ダイニングルーム
それこそ、価値観の違いですし、ダイニングテーブルの上がシーリングライトでも普通に生活することはできる訳ですから、好んでシーリングライトを選択している人からすれば完全に余計なお世話ですが・・
分譲住宅でよく目にする「テーブル配置とは無関係な位置に設置されたシーリングライト」はさすがに前記事で触れたポール・ヘニングセンが言うところのひどい照明計画なのでは・・と思います。
個人的には、ダイニングテーブルにはやはりペンダントライトを計画したいです。
確かに、シーリングライトはひとつのスイッチで全体を明るくできるなんでもアリの便利な照明ではありますが、食事の時間には食事に適した照明を計画したいところです。
食事に適した照明とはやはり、主役である食事を引き立てる照明でしょう。
全体を均一に明るくするのではなく、ペンダントライトであかりの重心を低くし、テーブルの上の食事を引き立てるように照らします。
空間の明るさを確保する役割は天井の4つのダウンライトと壁面の間接照明が担います。
天井のダウンライトは径が小さく、器具の存在感が少なく、また、グレア(不快感があるまぶしさ)が少ないものを選んでいます。
写真に写っているペンダントライトはそれこそ、ポール・ヘニングセンがデザインしたPH5ですが、PH5のすごいところは食卓の上の食事をしっかり照らしつつ、同時にテーブルを囲う人たちの顔をまぶしさを感じさせないように柔らかく照らすように設計されている事です。その為に、吊り下げる高さまで指定されています。さすが巨匠です。。
ちなみに、上部にあるスリットの中には、照明用のレールが計画されています。
照明器具の根本とレールを隠し、すっきり見せる事と同時に、テーブルの配置やサイズ・照明の数が変わっても簡単に照明器具の位置を調整できるようになっています。
実際に、テーブルの配置を奥のカウンターにくっつけるのか、それとも離してテーブルまわりを回遊できるようにするのかは悩みどころですね!
テーブルの脇には2段のカウンターを計画しています。
このカウンターは一般的なダイニングテーブルと同じくらいの高さに設計されていますので、テーブルの延長として使う事ができます。
テーブルの近くに置きたいティッシュボックスやウェットティッシュ、調味料や朝食で使うハチミツやジャムなどをこのカウンターの上に配置する事で、欲しいものを手の届く範囲に置いた上でテーブルを広くスッキリと使う事ができます。
また、横幅があり広いカウンターなので、花やピクチャーフレームを飾る事もできます。
カウンターの上にはコンセントがあり、コーヒーメーカー・トースターなどの調理家電を置いておけば、キッチンのほうまで来なくても家族それぞれが勝手にパンを焼いたりコーヒーを入れたりする事ができるようになります。
食事中に保温状態の炊飯器をセットしておけば、おかわりのご飯をその場でよそう事ができます。
テーブルの上でホットプレートやIH調理器を使う時は、カウンター上のコンセントを使えば楽ですし、足下をコードが這わないので安心です。
それと、クリスマスや誕生日・お正月などの特別な日、友人や親戚などが集まる日は食卓が豪華になるもの。お鍋やすきやきの材料をあらかじめ並べておいたり・・そうゆう時に配膳台としても使えるカウンターです。
カウンターの内部は写真にあるようなボックスを利用した収納がいちばん効率的でしょうか。寸法的には本棚として使用する事もできます。
最下段にはコンセントもあり、ルンバの基地としても利用できます。
少し引いて撮影した写真。
南面に窓が2枚並び、ダイニングにもしっかりと陽が入る明るいリビング・ダイニングです。
別アングルです。
窓際の天井にはカーテンボックスが造作されています。
カーテンを開けている時、カーテンレールが丸見えにならないので窓まわりがとてもすっきりします。
また、小さな子供がいるご家庭では、上下移動するシェードやウッドブラインドなどを検討する方も多いですが、天井際に溜まるたたみ代部分をある程度隠してくれるのも嬉しいです。
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株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展