ほとんどのお客様が、当社の事をはじめて知る方だと思います。
2020年の今年で8年目になりますが、ミキプランニングは小さな会社ですし、会社所在地をグーグルマップで見てみてもただの一軒家な訳です。
もし、たまたまお近くに来られる事があってどんな会社なのか車で前を通ってみよう・・という事があれば、会社名すら表示されていない事に気づくでしょう笑
なんて怪しい会社だ!・・・と、思われてしまうかもしれません。(普通はそう思いますよね)
ただ、それにはいろいろな考えや理由があってそうしているのです。
その点のお話しをしながら、ミキプランニングという会社の簡単な自己紹介をする記事です。
■株式会社ミキプランニングは、代表の佐藤がひとりで営んでいる会社です。
可能なかぎりコンパクトな会社である事。
それはもう、僕の中ではこの仕事をする上での信念のようなものです。
まず、ミキプランニングの事務所は僕の自宅と兼用です。
従業員はひとりもいません。
つまり、運転資金をほとんど必要としない会社です。
土地の選定・仕入れから、造成の計画、建物の配置や間取りの計画、コーディネート、収納や細部の造作の計画、照明や電気関係の計画、それらの作図から完成した現地の写真撮影、お客様へのご説明やご契約、お引き渡しまでのフォローからアフターサービスまで、すべてを代表の佐藤が行っています。
自分の知る限りこのような形態の分譲住宅メーカーは知りませんし、そのような意味ではそれなりに変わった会社であるとも言える訳ですが、それにはほんとうに多くの理由・動機があります。
経営に関わる理由
・運転資金の為に、たいして良くない土地を無理して買わなくても良い。
→ 営業社員が一生懸命営業しないと売れないような在庫リスクのある土地はそもそも買わなくて済みます。
→ 結果、営業社員を雇用する必要性がない。
・リーマンショックやコロナショックなどの事変に強い。
→ 運転資金がほとんど必要ない会社ですので、半年〜1年くらい休んでいても平気です。むしろ、良い土地が無ければ仕事をしない時期があるのは当社にとっては通常運転です。
・立派なオフィスやショールームは無駄な経費だと思っている。
→ それがある事によってお客様に与えるイメージの違いはあると思いますが、造っている商品の本質が変わる事はありません。
→ 豪華で非日常的なショールームのような、つまり「イメージ」で売るというのは、僕の価値観とはかなり違います。
→ 設計上のそれぞれの工夫が現実的な生活の中でどのように機能しているのか、それを自宅兼事務所というリアルな空間の中でお見せするほうがよっぽどショールームとしての価値があると思っています。
・広告宣伝費をほとんど必要としない
→ 運転資金がほとんど必要ない会社ですので、物件数を求める必要もなく、会社の知名度を高める必要性が低い。
→ 良い物件だけを厳選して仕入れる事ができるため、広告をほとんどしなくても買って頂ける。完成した物件が在庫となる事がまず無いので、見学会と新聞折り込み広告を毎週のように実施する必要があまりない。現場待機する営業社員も必要ないですし、広告費もほとんど必要としません。
・土地仕入れの意思決定が早い
→ 土地を見に行くのも、その土地にラフプランを入れるのも、そして、購入を決定するのも全て自分です。
→ 大きな会社のように、「仕入れ担当→設計担当→凛議書の作成→経営の意思決定」という手順を複数の人間で行う必要がありません。
→ 良い土地情報が出た時にそれを購入できるかどうか・・その点、意思決定の速さはとてつもなく重要です。
→ 物件にもよりますが、さほど難しく無い土地であれば情報が手元に届いて徹夜でプランを仕上げ、翌朝現地を確認し、そのまま電話で購入意思を伝える・・という事も可能です。そんな仕入れができる会社はほとんど存在しないのではと思っています。
商品づくりに関わる理由
・運転資金の為に無理な仕入れをする必要がないので、自分が本当に良いと思った土地のみ仕入れる事ができ、商品(土地)に対して大きな妥協する必要がなくなる。
→ それはどんな物件なのかについては、こちらの記事にまとめていますので、どうぞ!
