはやはり、主役である食事を引き立てる照明でしょう。
全体を均一に明るくするのではなく、ペンダントライトであかりの重心を低くし、テーブルの上の食事を引き立てるように照らします。
空間の明るさを確保する役割は天井の4つのダウンライトと壁面の間接照明が担います。
天井のダウンライトは径が小さく、器具の存在感が少なく、また、グレア(不快感があるまぶしさ)が少ないものを選んでいます。
写真に写っているペンダントライトはそれこそ、ポール・ヘニングセンがデザインしたPH5ですが、PH5のすごいところは食卓の上の食事をしっかり照らしつつ、同時にテーブルを囲う人たちの顔をまぶしさを感じさせないように柔らかく照らすように設計されている事です。その為に、吊り下げる高さまで指定されています。さすが巨匠です。。
ちなみに、上部にあるスリットの中には、照明用のレールが計画されています。
照明器具の根本とレールを隠し、すっきり見せる事と同時に、テーブルの配置やサイズ・照明の数が変わっても簡単に照明器具の位置を調整できるようになっています。
実際に、テーブルの配置を奥のカウンターにくっつけるのか、それとも離してテーブルまわりを回遊できるようにするのかは悩みどころですね!
テーブルの脇には2段のカウンターを計画しています。
このカウンターは一般的なダイニングテーブルと同じくらいの高さに設計されていますので、テーブルの延長として使う事ができます。
テーブルの近くに置きたいティッシュボックスやウェットティッシュ、調味料や朝食で使うハチミツやジャムなどをこのカウンターの上に配置する事で、欲しいものを手の届く範囲に置いた上でテーブルを広くスッキリと使う事ができます。
また、横幅があり広いカウンターなので、花やピクチャーフレームを飾る事もできます。
カウンターの上にはコンセントがあり、コーヒーメーカー・トースターなどの調理家電を置いておけば、キッチンのほうまで来なくても家族それぞれが勝手にパンを焼いたりコーヒーを入れたりする事ができるようになります。
食事中に保温状態の炊飯器をセットしておけば、おかわりのご飯をその場でよそう事ができます。
テーブルの上でホットプレートやIH調理器を使う時は、カウンター上のコンセントを使えば楽ですし、足下をコードが這わないので安心です。
それと、クリスマスや誕生日・お正月などの特別な日、友人や親戚などが集まる日は食卓が豪華になるもの。お鍋やすきやきの材料をあらかじめ並べておいたり・・そうゆう時に配膳台としても使えるカウンターです。
カウンターの内部は写真にあるようなボックスを利用した収納がいちばん効率的でしょうか。寸法的には本棚として使用する事もできます。
最下段にはコンセントもあり、ルンバの基地としても利用できます。
少し引いて撮影した写真。
南面に窓が2枚並び、ダイニングにもしっかりと陽が入る明るいリビング・ダイニングです。
別アングルです。
窓際の天井にはカーテンボックスが造作されています。
カーテンを開けている時、カーテンレールが丸見えにならないので窓まわりがとてもすっきりします。
また、小さな子供がいるご家庭では、上下移動するシェードやウッドブラインドなどを検討する方も多いですが、天井際に溜まるたたみ代部分をある程度隠してくれるのも嬉しいです。
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代表取締役 佐藤 幹展
書斎・リビング学習スペース
「瑞穂公園西の家2」の間取りを計画している際、対面型キッチンプランというのもありました。
対面型を選択した場合、この書斎・リビング学習スペースを確保する事はできませんでした。
元々、個人的には独立型キッチンが大好きなので、より多くの要素を実現できる独立型キッチンのプランを採用しました。
その際、キッチンに必要な寸法を過不足ないように計画し、キッチンの裏側でもある書斎スペースも広くなるようにしました。
椅子の後ろ側は通路ですが、もちろん、狭くて通りづらいという感じがないように・・。
使わなくなった後は収納にリニューアルする事も可能ですよ!
