今週は、「相生山駅東の家」の土地を評価したポイントについて、解説記事を書こうと思います。
土地としていくら立地が良く希少な条件でも、良い間取りが入らなければ自分にとっては良い土地とは言えません。
自分にとって良い土地の一番の条件は、良い間取りが入る土地です。
自分にとって良い間取りとは、「明るく・収納がしっかり確保でき・汎用性が高く・生活力が高い間取り」です。
それらの事については、「間取りの解説記事」に詳しく記載しております。
ここでは「良い間取りが入る」という事の他に、土地を購入したポイントについてお伝えしたいと思います。
駅から近い。そして、駅までほぼ平坦地。
不動産の価値を測る上で、駅までの距離というのは絶対的な価値です。
それだけに、あまり説明する事がありません。わかりやすく大きな価値です。
「相生山駅東の家」は、最寄りの地下鉄駅まで徒歩6分。
6分という距離は毎日の生活においても、便利さを実感できる距離でしょう。
駅まで近い物件は、利用価値が高く、また、資産価値も高いのです。
ただし、大事なポイントは「駅までほぼ平坦」だという事。
分譲マンションでは特に、丘の上に建っている事を「ヒルトップ」と表現してアピールしていたりしますが、個人的には、坂を上らないといけないデメリットのほうが先に頭をよぎります。
実際、それを理由に住み替えを決断したお客様のお手伝いをした事もあります。
毎日の生活・暮らしを基準にして考えた時、ヒルトップでの生活というのはアイランドキッチンと同じように、理想と現実に大きなギャップがあるのだと思います。
ほら貝の街は、標高の一番高い場所で、大通りから約20mの高低差を登らなければいけません。
20mという高さは6階~7階建てのビルと同じ高さです。それを歩いて登るのです。
荷物を持っていた場合、年齢を重ねた時の事・・色々考えると大変だと思います。
坂の上にある土地は、駅までの距離がいくら近くても、数字をそのまま受け取る事はできません。
「相生山駅東の家」の土地は、駅までの道のりがほぼ平坦であるという事も、大きなポイントです。
間口が広い土地。そのメリットは多岐に渡ります。
間口が広い事によって得られる最大のメリットは、南に広く建物を配置できる事による陽当たりの良さです。
実際、ワイドスパンのリビングを実現できていたり、4つのうち3つのお部屋が南を向いている間取り、南側に大きな窓が計画できている等、明るいお家を実現できる要素を満たす為、間口の広さは大きく役立っています。
次に、駐車場の台数と車の出し入れのしやすさです。
A・B共に、間口が約7.5mあるので、車種を選びますがお車を3台とめる事ができます。
これも、間口に恵まれていないと実現できない条件です。
前面道路も広く間口も広い為、2台の駐車であればかなり余裕を持って駐車できます。
さらに、2台の駐車の場合、人が通るアプローチをしっかり計画できるというメリットがあります。
車と車の間を気を使いながら玄関にアプローチする必要はありません。
外構デザイン上もアプローチをしっかり表現でき、ゆとりのある計画を実現できます。
さらに、間口が広い土地には、正方形に近く耐震的にもバランスの良い建物を計画する事ができます。
「相生山駅東の家」は、荷重が最もかかる1階に壁を多く配置し、壁が少ない大空間のリビングを2階に上げているので、その点も耐震的には有利です。
北向きの土地。実はメリットがたくさん。
お部屋の明るさを決定する要素はいろいろありますが、主に下記に集約できると思います。
1、お部屋の向き(南向きのお部屋はやっぱり明るい)
2、窓の大きさと数
3、南側のお家(障害物)までの距離と高さ
一般的には、南向きの物件が明るさでは有利というイメージがありますが、実はこれら3つの条件のうち、南向きの物件が明らかに有利なのは「3」だけです。
※ただし、これらの中でもっとも大切なのは「3」です。「3」を満たしていないお家は、いくら「1」と「2」を満たしていても、意味がありません。
「1」と「2」は、土地の向きよりも、土地や建物の間口によるところが大きいです。
北向きの物件は、これらの条件をバランスよくクリアしやすい上に、北向きならではのメリットがたくさんあります。