・年間の物件数が少なくても良いので、限られた数の物件に自分の能力を注ぎ込む事ができる。
→ 間取りはもちろん、棚板の奥行きや高さからコンセントの取り付け位置、照明器具の選定や取り付け位置、壁紙の選定に至るまで自分自身で最良と思うものを計画しています。
・自分自身で選んだ土地に、自分自身で建物を計画する事により、商品の細部に至るまで自分の意思を反映させる事ができる。
→ 土地を選んだ・建物を造った本人がお客様に直接説明できるのも大きな利点です。全部を自分で計画していますので、販売物件に関する事であれば基本的にはほとんどのご質問にお答えする事ができると思います。
個人的な性格によるもの
・運転資金の為に買ったたいして良くない土地を営業しなくて済む精神衛生上の理由。
→ たいして良くないと思う物件を売る為に、さも良い物件のようにお客様に営業するのは苦痛ですし、楽しくありません。(経験談)
→ それができるのは営業気質のタイプの人間です。それはそれですごい能力ですね!僕はどちらかというと、プラン・企画が得意な(職人気質よりは手前の)ものづくり気質のタイプの人間です。当社から営業電話がかかってくる事はまず無いのでご安心下さい笑
・自分の時間を大切にしたい。
→ 前提となる個人的なおはなしですが、僕は趣味が多い道楽人間です。
→ 仕事以外のプライベートな時間を充実させる事・自分自身の好奇心を満たす事を人生においてとても大切にしています。
→ 同時に同じくらい、仕事に対して楽しんで取り組めるという事も大切にしています。数や数字を求めて仕事をしたくないというのはこの辺の事が理由にあります。
→ 無理してたくさんの物件を手掛ける必要がなければ、自分の時間も持てるようになります。
→ ひとりで仕事をしていれば、気軽に自由に動けます。
・他の人と仕事を共有したり任せる事が苦手
→ はっきり言ってこれはただ自分が不器用なだけですが、仕事を自分でやらないと気が済まない、他人に任せられない典型的なタイプです。
→ 会社員の時には部下を持った事もありますが、本当にさまざまな事に困惑しました笑
■実際の業務内容
・分譲住宅の企画・開発・販売
→ 実態としては、当社の業務の8割くらいは分譲住宅のお仕事です。
・注文住宅
→ 注文住宅を請ける事もあります。ホームページ上ではほとんど触れていませんが笑
→ お客様が気になっている土地、既に購入されている土地に対し、プランや予算をご提案するパターンがひとつ。
→ もうひとつは、土地探しから一緒なって住まいを造っていくパターンです。予算や理想とする暮らしをお聞きして、どんなエリア・条件で土地を探すのか・・・そこからスタートします。
それにしても、会社名くらい玄関に表示したほうが良いですよね・・笑
僕は飛び込み営業や電話というものが好きではないので、そうゆうのが増えたら嫌だな・・というのがひとつめの理由。
もうひとつは、イマイチかっこよく表示できる案が思い浮かばないのです。
もうすぐ事務所と自宅を千種区に移転して1年になりますが、なんとなく良いアイデアが浮かんだのでそろそろ・・・。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
この仕事をもう17年近くやっていますが、うち15年くらいはずっと土地の仕入れ・購入に関わっています。
数えきれない程の土地を見て回り、おそらく100件前後の土地を今までに購入しました。
そんな仕事をずっと続けていると、自分なりに「いい土地とは何か?」という価値観が熟成されてきます。
ノルマに追われる会社勤めの時はそうじゃない事もありましたが、今では自分の価値観に照らし合わせ「心から良い」と思える土地しか買いません。
良い土地が出るのはタイミングです。良い土地が出なければ何もしないほうが良いと思っています。
売上や運転資金の為に「まぁまぁ」の土地を無理に仕入れる。そんな必要がないスリムでコンパクトな体制で仕事をしています。
※関連記事:大手分譲事業者が商品にこだわり抜く事ができない理由。
良い土地とは何かという問いには、さまざまな答えがあると思いますが、そこにあるのは正解・不正解ではなく、価値観の違いです。
数えきれない数の物件からひとつの物件を選ぶという作業は、ほとんどのお客様にとって人生の一大プロジェクトだと思います。
そんな正解がなく、何が正しいのかわかりづらい迷える物件探しの過程の中で、私自身がお客様に大切にしてほしいと思う事は価値観が一致するかどうか、共感できるかどうかという事です。
突き詰めれば、「幸せな」契約とは価値観の一致だと思います。