さて、このスペースの魅力・こだわりを写真と共に説明します。
まず、2人並んで使える余裕のある横幅寸法という事。
お子様2人が並んで勉強することはもちろんですが、片方のスペースを家族共用のPCスペースとし、もう片方のスペースを勉強スペースにする。
また、座席は1つとし、デスクの下にワゴン等を配置して収納(子供のおもちゃなど)を増やすなど、余裕のある横幅である事で使い方の幅も広がります。
造り付けなのでデスクに足がありません。足下がすっきりする事はもちろん、端から端まで余す事なくデスクとして活用できる他、デスクのまわりに隙間ができないので消しゴムが落っこちたりする事もなく、また、見た目的にもキレイに納まっています。
照明器具は棚下に取り付けています。薄型の照明なので、存在感がなくスッキリ馴染んでいます。
最大の魅力はその機能性。デスクの上に照明を置く必要がない為、デスクをより広く使える他、デスクのどの場所で作業しても手元に不快な影が落ちません。
デスク上にもコンセントが設置してありますが、足下にも据え置き型PCや足下のヒーターを想定してコンセントが設置してあります。
※据え置き型のPCを設置の際はデスクに配線用の穴を開ける必要があります。必要であれば穴あけしますので言ってください。
本棚はデスク上方に2段。
これだけの量があれば、お子様の勉強用だけでなく、家族共用の本棚として、また、CDやDVD等の収納棚として利用できます。
写真のように、バッグやボックスを活用して収納スペースとするのも便利です。
次はダイニングルームの写真をご紹介します。
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毎回楽しみにしている完成写真の撮影。
まず、「瑞穂公園西の家2=瑞穂区甲山町」の写真を撮影してきました。
実は、プライベートでは建築を見る&撮影が趣味なので、完成物件は毎回自分で撮影します。
土地の仕入れ・建築計画・お客様への商品説明と営業活動、これらすべてを代表者ひとりでやっている分譲住宅事業者はおそらく名古屋中探しても数える程しか存在しないと思います。
それだけでは飽き足らず、写真まで自分で撮る。。そこまで行くと、名古屋中探してもミキプランニングだけかもしれません笑
そんな話をすると、イケイケタイプの経営者からは暗に経営の効率の悪さを指摘されたりします。
確かに、会社の規模や物件数を求めようとするとその通りでしょうね。
その点は価値観の違いですから、どこまで行っても話は噛み合わない訳です。
他の記事でも書いていますが、家探しにおいて価値観の一致というのはとても大切です。
そのためには、どんな考えや価値観で家を造ったのか、それをまず造り手側がわかりやすくお伝えする必要があります。
そのための写真な訳です。つまり、写真=説明です。
プロのカメラマンは写真は上手ですが、被写体の建築計画の趣旨・考えを理解している訳ではありませんから、どこをどう撮って欲しいとぜんぶお伝えしないといけません。しかも、時間帯や天気の事まで気にしだすとなかなかお願いしづらい金額になってしまいます・・。
そう考えると「自分で撮ったほうが早いなぁ〜」と思い撮影する訳ですが、よく考えてみるとそんな風にして他の仕事・作業もぜんぶひとりでやっているのですから、これはきっとそうゆう(人に仕事を任せる事ができない)性格・性分なんでしょう。
確かに、こんなやり方では一生掛かっても大きな会社にはならないでしょうね笑
●オークの木張り天井
天然素材は好きですが住む人を選ぶ為、分譲住宅ではフローリングに天然素材を採用するのは二の足を踏みます。
我が家では、天然のフローリングとシートのフローリングを両方採用していますが、やはり天然素材のほうがデリケートでお手入れに手間を要します。
その点、シートフローリングは汚れも落としやすく、キズにも強い。
ただ、天井であれば・・汚れやキズ、日焼けを気にする事なく、その質感の高さを享受できる・・という訳で、最近物件によって採用しています。
●照明計画
「ひどい照明の下で無関心に生活することもできる。しかし、いったん本物の照明を経験すれば生活は新たな価値で満ち溢れる。」
これは、20世紀を代表するデンマークの照明デザイナー、ポール・ヘニングセンの言葉です。
「コレが本物の照明です」なんて、自分にはおこがましくてとても言えませんが、「ひどい照明(計画)」というのは確かに(特に分譲住宅の世界では)存在します。
