良い間取りとは何か?

家づくりは、住まい手と造り手の共同作業です。

建物品質に関わる構造や施工、土地選びの基本的な方向性など、「ハード」に関しては、メーカーである以上譲れない価値観を持ち、顧客をリードしてゆく責任があると思っています。

しかし、間取りなどの「ソフト」に関しては、造り手の主義主張ばかりではなく、住まい手の好みや習慣などが多いに反映されるべきだと考えています。

ただし、どのような間取りでも、「これだけは良く考えておいたほうが良い」という事柄があることも事実です。

永く使い続けられる家は、収納が充実している。

お子様が誕生し成長する。また、ご自身も年齢を重ねてゆく中で、将来にわたってどれだけの収納量を確保されていれば十分と言えるのでしょうか?

これを予測することは難しいでしょう。

たとえ予測したとしても、何十年後かに予測通りの結果には恐らくならないと思います。

住まいには、予測できないことや後から気づく事がたくさんありますが、収納量はその最たるもの。

しかも、収納が少ないことに後から気づいても、収納量を後から増やす事は根本的には不可能です。

長期的な価値を持つ間取り、永く快適に使い続けて頂ける間取りを提供する為には、「可能な限り収納を多く計画する」むしろ、「収納を軸に間取りを計画する」ことが非常に重要です。

おさらい
  • ●「間取りの寿命」は収納量によっても決まる。
  • ●収納が足りないことは、住んでから気が付く。
  • ●収納を後から増やす事は、根本的には不可能。

将来のライフプランや資金計画によって、目指す間取りの方向性は180度異なる。

将来的に住まいを売却する可能性が少しでもあるのであれば、できるだけ「汎用性の高い間取り」=「どんな家族にも対応できる柔軟性のある間取り」にしておくことをおすすめします。

「汎用性の高い間取り」は、 誕生するお子様の人数や性別、年の差などによる、ご自身の生活スタイルの変化にも柔軟に対応することができます。

同時に、「汎用性の高い間取り」は、「どんな家族にも対応できる柔軟な間取り」でもあるので、売却をする際に有利な間取りとも言えます。

もし、そのようなライフプランの方が、売却を想定せずに「思い切った間取り」にしてしまうと、いくら土地が良くても売りづらい物件になってしまい、将来の住み替え計画の障害となってしまうでしょう。

ただし、「資産価値とは、売ったり貸したりしない限り表面化しない価値」です。

この考え方は非常に大切です。

将来売却や賃貸にする可能性がないのにもかかわらず、資産価値にこだわりすぎるのは本末転倒です。

これは、土地探しにもそのまま当てはまる考え方です。

そのようなライフプランの方は、表面化することのない資産価値にとらわれすぎず、ご自身の理想をそのまま形にしたほうが幸せです。「思い切った間取り」になってしまっても良いので、自由に「自分だけの快適な間取り」を追求しましょう。

私たちにとって大切なことは、お客様のライフプランや資金計画を十分にヒアリングさせてい頂いた上で、「間取りの方向性」をご提案するということです。

おさらい
  • ●資産価値の高い間取りと資産価値の低い間取りがある。
  • ●資産価値にこだわるべき人と資産価値にこだわる必要がない人がいる。
  • ●資産価値は、売ったり貸したりして初めて表面化する価値。
  • ●将来のライフプランによって、資産価値に対するアプローチは全く異なる。
  • ●将来のライフプランによって、おすすめできる間取りの方向性は大きく異なる。
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