ある意味、物件を決めるというのは、仕事や結婚相手を決めるのと似ていると思います。
いずれも人生を左右する重要な決断で、何が正しいのかがわかりづらく、数字や条件だってもちろん大切ですが、それだけで割り切れるものでもありません。
ですので、考え方や価値観をお伝えするという事は、条件をお伝えする事よりも大切な事だと思っています。
ご自身の価値観がまだ明確でなくても、少なくともプロのほうにはハッキリとした価値観があるはずです。
物件探しで大切な事は、造り手の土地選びや家づくりの価値観に共感できるかどうか・・という事だと思います。
ですので、このような記事ではできるだけ、物件を造っている私自身の価値観をお伝えできれば・・と思っています。
今回は、私自身の土地選びに対する価値観のお話です。
1、資産価値と利用価値が高く、その下落リスクが低い土地
↑ わかりやすいのは駅が近い物件。ほとんどの人は駅から家が近ければ嬉しいですし、多くの人が欲しがる土地=流動性が高く、資産価値が高い土地です。
人口が減少するこれからの時代、不動産の価値は二極化します。
価値の高い不動産は「資産」として所有者を助けますが、価値の低い不動産は「負債」として所有者の足を引っ張ります。
不動産の資産価値は売却や賃貸しない限り表面化する事はありませんが、いざという時、または、人生の節目。そんな時に、所有している不動産の価値が人生を左右する事もあるでしょう。
子育て期を広くて収納がたくさんあり、上下階の音の問題がない一戸建てで過ごし、老後はワンフロアで生活できる駅近の便利なマンションで過ごす。
そのような住み替えをする方は多くいらっしゃいます。
しかし、住宅ローンを組めるのは30代・40代のうち。子供たちが独立した後の住み替えは、手持ちの現金と不動産だけが頼りです。
だからこそ、30年・40年というスパンでライフプランを考えた時、不動産の資産性はとても大切です。
ミキプランニングでは・・・
・住宅地としての歴史が古く、生活インフラ(交通・スーパーなど生活に必要な商業施設・病院・公園・学校)が充実し、「定着」している事。
・地理的に自然災害(主に水害や地震=地盤)に対するリスクが低い地域である事。
・住宅地としての需要が高く、古い家と新しい家が混在し、街として健全な代謝が繰り返されている事。
このようなエリアから物件を選択します。
このような特性の地域は、結果として安定した価格で不動産が取引されており、将来的にも資産価値の下落リスクが少ないと言えます。
基本的には「名古屋市内東部エリアの旧市街、地下鉄駅徒歩圏」の中から物件を選択しています。
※もちろん、それだけではダメです。
また、そのような条件の土地はたいてい資産価値が高いだけでなく利用価値も高いのです。
日常生活の中では表面化しない資産価値とは事なり、利用価値の高さは毎日の生活を便利で豊かなものにします。
駅や学校、スーパーが近い立地によって、家族全員の何十年という毎日の通勤や通学、お買い物が楽になる事はとても価値がある事だと思います。
子育て世代にとっては、大きくて緑がたくさんある公園や図書館などの文化施設が近ければ、子供と過ごす日々の時間がより豊かで充実したものとなるでしょう。それもすごく価値がある事だと思います。
2、陽当たりの良い家が建つ土地
↑ 採光面にしっかりと陽があたる南向きの土地(足場で覆われているのでわかりにくいですが・・)
南向きの土地はやはり陽当たりが良く、明るく気持ちがいい家が建ちます。そして、人気なので資産性も高いです。
北向きの土地も、地形と設計次第では明るく、静かで落ち着いた環境の家を建てやすい土地です。
西向き・東向きの土地は、基本的に陽当たりが良い家は建てづらいですが、間口が広い土地(なかなかありませんが)であれば明るい家が建てられる事もあります。
ミキプランニングでは、陽当たりが悪い土地(明るい家が建てられない土地)は買いません。
家の環境は生活の環境そのものと言っても過言ではありません。
つまり、家を造る行為はその場所での生活環境を造るという行為です。
極端な言い方ですが、陽当たりが悪い土地は根本的に住宅用地として失格なのです。
幸福ホルモンとも呼ばれるセロトニンは太陽の光を浴びる事で生成されます。
さらに、セロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれ、生活のリズムを整える役割を持つメラトニンの原料でもあります。
陽当たりが悪く薄暗い環境では心身ともに健康な生活を送る事はできません。それは、科学的にも証明されています。
ですので、買っているのは結果的に陽当たりが良く明るい家を建てやすい南向きか北向きの土地がほとんどです。