まず、南側道路の物件は、南側の良い場所を玄関にとられてしまい、リビングにつけられる窓は意外と小さなものになってしまう事が多いのですが、北側道路の物件は、南側を採光面としてフル活用できます。その事によって、1と2の条件が満たしやすいのです。
また、南側道路の物件の場合、採光を優先しようとすると、私の物件の特徴とも言える大型玄関納戸を設置する事が難しい場合が多いのです。その点、北側道路の物件は採光を気にする事なく玄関を大きく計画できるので、収納もたっぷり確保できる場合が多いのです。
南向きの物件は、道路側に窓をたくさん計画する事になりますので、どうしても外からの音がリビング内に侵入しやすいです。その点、北側道路の物件は、道路側に大きな窓を計画する必要がなく、道路と反対側に大きな窓を計画するので、静かなリビング環境を実現しやすいです。
北側道路の物件は、道路からバルコニーやお庭に干したお洗濯物やお部屋の中が見えず、プライバシー性が高い事も特徴です。
また、北側道路の場合、採光を確保する為に南側に大きな空き寸法を確保する事が多いので、結果的にまとまった広さのプライベートなお庭が確保できます。
南向きの物件は、南側に車をとめる事になるので、車が傷みやすいのです。しかし、カーポートを取り付けるとなるとリビングの陽当たりが悪くなる事も多く、悩むところです。その点、北側道路の物件は、建物が影になる時間が多いので、南向きの物件に比べると車にやさしいのです。
諸条件はありますが、それさえ満たすことができる土地なら、下手な南向き(間口が小さく、奥行きも確保できず、道路からの緩衝地帯がつくれない土地)の物件よりは明るく静かで落ち着いた住環境が実現できるのが北向きの土地なのです。
そのような理由から、北向きの土地は好んで購入しています。
「相生山駅東の家」も、まさに1~3の条件をバランスよく満たす事ができる北向きの土地なのです。
※結局、良い間取りが入る条件のお話になってしまったような気がしますが・・。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
今週末(8月25日・26日)は、「相生山駅東の家」完成内覧会です!
ご予約不要の内覧会ですので、お気軽にお越しください!
※物件の説明をしっかり聞きたいお客様・資金計画をご希望のお客様、ご予約を頂ければ優先致します。
開催時刻は、10時より17時までです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
↑ ただ、現在は外構工事前の状態で、現地にお車をおとめ頂く事ができません。お車でお越しの方は、地図にあるPマークのコインパーキングをご利用下さい。
B邸の完成写真を少しだけ撮りました。
B邸の特徴はなんといっても、採光窓が2枚設置されているワイドスパンリビング。
たいていの間取りは、南側の窓際にリビングを配置します。そして、ダイニングはそれよりも奥に配置されることがほとんどです。
ワイドスパンのリビングの場合、この写真のようにリビングだけでなくダイニングも南側の窓際に配置できるのです。
これはなかなか実現できない希少で贅沢な間取りです。
窓際の明るいダイニングで毎日の食事ができるのは、生活の幸せ度少しアップな気がします。
それと、配置的にテレビを見ながら食事を楽しむ事が多いご家庭にはB邸はオススメです。どの席からもテレビが見えます。
A邸と同じく、ダイニングテーブルの近くのオープン棚を設置しています。
ただ、A邸よりB邸のほうが、スペース的には横幅が広く余裕があります。
これだけの横幅があれば、、炊飯器・トースター・コーヒーメーカー・ボックスティッシュ・各種調味料・ジャムやはちみつなどのビン、お鍋に投入する前の具材・・・色々なものが置けます。
これらをダイニングテーブルからすぐ手が届くこのカウンターに置けば、テーブルは常に広くスッキリ、かつ、機能的に使えます。
B邸は、本棚付きの寝室。面積もA邸に比べると少し広く、ベッドを配置する壁面長もA邸よりも長いです。
シングルベッド×2のツインベッドレイアウト。
また、小さなお子様と一緒に寝るダブル+シングルのレイアウト。
※シングルは子供が大きくなったら子供部屋へ移動。。