長い時間、しかも、色々な過ごし方をするリビングで「ひとつの照明をONとOFFするだけ」という照明計画ではあまりにも・・・。
例えば、「寝る前に一人で読書をしたり映画を見たり音楽を聞く時間」と「家族みんなでテレビを見る時間」とでは明らかに適切なあかりは異なる訳です。
快適で過ごしやすいリビングには、いろいろな過ごし方に対応できる照明計画が欠かせません。
リビングのメインの照明となるのは、壁際の天井のスリット内に設けられた間接照明です。
リビングで過ごす時ランプが直接目に触れない場所にある事、また、一度壁にバウンドしてさらに角が取れて丸くなった光であるため、リビングにぴったりのとても落ち着ける快適なあかりです。
テレビと周囲の明暗差が少なくなり、目に優しく快適な視聴環境になるのもポイントです。
基本的にはこの照明だけで快適に過ごして頂く事ができると思います。
本を読んだりする時、もう少し明るさが欲しい時は、木張り天井に設置された4つのダウンライトを使って頂く計画です。
明るさが欲しい場所だけに光を届けられるように光が拡散しすぎないタイプのものを選んでいます。
また、家具の配置や明るさが欲しい場所に合わせて光の向きを自由に変えられるユニバーサルタイプを選択しました。
テーブルの上に向けたり、また、いつも座る椅子の手元に向けたり、ある程度の範囲で(踏み台を使って手でグリグリ)自由に向きを変えられます。
また、明るさと位置を細かく調節できるよう、手前の2つと奥の2つはスイッチを分け、別々の系統にしています。
●アクセントクロス
写真ではお伝えしづらいですが、壁面のクロスはライトグレーです。
淡いグレーなので、天井までライトグレーのクロスで統一してしまうと全体が白く見えてしまうのです。。
そのため、天井は白のクロスを合わせています。
テレビの背面のクロスは壁面のライトグレーよりも濃いグレー。
こってり濃いクロスで激しくコントラストをつけたり、柄物のクロスをこの場所に採用することはあまりなく、ほどよいアクセント感を出すようにしています。
もう少し広く写した写真です。
南側には十分な距離を確保して建物を配置しているため、よく陽が入る明るいリビングです。
個人的に、テレビを配置する壁面は奥まって3方向壁に囲まれていてほしいという変なこだわりがあります。
配線などでごちゃついたテレビの裏側が丸見えにならない事が一番の理由ですが、ポンと置きました感が少なく、あるべき場所に納っている納まり感も自分的には重要です。
リビング脇にあるから見る書斎・リビング学習スペースです。
インターホンと床暖房のスイッチはリビングからもダイニングからも近いこの場所です。
足下にはガスコンセントが設置されています。
ファンヒーターを利用する為の設備ですが、こちらもダイニング・リビングどちらにもファンヒーターの風を送れるようにこの場所にしました。
書斎・リビング学習スペースは次の記事で詳しくご紹介致します。
次の記事:「瑞穂公園西の家2」完成写真の公開 〜 書斎・リビング学習スペース 〜
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間取りの解説記事1の続きです。
1、南側に2枚の採光窓があるワイドスパンで明るいリビング
土地の解説記事でも触れていますが、この土地を購入した大きな理由のひとつが、ワイドスパンの明るいリビングが造れる事。
南側に2枚の採光窓が設置できる事で、明るいリビングを実現できている事はもちろん大きな特徴。
それ以上に、リビングだけでなくダイニングまで窓際に配置でき、明るい・・これがワイドスパンリビングの大きな魅力です。
この2枚の窓は、電動シャッターを採用しています。
電動シャッターの利点は、カーテンや窓を閉めたままスイッチひとつでシャッターの上げ下げができる事。
シャッターの上げ下げがとても楽なので、少しのお出かけでもシャッターを閉め、防犯性を高めて外出して頂ける事。
また、電動シャッターは上げ下げの音がとても静かです。
2、居心地の良いリビングに必要な照明計画
↑ 「平和公園北の家」
物件の陽当たりの良さとはつまり、お昼間の光環境です。
ミキプランニングでもそうですが、その事を気にする分譲住宅メーカーは多い訳ですが、一方、照明計画には無頓着な物件ばかりな気がします。