3、陽当たりの持続性がある土地
↑ ある注文住宅を受けた時の採光検討図。南向きの土地でしたが、向かいの敷地が割と大きい上に、こちら側に寄って高い建物が建つ可能性がありそうだったので季節ごとの陽当たりを詳しく検討しました。結果、2階建てで吹き抜けを介して採光を確保するプランをお客様は選択しました。
今陽当たりが良く明るいだけでは不十分で、陽当たりの良さ・明るさの持続性がある程度予見できる土地でなければダメです。
土地を買う時にはいつも、南側の土地の状況をチェックします。
いくら南向きの土地であっても、背の高いマンションが近くに建つ可能性がある土地であれば、環境が大きく変化してしまう恐れがあります。
北向きの土地であれば、南側隣地との間にどれだけの空きスペースが確保できるかがポイントになります。その距離によっては、建て替えられた建物が3階建ての一般住宅でも環境が激変してしまう恐れがあります。
もちろん、こちら側の計画が2階建てか3階建てかにもよります。3階建ての家は、リビングが2階になりますので、陽当たりやその持続性という意味では有利です。
良い土地情報が出た時にはまず、周囲の敷地の権利関係を調査した上で、建物の配置プランを作成し、将来的な環境変化のリスクを検討します。
将来的に陽がほとんどあたらない家になってしまう可能性が少ない土地=陽当たりの持続性がある程度予見できる土地である事。
これは、ミキプランニングが土地を買う上での絶対条件です。
4、広すぎず、狭すぎない敷地面積
↑ 2坪敷地面積が増えても、出来る事はほとんど変わらない。しかし、予算や価格は百万円単位で上昇します。
まず、ミキプランニングの場合、土地の上に計画するのはたいていの場合4LDKのお家です。
もちろん、部屋が4つあれば良い訳ではありません。
狭いリビングは嫌ですし、居室にはそれぞれがきちんと機能する広さと収納が必要です。
当然、共有部分にも十分な収納が必要です。可能な限り、玄関まわりには大きな納戸を計画したいです。
立地にもよりますが、駐車場は2台分のスペースを確保したいですし、北向きの土地であれば南側に採光スペースを兼ねたお庭が絶対に必要です。
この条件を満たす建物を建てるには、3階建てのお家の場合であれば約20坪前半~20坪後半の敷地面積が必要です。
低層地域の2階建てであれば40坪は必要です。
逆に言えば、それ以上の広さがあっても活用が難しく、ムダに予算や物件価格を上昇させる原因になります。
名古屋市内東部の人気エリアの場合、1坪が80万円~120万円はします。
上の図にもあるとおり、土地の面積が2坪変わっても、出来る事はほとんど変わりません。
ですが、予算や物件価格は160万円~240万円上昇してしまいます。
土地や建物の質を落とす事なく、予算・物件価格を抑える為には、極力ムダのない広さの敷地を選ぶ必要があります。
小さすぎるのもまた問題です。
外壁メンテナンスの為、足場も掛けられないくらい隣家との隙間が少ない家は家として根本的にダメです。
再建築する時に、建てられる家と間取りが著しく限定されるほど狭い土地もダメです。土地の資産価値が大きく損なわれてしまいます。
土地や建物の質と予算を最良のバランスで仕上げる為には、選ぶ土地の面積はとても重要な要素です。
5、バランスの良い土地の間口と奥行き
言うまでもなく、適切な大きさの土地であればそれで良い訳ではありません。
細長い土地は窓が小さくなり、採光を確保するのが難しくなります。
逆に、間口が広すぎる土地は、北向きであれば南側の採光が厳しくなります。
環境が良い家を建てる為には、土地の間口と奥行きのバランスはとても重要です。
「ムダのない面積の土地」という条件と合わせて「間口と奥行きのバランス」が最適な物件を探そうとすると、あてはまる物件は本当に数が限られます。
この記事でご紹介した5つの条件すべてを満たす土地は、おそらく100件の土地情報を見ても1つも見つけられません。
300件見て1つあるかどうか・・。それくらいの感覚だと思います。よい土地は本当に少ないのです。
年間100棟単位で土地を仕入れないといけない大きな組織の会社では、必ず土地の仕入れに妥協が生じます。
それを補うために、多大な広告宣伝費を投入したり、たくさんの営業マンを雇用する事で営業力によって販売するという方針を取らざるを得ません。
土地探しから建物の企画まで、一貫してプロが造るのが分譲住宅です。
だからこそ実現できる最良のバランスとパッケージを提案できてこそ、分譲住宅の価値だと思います。