これらのベッドレイアウトを想定するなら、B邸のほうが余裕を持ってレイアウトできます。
また、B邸はベッドの枕元に窓があります。
この窓は、ベッドの上で寝転がってるときに手が届きやすい高さに設定しました。
窓台の上に、携帯電話や目覚まし時計などを置く事ができます。
壁に薄型のブラケットライトを設置し、枕元でも照明のON・OFFができるように計画しています。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
お待たせ致しました。
「相生山駅東の家」の内覧会スケジュールを公開致します。
現在、現地はA邸のクリーニングが完了し、タイル工事・外構工事を残すのみとなっております。
B邸は、クロス工事の真っ最中で、もう間もなく完成を予定しております。
■8月18日(土)・19日(日)会員様限定プレオープン内覧会(ご予約制)
●予約制 = じっくりと見学したい・質問がある・資金計画を知りたい・物件の説明をしっかりと聞きたいお客様向け。
この物件は、土地との出会いから始まり、間取りの計画・仕様の選定・造作や収納計画・照明計画などの細部に至るまで、すべて私自身が想いを込めて造った物件です。
予約制としましたのは、私がこの物件を造るにあたって考えた事をしっかりとご説明する時間を設けたいと思ったからです。
じっくりと説明を聞いて検討したいというお客様、先行見学会へのご参加をおススメします。
先行内覧会では、代表の佐藤が物件のご説明を致します。
●18日・19日とも3部制
第一部:午前10時~12時 第二部:午後1時~3時 第三部:午後3時~5時
ご都合が良いお時間をご指定下さい。できれば、複数のご希望を頂けると助かります。
※土日以外でご内覧ご希望のお客様、ご相談下さい。
●ご予約方法
メール(sato@mikiplanning.com)もしくはホームページ上お問い合わせフォームまで、ご希望の日時をご連絡下さい。
●当日閲覧して頂ける資料一覧
内覧会では、以下の資料を自由に閲覧頂けるように現地にご用意をしております。
〇第三者検査機関の施工検査写真一式 〇地盤調査報告書 〇建築確認申請書類一式 〇構造計算書類 〇外構計画図
●諸経費計算および月々のお支払計画、住宅ローン控除額計算など、資金計画をご希望のお客様
当日、ご希望のお客様に、諸経費の計算および資金計画のご提案を致します。ご希望の方は、源泉徴収票をお持ち頂けるとより正確なご提案をさせて頂けます。
■8月25日(土)・26日(日)一般内覧会(ご予約不要)
一般のお客様が自由に見学できる内覧会です。(10:00~17:00)
●予約不要 = さらっと物件を見学されたいお客様向け。
■9月1日(土)・2日(日)一般内覧会(ご予約不要)
一般のお客様が自由に見学できる内覧会です。(10:00~17:00)
●予約不要 = さらっと物件を見学されたいお客様向け。
■9月2日(日)13時より、お申込み受付開始。
資金計画(ご返済プラン・持ち家で住み替えのお客様はそのご計画)によってはお申込みを受け付ける事ができない場合もございますので、あらかじめご相談頂く事をおススメ致します。
■現地地図
※ 物件現地は外構工事が完了しておらず、お車をおとめ頂く事ができません。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用下さい。または、お車で現地までお越し頂ければ、近隣のコインパーキングの場所をご案内致します。駐車代として、500円分のクオカードをお渡し致します。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
A邸の竣工写真を撮影しました!
↑ 「相生山駅東の家」A邸(現地写真):ベッドルームを西側より撮影
A邸のベッドルームは書斎スペース付き。
上部には本棚が造りつけられています。
メイン照明はレール式とし、照明器具の数と向きを調整する事ができるようになっています。
オススメなのは、写真のようにクローゼットの方向を向ける使い方。
生活の中で、就寝中のパートナーを起こさないように配慮しつつ着替えの用意をするという事はありませんか?