照明計画とはつまり、夜の光環境です。個人的には、お昼の陽当たりと同じくらい大切な事だと思っています。
直接的な光、特に白色の光を浴びる事で人間の身体は覚醒するように出来ているようです。ですので、お昼間は太陽の光でお部屋が明るいのがいちばん。
しかし、夜のリビングには、就寝前のくつろぎの時間を過ごすという役割があります。
そのために、白色の光は避け、電球色の照明器具を選択する事は当然ですが、直接的な光を避け、刺激が少ないあかりでなければいけません。
よって、リビングは間接照明が中心の照明計画となっています。
間接照明とはその名の通り、ランプから発せられる光を一度壁や天井でバウンドさせる照明計画です。
光を一度バウンドさせる事によって、角の取れたやさしい光になります。
とはいえ、夜のリビングだからと言って、くつろぐだけでもないでしょう。本を読む時、明るさが欲しい時もあると思います。
そのような時は、折り上げ天井の中央にあるダウンライトを点灯します。
このダウンライトは、光があまり拡散しないタイプのものを選択しています。また、光の向きを自由に変えられる器具です。
設置したテーブルやソファの位置にあわせ、光が欲しい場所に向きを変えてご利用下さい。
3、ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを設置できるようにしています。
↑ 「瑞穂公園の家」ダイニングルーム 器具の根本とレールが隠れるように天井にスリットを造作し、その中にレールを設置しています。レールが設置されている範囲であれば、テーブルの位置にあわせて自由に照明器具の位置を変えらえれます。また、数を増やすこともできます。「瑞穂公園西の家2」でも、同じプランを採用しています。
ダイニングルームにシーリングライト・・その提案は少なくとも自分の物件ではしたくないと思っています。
まんべんなくお部屋中を明るくするシーリングライトはとても機能的ですが、食事が主役のダイニングルームには不向きだと思っています。
お部屋の中がまんべんなく明るいという事は明暗差がない均質な光環境という事。
人間の目は、相対的に明るい場所に自然と注目するようにできているようです。
明暗差がない均質なあかりでは、目的とメリハリのない味気ない空間になってしまいます。
主役であるダイニングテーブル上の食事をスポット的に照らすペンダントライトは、食事をするという目的に適した照明で、ダイニングにはやはり似合います。
ミキプランニングの物件は、照明器具は基本的に物件に含まれています。
建築と一体化している間接照明が多いから・・という理由もありますが、照明プランはそもそも作り手側が提案するべきものだと思うのです。
※ここには詳しく書きませんが、ダウンライトひとつとっても、7種類の器具を使い分けています。
ダイニングルームにはペンダントライトをオススメしてこのようなプランにしているのですが、このペンダントライトだけはお住まいになるお客様にご用意頂いています。
ダイニングルームのペンダントライトは、インテリアの雰囲気をすごく大きく左右します。
ですので、ぜひインテリアのお好みやテイストに合わせてダイニングの顔となるお気に入りのランプをセレクトして下さい!
もちろん、ご相談を頂ければ器具のご提案も致します。
4、ダイニングテーブル脇のカウンター
↑ 「相生山駅東の家」 「瑞穂公園西の家2」とほぼ同じ造りです。
ダイニングテーブルの上にはとにかく物が集まってきます。
領収書の束や開封前の郵便物、読みかけの雑誌や新聞・・・食事には関係がないけれども、テーブルの上についつい置いてしまう物も多いはずです。
ダイニングテーブルはそのような物の置き場としては都合が良いのでついつい置いてしまう訳ですが、それらの物の居場所(一時的にでも)が用意されていないと、テーブルの上は片付きません。
ダイニングテーブルは食事をするテーブル。そのまわりを機能的に、スッキリと使って頂けるように一般的なダイニングテーブルと同じくらいの高さである約72センチの高さにカウンターを設置しています。
例えば、ティッシュボックスや調味料入れなど・・・テーブルの上に置きっぱなしにしておくと邪魔になるし美観を損ねるけれども、頻繁に使うものなので、常にテーブルのそばに置いておきたい物の居場所としても最適です。
雑誌類を収納できる奥行があるので、ダイニングテーブルをお子様の勉強スペースにされたい場合、勉強セットなどを置いておく事もできます。
