この記事では、「千種区南明町の家」の土地を購入した動機について説明します。
不動産の購入・職業の決定・結婚、どれも人生において大きなイベントですが、いずれも絶対的な正解はありません。
双方幸せになれる契約にとって最も重要な事は価値観の一致だと思っています。
他の物件との比較や条件の一致が不要だとは思いませんが、価値観の一致はそれらに先立つものだと思います。
そのような理由から「どのような動機と価値観でこの土地を選んだのか」という事を説明する事は、かなり大切な事だと思っています。
「千種区南明町の家」の購入をご検討されている方はぜひご一読下さい。
●もっとも重要な前提条件「災害に対する安全性が高く安心できる土地」である事
これらは、住まいとして求められる普遍的で本質的な価値であると共に、多くの人がそれを求めるが故に、流動性・資産性の高さにも直結する、自分が土地を探す上で大前提としてきた条件です。
その最も根底にあるのは、「災害に対して安心できる立地である事」だと思っています。
大雨の時、河川の氾濫や浸水の心配をしなくてもよい土地。
地盤が強く、震災時の液状化リスクが低い土地。
津波が到達する心配のない土地。
これらの土地の安全性や安心感に関わる要素は、住まいを考える上で最も普遍的かつ本質的な価値であり、土地探しの最優先事項です。
「千種区南明町の家」の土地についても同様です。
各ハザードマップへのリンクを整理しておきましたので、ご確認下さい。
・津波ハザードマップ(千種区は津波による浸水が想定されていない地域なので津波ハザードマップがありません)
●資産性の高さに直結しつつ、住んで便利な価値「交通利便性の高い土地」である事
安全性の次に重要な要素、それは交通利便性です。
毎日の生活利便性に直結する事ですから、交通利便性の高い土地には普遍的な需要と資産性の高さがあります。
「千種区南明町の家」において、メインになるのは徒歩10分の地下鉄桜通線「吹上」駅ですが、少し歩きますが地下鉄東山線の「池下」駅も徒歩14分で利用可能です。
「地下鉄」という歴史のある安定した交通インフラがある千種区は、いわゆる「旧市街」と言われるエリアです。
旧市街には、新興住宅街のような街全体としての浮き沈みが少なく、長期的に見ても価値が安定しています。
それが、一貫して「名古屋市内東部エリア、地下鉄沿線」の土地ばかりを購入してきた理由です。
●南側に対して約19.7mの間口を持つ「陽当たりの良い土地」である事
陽当たりの良さも、多くの人が土地や住まいに求める普遍的な価値です。
「千種区南明町の家」の土地は、南側に対して約19.7mの間口を持っています。
それによって、朝から夕方までどの時間帯も、季節を問わず、すべての居室が明るい間取りを実現できています。
これは、この地形の土地だからこそ実現されている得難い魅力です。
30坪を切る敷地面積でありながら、南側に対して19.7mもの間口を持つ土地を見つける事は相当に困難です。
その希少性の高さと得難い環境の土地である事は、この土地を購入した最大の動機とも言えます。
●価格に対し最大限の価値が発揮できる「無駄のない敷地面積の土地」である事
分譲住宅は妥協の産物として見られがちなイメージですが、土地と建物を同時にコーディネートする事ができる分譲住宅は、住まいとしてのトータルバランスを追求できる「大きな可能性」を持った商品だと思っています。
その住まいとしてのトータルバランスこそ、自分がこの仕事を通して追及してきた事です。
それを実現する為に最初に考える事が土地の面積です。
1坪あたり100万円を超える名古屋市内東部エリアでは、1坪の土地の違いが物件価格に大きく影響します。
限られた予算の中で、土地の良さも建物の質も妥協しない住まいを実現するには、つまり、住まいとしてのトータルバランスを追求するには、土地も建物も1坪たりとも無駄な面積が生じてはいけません。
どちらも、1坪の面積の中に最大限の価値を凝縮する事が必要です。
今まで仕入れてきた土地は、低層地域を除きほとんどの物件が20坪台前半から20坪台後半の物件ばかりです。
「千種区南明町の家」も、敷地の隅々まで活用しつくされている無駄のない面積と設計になっています。
●この敷地形状だからこそ、「唯一無二の魅力的な間取りが実現できる土地」である事
当然ながら、住まいとしての優れたトータルバランスを実現する為には、敷地面積が小さければそれで良いというシンプルな問題ではありません。
土地探しをした事のある方ならイメージが容易かもしれませんが、コンパクトでムダのない土地を探そうとすると、次は地形の問題に突き当たります。
他にも様々な要素はありますがシンプルに言うと、敷地面積がコンパクトな土地は「間口が小さく細長い土地ばかり」だという事です。
ムダのない敷地面積というだけではなく、良い間取りが計画できる土地の形と間口や寸法が同時に備わっていなければいけません。
さて、千種区南明町の土地は一見、三角形をしている活用しづらそうな土地に見えます。
しかし、実はまったくそうではありません。
建物の配置を計画した時に見えてくる、この地形でしか実現できない間取りとその魅力があるのです。
それを発見した時に、この土地を購入する決断をしました。
この点については、「間取りの解説記事」において詳しく掘り下げてご説明します。
●「現在の住環境が将来に渡って持続する条件を備えている土地」である事
「陽当たりの良い間取りを実現する為の土地の条件」にはかなりこだわって土地を仕入れてきました。
今まで手掛けた家で、陽当たりが悪い家はひとつもないと断言できますが、重要な事は陽当たりが良い間取りを実現する事だけではありません。
その陽当たりの良さが将来に渡って持続する可能性が高いという事があらかじめ予想できる事です。
「千種区南明町の家」は、南側が大きな道路である事によって、その陽当たりの良さが将来に渡って持続する可能性が高く、その事は、この土地を購入した大きな動機のうちのひとつです。
しかし、大きな道路である事から時間帯によっては交通量があります。
音の問題については個人差がありますが、僕自身は南側の道路の車の音が気になる事は生活の中でほとんどありませんでした。
夜間はあまり交通量がなく、音が気になって寝付けないとか目が覚めてしまうような事は、少なくとも僕や家族にはありませんでしたが、この点は現地でお確かめ頂くポイントだと思います。
●程よい高低差によって「陽当たりの良さとプライベート性を両立できる土地」である事。
↑ 歩道より高くなっている地盤面とウッドフェンスによって、視線を遮りプライバシーを確保。建物をL型に配置する事によって、窓を境界線から離して設置できている事もポイント。
道路のある南面に対して大きな間口を持つという事は、よほど広大な土地でない限り、南側の道路と南側に大きく開いた採光窓との距離が近くなる事がほとんど。
道路からの視線が気になる間取りになってしまう事は、間口の広い南向きの土地の宿命とも言えます。
しかし「千種区南明町の家」は、南側の道路よりも敷地が高くなっており、歩行者から室内が容易に覗き込めないような位置関係になっています。
無駄のない30坪以下のコンパクトな敷地面積でありつつ、南に対して20m弱の間口を持ち、採光窓を多く配置した明るい間取りを実現しながら、道路からの視線が気にならないプライバシーが確保された間取りが実現できている。
奇跡的な条件の土地だと今でも思います。
あまりにも整った条件の土地であった為、「千種区南明町の家」は、当初分譲住宅用地として法人で契約を締結した土地だったのですが、急遽個人での契約に切り替えてもらい、自宅にする事にしたのです。