土地について言えば、エンドユーザーが簡単に見つけられるような土地では意味がないのです。
つまり、土地の仕入れで妥協をするという事は、既に分譲住宅としての価値を大きく損なっていると思うのです。
当社は、提供できる物件数こそ少ないですが、このような価値観に基づいて厳選した土地だけを購入し、物件づくりをしています。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
オプションとしてご提案できる事。リビング編。
分譲住宅の場合、住む方が決まっていない段階で計画を進めます。
それだけが理由ではありませんが、建物の計画をする時にはいつも「住む人を選ばない汎用性の高い間取りや内装プラン」を意識しています。
言い換えれば、誰が使っても使いやすい間取りで、どんなテイストのインテリアにもなじみやすい個性や方向性が少ない内装プランです。
それが、資産価値の高い = 流動性が高い間取りでもあるのではないかと考えています。
間取りや内装の計画している時には、「こうしたらもっと良くなりそう」とか「こうしたらもっと便利になりそう」・・と、思う事はたくさんあります。
その中で、住む人を選ばない事であり、建築時にしかできない事であれば、あらかじめ計画しておきます。
しかし、住む人を選びそうな事・好みが分かれそうな事は採用を見送る事も多いです。
そのようなものの中で、後からでも採用可能なものについて=オプションとしてご提案できるものを諸々ご紹介できればと思います。
造作テレビボード
↑ モデルハウス&自宅 造作テレビボードにはオーディオ機器がたくさん置いてありますが一部を仕事部屋に移動し、今は半分くらい子供のおもちゃ収納に使っています。メープルで造作した窓枠やカーペット敷きの床は思いっきり好みが分かれそうですのでなかなか採用しづらいですが、注文住宅やセミオーダーならご提案はできそうです。
まず、注文住宅やセミオーダーのお客様の採用率が高いのが、上の写真にある造作テレビボードです。
テレビボードは最初に造ってしまうと、もともと気に入っている置き家具を持ってる方にとっては邪魔な存在になってしまいます。
なので、最初から計画する事はありませんが、特に予定の家具が無い方にはオススメのプランのうちのひとつです。
↑ モデルハウス&自宅 オーディオ機器はもちろん、子供のピアノ&ボックスに入ったおもちゃがすっぽり収納できる。
■良い点
・横幅最大4mまで柱なしで支えられる構造なので、スッキリした見た目に。
・壁から壁までのカウンターなので、リビングボードとして存在感がある。
・壁から壁までスペースを無駄なく活用でき、大容量。
・収納計画によって、高さや段数を自由にオーダーメイドできる。
・置き家具に比べると、お値打ちな提案ができる。
■イマイチな点
・扉を付けられない。
・置き家具のように持ち運びができない。
自宅でも実際に使っていますが、一番助かっているのは収納量の多さです。
まず、子供のおもちゃ類を収納するのにすごく便利です。
上の写真にあるように、子供ピアノ&ボックスに入ったおもちゃ、、さらに写真には写っていませんが、積み木や鉄琴などをこの場所に収納しています。
キッチン遊びをするようになったら、、と考えて色々下見をしていたんですが、これくらいのスペースがあれば収納できてしまう商品もあるようで、その時期になればキッチンも追加できるスペースはありそうです。
そこそこの量のオーディオ機器とこれだけのおもちゃを収納するには、置き家具では無理だったと思います。
オープンな収納ですが、寸法ぴったりのボックスを見つければ大量のおもちゃもすっきり収納できます。
↑ メーカーの施工事例写真です。収納プランによってはこのように2段で造る場合もあります。
テレビ背面のタイル貼り&壁掛けテレビ&木天井&ホームシアター
↑ モデルハウス&自宅
■壁掛けテレビ
写真のように、テレビを埋め込む仕様は著しく汎用性を低下させる(使うテレビが限定され、買い替えや物件の売却時に困る)ので、よほどの目的がない限りあまりオススメはしません(笑)
自分の場合は、ホームシアターを造る時にテレビの前(ギリギリ)にスクリーンが降りる納まり&スピーカーとの干渉を抑える為にこうしました。
壁掛けテレビの仕様にすれば、造作テレビボードの上も広く使えます。
地震の時も安心ですし、何よりも見た目がスマート。
完成後に壁掛けテレビ仕様にするのは少し大変ですが、方法はあるのでご相談下さい。
■テレビ背面のタイル貼り
このようなアクセントになる壁面はある程度方向性がある素材を使わないとアクセントになりづらいのです。
しかし、どんな方向性にするのか?