また、棚の上にコンセントが設置してあるため、卓上で調理家電を使う時も、足元をコードが這う事はありません。
コーヒーメーカーやトースターなどの調理家電を設置しても便利です。
育ち盛りのお子様がいる家庭では、ごはんを炊いたら炊飯器ごとこのカウンターの上まで持ってこれば(もしくはカウンターの上で最初から炊いてしまう)、おかわりするたびにキッチンに行く必要もなくなります。
5、リビング学習ができる2人掛けのライブラリースペース
↑ 「瑞穂公園の家」:こちらも、ほぼ同一の造り。
リビングの中でお子様がお勉強できるスペース。もしくは、家族共用のPCスペースや書斎として活用できるライブラリーを設けています。
横幅も広く、テーブルは2人掛けができる長さがあります。
照明器具は本棚の下にテーブルの横幅に合わせて壁スイッチで点灯するタイプのものをあらかじめ計画しました。
この棚下灯を採用した理由は2つあって・・・
まず、2人分の卓上スタンド照明を設置すると、活用できるテーブル上のスペースが狭くなってしまう事。
↓
その点、壁スイッチ点灯の棚下灯であれば照明器具を置く必要はなくなり、テーブルがより広く使えます。
もうひとつの理由は、テーブル上がまんべんなく照らされ、手元に不快な影ができにくい点です。これは、勉強スペースや作業スペースにはとても大切な事です。
ダイニングテーブルをお勉強スペースとして活用するのもアリですが、ダイニングスペースと勉強スペースでは求められる光環境が異なります。
その点、専用スペースであれば目的に沿った最適な照明の計画ができる訳で、より優れた環境を造る事ができます。
造り付けなので、余計な隙間ができないのもポイントです。
壁から壁までぴったり納まったテーブルは、消しゴムや筆記具が転がって裏側に落下・・のような事がありません。
それに、テーブルを支える足もなく、見た目がとてもキレイです。
天井までしっかり空間を活用できるのも、造り付けの特徴。テーブルの上部には本棚が2段造りつけられています。
6、独立型キッチン
↑ 当社施工事例の独立型キッチン:キッチン正面にキッチンペーパーやふきんが収納できるハンガーが設置します。まだまだ活用できそうな壁面スペースが残っています・・。
私は、分譲住宅に求められるのは「誰が使っても使いやすい汎用性の高い間取り」だと思っています。「汎用性の高い間取りは長く快適に生活できる間取りでもあり、資産価値の高い間取りでもある」・・・と考えています。
そうゆう意味で、個人的には分譲住宅でアイランドキッチンを採用する事はありません。アイランドキッチンは誰にとっても使いやすいキッチンではないからです。
舞台のようにLDKの中心に鎮座するアイランドキッチン。キッチンまわりに置かれたモノは「見てほしい」とばかりに主張します。常にキレイに片付けておかないと、生活感を排除したオシャレな空間をイメージしたつもりが、LDK全体が片付いてない落ち着かない印象になってしまいます。
収納がたくさん必要な箇所にも関わらず、吊戸棚も付けられず収納に利用できる壁面も無く、収納を確保する事が難しい・・・
油や水がダイニングのほうまで飛び跳ねて、お掃除も大変・・・
毎日朝も昼も夜も使う場所なのに、常に片付いている状態を求められる訳で、「求められるハードルがかなり高いキッチン」です。
「使う人に覚悟が求められるキッチン」とも言えるでしょう。使う人に「見せる事を楽しむことができるかどうか」・・・も、問われるのではないでしょうか。
逆に、設計をする側には「綿密な計画」が求められるのがアイランドキッチンです。「最小限の労力で、最大限に片付く工夫」が求められる訳です。「なんとなくカッコいいから・・・という理由で採用する事など許されないキッチン」だと思っています。
住まわれる人が決まっている注文住宅では、それらのハードルを乗り超える事もできるでしょう。
しかし、それを分譲住宅で採用しようというのは・・・・つまり、「アイランドキッチンの覚悟」を不特定多数のお客様に対して求めるという事を意味する訳で、それはある意味すごい事だと思う訳です。
分譲住宅や分譲マンションの世界では、「デザイナーズ住宅」・・・と、自ら宣言している物件が最近多いですが、この手の物件はアイランドキッチンやオープンキッチンを設置し、それをキャッチコピーにしている事が多いような気がします。