この時、クローゼットの中を照らしつつ、ベッドで就寝中のパートナーからは眩しい光源が見えないようにお使い頂けます。
↑ 「相生山駅東の家」A邸(現地写真):ベッドルーム内に設置された室内洗濯物干し金物。
「相生山駅東の家」は、南側にフェンスで囲まれているお庭スペースがあります。
もちろん、道路から見えない場所にあるので、お洗濯物を干すスペースとして重宝すると思います。
それでも部屋干しをしたいお洗濯物は、この室内洗濯物干し金物をお使い頂ければ便利です。
普段はピンチハンガーを吊るす使い方。
雨の日や梅雨時には2つの金物にポールを通してたくさんのお洗濯物を干す使い方もできます。
埋め込み式の金物なので使っていない時はスッキリとした見た目。邪魔になる事はありません。
また、
ベッドルームには、天井から真下を照らすような照明器具はふさわしくありません。
ベッドで過ごす時、視線は天井のほうを向いている事が多く、天井から真下を照らすような照明は眩しさを感じるからです。
また、部屋全体を均一に照らす照明器具もベッドルームにはあまりふさわしくありません。
前項でも触れた通り、夫婦で活動時間が異なる場合があるからです。
ベッドを置く壁面には天井を照らすブラケットライトを2つ設置し、就寝前に余計な光を浴びないよう、また、眩しさを感じる事がないように計画しています。
↑ 「相生山駅東の家」A邸(現地写真):吹き抜けのあるダイニングルーム。
吹き抜けの天井には天然のオーク材を使用しているので、柄や色合いのバラつきが天然素材ならではのいい味を出しています。
このオーク貼りの天井が引き立つように、吹き抜けの壁面には天井を照らすアッパーライト(写真右端の照明)を3灯計画しました。
また、吹き抜け上部には窓を設置しています。
オーク貼りの天井を窓からの光で引き立てると共に、ダイニングルームにも自然光を届けます。
吹き抜けに設置した高い場所にある窓は換気用の窓としても優秀です。
換気をする窓と窓の高低差がある程、煙突効果によって空気が通るようになるからです。
天井から吊るしたペンダントライトはコードを延長している為、シーリングカバーが変な場所にありますが、実際にこの場所の照明を選ばれる際にはコード長をあらかじめ調整されるのがベストだと思います。
照明器具のコーディネート・ご提案も致しますので、ご相談下さい。
↑ 「相生山駅東の家」A邸(現地写真):ダイニングルーム 床暖房のスイッチがまだ取り付けられていない状態です。
ダイニングテーブルのすぐそばに、一般的なテーブルと同じ高さになるようにカウンターを設置しています。
ボックスティッシュ・ジャムやはちみつ・塩コショウなどの調味料入れなどをテーブルの上に置きっぱなしにせず、ダイニングテーブルをより広く活用できるようになります。
また、郵便物や文房具・エアコンなどのリモコンなど、テーブルの上に集まりがちな日用品の置き場所としても活用できます。
カウンターの上にはコンセントを設置しています。
トースターやコーヒーメーカーなどの調理家電をここに設置しても便利ですし、炊飯器を保温にしてここに設置しておけば、おかわりの度にキッチンまで行く必要もありません。
また、卓上でIH調理器やホットプレートを使用する場合、足元にコードを這わす事がなく安心です。
下部の棚板は、ボックスやカゴを活用してお子様のおもちゃ入れなどの収納として活用できます。
また、上部の棚板はお子様の手が届かない高さなので、ディスプレイのスペースとしても活用できますし、リビング内の本棚としても活用できます。
↑ 「相生山駅東の家」A邸(現地写真):リビングルーム。
南側には大きな窓が設置され、とても明るいリビングです。
刺激が少なく落ち着けるあかりとなるように、壁面と天井を照らす間接照明がそれぞれ造りこまれています。
天井のダウンライトは向きを変えられるようになっており、配置したテーブルやソファの位置にあわせて向きを変更し、光量を補えるように計画しています。
すべてLEDの照明を採用しています。
↑ 「相生山駅東の家」A邸(現地写真):小屋裏収納
A邸には、約7.6帖の小屋裏収納が設置されています。
収納庫・保管庫としては十分すぎる収納量。
↑ 「相生山駅東の家」B邸(現地写真):クロス施工中のリビング
B邸のリビングは現在クロス工事中・・・。
こちらは、南側に間口が広く、採光サッシが2枚設置されたワイドスパン形状の明るいリビングが特徴です。
以上、A邸の竣工写真を中心にお届け致しました!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
住宅の品質とは何か?それには、いろいろな考え方があると思います。
ミキプランニングでは、「住宅の品質」とは「施工の品質」だと考えています。
世の中には多くの工法や材料が存在します。何を選択するのか、そこには絶対的な正解や間違いがある訳ではなく、あるのは目的と価値観の違いだと思っています。
〇〇工法だから地震に強くて安心です!とか、こんな材料を採用しているので高性能な家です!