それはやはり、住む方が見えない状態ではなかなか計画しづらいのです。
よって、特にリビングのようなメイン空間のアクセントウォールは、住む方の好みやインテリアの方向性にあわせ素材や色を選択するのがベストです。
我が家では、「平和公園北の家」で採用した外壁タイルの色と寸法違いのものを貼り方向を変えて内装で使用しました。
ただでさえ立体感と質感が強い手焼きのタイルですし、照明の光が上からあたる箇所でもあるので、目地の影が強調されて必要以上に強い印象になるのを避けるため、目地部分がくぼみにならないように施工しています。
個人的には大満足でとても愛着を感じています。
もう少しリビングに華が欲しいという方は、ご相談下さい。
■リビングの木張り天井
物件によっては採用しています。
インパクトがありますし、好みも分かれるのでしょうか・・悩むところで、標準ですべての物件に採用する事は今のところありません。
でも、造作リビングボード・壁掛けテレビに比べれば、あらかじめ採用できる可能性は高いかも・・とも考えています。
フローリングと同系色のメープルやオークの家具をお持ちなら間違いはありませんが、ウォルナット系の家具でしたら、それに合わせて濃いめの木材をチョイスするのもオシャレだと思います!
間接照明がある折り上げ天井の場合、夜はキレイですよ!質感の高い材料は、照明と相性が良いです。
ただし、木張りをする事で空間に広がる光の色は変わります。
照明の役割としての天井を優先するのであれば、今の状態がベストです。
雰囲気はすごく出ますが、光の色もまぁまぁ変わりますので、どちらを優先するのかは光の色がどう変わるのかモデルハウスでご確認頂いてからでも良いと思います。
■ホームシアター用の電動スクリーンを隠蔽して納める
テレビの前にスクリーンが降りてくる納まり。これがやりたくて、いろいろと苦労しました・・。
↑ スクリーンは天井内に隠蔽されるので使っていない時は存在感ゼロです。
マイホームを買ったらホームシアターを造りたいと思っている人もいると思います。
私もオーディオが趣味ですので、これはずっとやりたいと思っていました。
せっかくホームシアターを造るなら、大型の電動スクリーンを隠蔽して納めたいですよね!
物件によってはご提案できますので、ご興味がある方はお気軽にご相談下さい!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
なぜ、そうしたのか?という解説記事を書く理由。
私は、「なぜ、そうしたのか?」という造り手の動機をご説明するという事をとても大切な事だと思っています。
家づくりや土地探しには絶対的な正解はありません。
様々な価値観を持つメーカーが存在し、様々なお考えのお客様が存在します。
そんな中、造り手側とお客様双方にとって最も大切で幸せな事。それは「お互いの価値観が一致する」という事ではないかと思っています。
なんとなく・・・というのはモノにとっても人にとってもあまり幸せとは言えないのではないかとも思います。
お客様の側としては、なんとなく買ったモノでも使ってみたらその良さがすごく理解できて、とても愛着を持つに至った・・・という事も考えられますが、少なくとも造り手側がこだわりを持って商品を造っていなければそんな奇跡も絶対に起こりません。
なので、造り手側としては「なんとなく・・」というのは決して許されない事で、価値観や動機を持って商品を造る事がとても大切な事だと私は思っています。
しかも、注文住宅とは違い分譲住宅は、造り手側が造り手側のみの意志で土地を選び・間取りや仕様を決め、家を造る訳ですので尚更造り手側に明確な価値観や動機を求められると思っています。
分譲住宅と言えば、世間一般的には「妥協の産物」として受け止められている節がありますし、実際に私自身そう思う物件も多いです。
しかし、少なくとも私はそうは考えていませんし、そのような物件を絶対に造りたくはありません。
分譲住宅は、不動産と建築、双方に精通したプロが土地選びから造りあげる商品である以上、プロによる提案が詰まった住宅でなければいけません。
エンドユーザーが見つけられない価値のある土地を仕入れなければ分譲住宅である意味がありません。
エンドユーザーが気付けない価値を間取りとして提案できなければ分譲住宅である意味がありません。
エンドユーザーでは実現が難しい土地・建物・価格・品質のトータルバランスを実現できなければ分譲住宅である意味がありません。
故に、なんとなく造られた動機無き分譲住宅ほど悲しい存在はありません・・・。
分譲住宅だからこそ実現できる価値、それをどこまで提案できるのか。
プロとしてこの仕事に関わるのであれば、その事は最も大切にしていきたい事だと思っています。
そして、「なぜ、そうしたのか?」という事を造り手側としてしっかりお客様に伝え、それに納得や共感をして頂いた結果として私が造った物件を購入してくださり、住まい続けて頂ける。
それが、私にとってもお客様にとっても物件にとっても、最も幸せな事だと思うのです。