不特定多数のお客様を対象にする分譲住宅なのに、何の工夫も背景もなくただ置いただけのアイランドキッチンを、お客様に覚悟を求める訳でもなく、イメージを演出する為に計画する。この手の物件は、自分が苦手とするタイプの物件のひとつです。
自分が造りたいのはこれと正反対の物件なんだなぁと、このような物件を見るたびに思うのです。
私の場合、独立型キッチンを採用する場合は必ず扉付きの計画とします。
扉付独立型キッチンの機能的なメリットは下記のように多岐に渡ります。逆に扉が付いていない独立型キッチンでは、独立型の魅力の半分も発揮できません。
1、独立型の魅力はなんといっても、キッチンが多少片付いていなくても気にならない事。
2、どんな時でも扉さえ閉めてしまえば、リビングダイニングから一瞬で生活感を消す事ができます。これはものすごいメリットです。
3、冷蔵庫や炊飯器・電子レンジ等の家電がリビングダイニングから見えません。特に、冷蔵庫を隠すとリビングダイニングは想像以上にスッキリとした空間になります。
4、扉も窓も閉めてキッチン内で換気扇を回せば、キッチンのにおいが外に漏れる事を防げます。密閉されている空間なので空気の流れをコントロールできるのです。キッチンとしてはとてもすばらしい機能です。
5、ましてや、キッチンの水や油がダイニングまで飛ぶなんて事は絶対にありえません・・・。お掃除もキッチンの中だけで完結します。
6、キッチンの扉を閉めてしまえばエアコンや暖房の効率が上がります。使っていない空間も暖める・・・なんて無駄を省くことができます。これも独立型でしか実現できない機能です。
7、それとは逆に、「瑞穂公園西の家2」では、キッチンの足元にも床暖房を設置しているので、扉を閉めて床暖房をONすればキッチンだけを効率よく暖める事ができます。
8、扉がベビーゲートのかわりになって、小さな子供やペットがキッチンに迷いこみません。
9、吊戸棚を取り付けられるのはもちろん、キッチン正面は全部「壁」なので、壁を利用した機能的な収納が可能。(定番の随時利用品ぶら下げ方式)
10、面積をコンパクトに設計できるので、その分リビングの収納量を増やせる。
※今回は、独立型キッチンを選択する事で、リビングにライブラリースペースを計画する事ができています。
そして、これらすべての素晴らしいメリットは独立型でしか実現できません。
機能的な独立型キッチンは個人的に大好きです。ある意味アイランドも独立型もどちらも偏った存在ですが、私個人的には機能性に偏った独立型キッチンが断然好きです。
7、冷蔵庫スペースと背面収納スペースを仕切る壁
洗濯機と洗面台の間を仕切る壁と同じ目的で造っています。
まず、冷蔵庫の上に2段の棚板を渡し、収納として最大限活用する為です。
次に、冷蔵庫と背面収納スペースの間に壁がある事で、冷蔵庫や背面収納の側面が隠れ、シンプルで整った納まりになります。
冷蔵庫のスペースを壁で囲ってしまう訳ですが、日本製であれば十分な大きさの冷蔵庫がちゃんと納まる寸法になっています。
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代表取締役 佐藤 幹展
どんな事を考え、どんな思いでこの間取りを計画したのか・・
その点について、記事にまとめました。
関連記事:私が物件づくりで大切にしている事&解説記事を書く理由。
携帯電話・ティッシュボックス・眼鏡・腕時計・寝る前に読みたい本・目覚まし時計・ハンドクリーム・・・等々、、ベッドのまわりに置いておきたいものはたくさんあります。
必要な物が必要な時にベッドにいながら手を伸ばせば取れるのはとても便利です。
我が家でも造りましたが、大活躍しています!
また、天井に照明器具が取り付けられていると、ベッドで横になった時にまぶしくて快適ではありません。
壁に照明器具を取り付け、天井を照らす上向きの光とする事で、快適な光環境になるようにしています。
7、上下2段で収納でき、手前と奥で使い分けられるクローゼット。
ハンガーパイプを可動式とする事で、上段と下段に分けて洋服を掛けられる仕様にしています。
また、奥行きがあるクローゼットを最大限収納スペースとして活用できるよう、クローゼットの取付位置をできるだけ手前とし、奥に棚板を設置しています。
もちろん、奥の棚板に収納したものは洋服をかき分けて取る必要はありますので、使用頻度の低いものを収納するスペースです。
↑ 我が家の写真で恐縮です・・。