もうひとつの理由
まだ会社勤めだった時代、自分の考えからはとても良いと思えない物件をノルマの為に仕入れ、また、そんな物件をお客さんに営業するのが本当に嫌でした。
自分自身が心から良いと思える物件を造り、ありのままの自分の想いを伝え、お客様もその想いや考え方に共感して頂いてその物件に末永く住んで頂く。そんな仕事をしたいと渇望していました。
その後紆余曲折があり自身の会社を設立する訳ですが、まず最初に、「自分の物件を造るからには自分自身が良いと思えないような物件を造ってお客様におススメするような事だけは絶対にやめよう。」と思いました。
ですので、ミキプランニングでは創業以来、土地の仕入れはもちろん、間取りの企画・内装コーディネート・外装コーディネート・照明計画および器具の選定・収納計画・造作(こまかい造り込み)計画など、商品づくりに関するほとんどの工程を代表である私自身が納得できるまで検討を重ねます。
仕様を決める為にはショールームへ何度も足を運び、造作や照明の計画の為には私自身が何枚も図面を引き、自分の考えが正しく建物に反映されるように現場には何度も足を運び、監督さんや時には職人さんと直接打合せを重ねます。
その検討は、例えば何気ない棚板の奥行や高さなど、細部に至るまでに及びます。それは、お客様がなんの事前情報もなしに物件を見学しても絶対に気付けない事ばかりだと思います。
「なぜ、そうしたのか?」という考え方や動機をご説明するという事を大切にしているのはこのような理由もあるのです。
また、私自身がそのようにして造った物件に対する考えや想いを直接お客様にお伝えしたいので、お客様と接し、物件のご説明をするのも、私自身です。
そうなると、ひとつひとつの物件に対する思い入れはとても強くなる訳です。
なのでやはり、お客様が私の物件に対する考え方や価値観に共感して頂いた時にはとても嬉しい訳で、何よりも、そうゆう仕事の仕方が自分自身とても楽しいし性に合っているというのが一番の理由かもしれません・・・。
会社の規模が大きくなればなるほど、そのような仕事の仕方は構造上どうしても叶わなくなってしまいます。
(参考記事:大手分譲事業者が商品にこだわり抜く事ができない理由)
なので、自分自身や会社の将来を考える時、そのような仕事の仕方はこれからも変えたくないと思っています。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
同じ商品を大量に生産する産業ならともかく、同じ商品を2つとして扱わない分譲事業者は、その規模が大きくなればなるほど、自社の商品へのこだわりを貫くことが難しくなってゆきます。そのジレンマから逃れる事は非常に難しいのです。
私が過去に在籍していた不動産会社がまさにそうでしたので、確信をもってそう思えるのです。
それはなぜか。
1、運転資金を捻出する為に、常に土地を仕入つづけなければならない
大きな会社というのは、もちろん、多くの従業員を抱え、大きな事務所を借りなければいけません。
それを維持するだけでも、多大な運転資金を要します。
いくら良い土地が出なくても、
いくら景気が後退していても、土地の仕入れを止めることはできません。
それなりの数の土地を仕入れ、商品化し、販売しなければ会社を維持してゆくことができません。
そうすると、必然的に厳しい仕入ノルマが課せられることになります。
たくさんの土地を期限までになんとしても仕入れなければいけません。
良い土地だけを厳選して仕入れたい気持ちは山々ですが、そうは言っていられません。
仕入ノルマを達成する事が最優先です。なぜなら、仕入の数が売上に直結するからです。
「良い物件だから買う」というのは、仕入ノルマを達成する為、つまり、稟議を通す為の作文です。
ここで重要な事は、「そもそも、良い物件というのは絶対数が限られている」という事実です。
実際、角地はひとつのブロックに4つしか存在しませんし、駅からの距離は近くなればなるほど、その物件数は加速度的に少なくなります。
大手分譲事業者であれば、年間1000棟規模で土地の仕入れをしている訳ですが、これだけの数の仕入ノルマをこなしながら、限られた土地だけを厳選して仕入れることは絶対にできません。良い物件はそもそも希少で絶対数が少ないのです。
冷静に自分自身の土地に対する価値観と照らし合わせてみれば、その物件は良い物件だと言えないことは明白でも、営業マンとして仕入の契約を取らなければいけない事情があります。
そんな状況の中で、土地という特殊な商品を扱う以上「数」と「質」を同時に実現することは非常に困難だということを痛感すると同時に、大いに疑問を感じたものです。
2、商品力だけで売りづらい商品は、営業力によって売らなければならない。
次に、そのように仕入れられた物件をどう販売するか?という問題が出てきます。
物件を厳選できない以上、商品の力によって販売することは難しい。
そうなると、営業マンをたくさん雇って、営業マンとその数の力によって売るという事になります。
しつこい電話営業やアポなしの訪問営業という営業スタイルとなる会社も多い訳です。
立派なオフィスと広告がそれらの営業マンの後押しをするという構図です。
もちろん、たくさんの営業マンや立派なオフィスや広告の存在は、運転資金・固定費の増加の直接的な原因となる訳で、土地の仕入ノルマはより一層厳しくなる訳です。
大きな規模の会社は、このスパイラルから抜け出すことは難しいと思っています。
そんな訳ですので、物件を販売する営業マンは、自分が取り扱っている物件を自分自身良い物件だと思っていない事が多かったりします。
むしろ、「この売りづらい物件を売ってこそ、営業の価値だ」と思っていたりします。
そのような体制の会社であればあるほど、営業マンのトークが「いかにも営業トーク」という感じで聞こえるから不思議です。。
3、ひとつひとつの物件にかけられる情熱や時間が少ない。
これは、すべての会社がそうとは言えませんが、傾向としては会社の規模が大きくなればなるほど、仕様や設計のパターンがあらかじめ決められていて、ひとつひとつの物件に対して個別に検討する機会が少ないと思います。
ある大手分譲住宅会社では、あらかじめ決められた間取りを敷地の間口や地形にあわせて選んで配置するだけ、という話も聞いたことがあります。
自分にはとても信じられません。
その後私が入社した会社は、あまり大きな規模でない地元密着の会社でした。
もちろん、少人数体制の会社です。
営業マンは私だけという時代も結構ありました。
良い物件があれば、買います。
良い物件がなければ、買いません。
よって、半年近く販売する物件がないという時期もありました。
良い物件が出なかったから買わなかっただけですが、それは大きな規模の会社には決してできない選択です。
もともとスリムな体制の会社ですので、会社を維持する程の物件量であれば、いくら物件が少ない時期でも質を落とさずに仕入をすることができます。
ただし、その分仕入を厳選していますので、仕入の大変さはあまり変わりません。
仕入れた物件は、自分自身が本当に良いと思える厳選した物件ばかりでしたので、営業マンがたとえ私だけでも、苦労することなく販売する事ができます。
もちろん、突拍子もない電話営業をしたり、アポなしで訪問営業をしたりすることは絶対にありませんでした。
良いと思える土地を買い、良いと思える建物を建て、その物件の良さを、また、なぜそれが良いのかをお客様にお伝えする事に全力を注ぎます。
すると、お客様はこちらから営業をしなくても、お問い合わせをしてきて下さいます。
そして、物件を実際にご覧頂ければ、その良さを評価して頂くことができました。
よって、たくさんの営業マンや立派なモデルルームや広告などのように、物件の本質以外のものに多くの経費をかける必要がありませんでした。
そのような省エネ体制ですから、物件量が少なくても、会社の経費を十分に賄うことができていました。
結果、良い物件だけを厳選して仕入れ、物件の本質的な価値に関わる物事に経費をかける事ができていました。
良い商品を造り、提供することありきで、利益や会社の規模はあくまでもその結果だという考え方の会社でした。
数を求めることで回るしくみではなく、質を求めることで回るしくみを実現できていた会社でした。
これは、土地を扱う分譲住宅事業において、大きな規模の会社では決して真似できません。
以前在籍していた会社があまりにも自分の理想とかけ離れていた為、その真逆の会社に在籍してみたら、ほぼ自分の理想とする通りだったという訳です。
今、私自身が目指しているのも、このような方向性、価値観の会社です。
とにかく、自分の理想とする物件、自分自身が心から良いと思える物件だけを手掛けていきたいと思っています。
その為に、間取りや照明計画、収納計画をはじめ、細部の造作に至るまで、自分自身が納得できるまで検討を重ねる時間も必要です。
なので、物件数は少なくても構いません。
売上や利益は、結果としてついてくるものであり、先に売上や利益ありきで物件を仕入れたりする事はしたくありません。
その為にも、派手なショールームやオフィスを持つことも、物件の販売だけをする営業マンを雇う事は、これからもしないと思います。
それをしてしまった時点で、売上や利益先にありきで、仕入ノルマを設定しなければいけなくなるからです。
実際、当社の事務所は普通のマンション内にあります。一部業務のアウトソーシングをしておりますが、営業マンも雇わず、代表である自分自身だけのスリムな体制の会社です。
よって、土地の仕入から間取りの決定、仕様の決定、お客様への営業活動まで、すべてを一貫して自分自身が関わっています。
それは、そのような動機・理由があって、そのようにしているのです。
また、それは今後も大きく変わることはないだろうと思っていますし、そうあり続ける事を望んでいます。
今日はとても長いお話になってしまいましたが、最後まで読んで頂いた方はいるのでしょうか・・・・?
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展