・・・という表現は、昔から本当によく目にします。
それらは完全に間違っている訳ではありませんが、住宅の品質はそんな単純に語れるものでもないと思っています。
根底にある肝心な要素「施工の精度」について語られる事がなければ、それはただの机上の空論だと思うのです。
どんな工法を採用しても、どんなすばらしい材料を採用しても、施工の品質が悪ければ良い品質の家とは言えません。
施工の品質を高める為、ミキプランニングでは外部の施工検査専門会社に依頼をして、すべての物件に対して着工から完成まで全6回の施工検査を行っています。
もちろん、それらの検査のデータはすべて写真と共に記録に残しています。完成内覧会では、皆様にご覧頂けるようにご用意致します。
まもなく完成する「相生山駅東の家」。
今回は、着工から現在まで、施工検査に立ち会った時の写真・現場で撮影した写真を中心にお届けしようと思います。
着工前の現地の様子
↑ 地下鉄駅より6分という利便性の高い立地である事はもちろんですが、陽当たりの良いお家が建てられる間口の広い地形もこの土地を購入した大きな理由です。
基礎着工間もない現地
↑ 鉄筋を組む前の現地の様子。地盤調査の結果、強度は良好で地盤改良は不要でした。完成内覧会では地盤調査報告書をご覧頂けるように現地にご用意しております。
基礎配筋検査の様子
↑ 人通口という点検の時に人が通る箇所の補強について、検査をしています。
↑ 検査には、工務店さんの監督さんは必ず立ち会います。私も検査の日は立会うようにしています。
↑ 鉄筋の間隔を検査しています。
指摘事項
基礎の配筋検査は、義務検査の対象でもあります。
なので、ミキプランニングの物件では、基礎配筋は義務と任意で2社の検査が入ります。
しかし、義務の検査は15分ほどで終わってしまう本当に簡単な検査です。
見ているのは全体のうちほんの一部分に過ぎません。
個人的には、まったく不十分な検査内容だと思っています。
事実、義務の検査では指摘を受けず、任意の検査では指摘を受ける・・・という事は良くある事です。
結局、ひとつひとつの作業・工程の品質を高める為には、「そのひとつひとつを徹底的に検査をする」しかありません。
なぜなら、住宅は他の商品とは違い、均一な作業を繰り返すロボットや機械が造る訳ではないからです。
住宅は経験も年齢も違う様々な職人さん達が手作業で造り上げるものですから、「忘れ」や「認識の違い」などが起こらないという前提で家づくりを進めることはできません。
人間の手によって造られる商品だからこそ現場での徹底した施工検査が必要だし、検査を徹底する事でしか住宅の品質を向上させる事はできないというのが、私の品質に対する基本的な考え方です。
↑ 3重に結束された箇所について、コンクリートが隅々まで行き渡るように、鉄筋と鉄筋の間隔を空けるようにしてくださいという指摘内容です。
↑ 結束は2重までとし、その他の鉄筋は間隔を広げて隙間をつくるように改善されました。
最終的に出来上がる検査報告書には、「指摘を受けた理由と改善前の写真」と「改善後の写真」を記録として残します。
↑ 鉄筋の浮き寸法を検査しています。寸法が不足している箇所は、スペーサーを追加して一定の寸法以上となるようにします。コンクリートの寿命を左右する大事な工程です。
構造を組み立てる工程です。
↑ この写真はA邸のもの。B邸は別の日に行います。
防水の検査
木造住宅の耐久性を考える時に、木材を濡らさない事・いかに木材の乾燥状態を保つか・・という事は非常に大切です。
木材の腐食やシロアリの被害は構造体が濡れる事から始まるからです。
当然、防水工事の精度が低いと外部から雨水が侵入し、構造を濡らします。
なので、防水工事というのは品質を考える上で非常に重要な工程なのです。
しかし、残念ながら今の制度では「防水」の工程は検査が義務付けられておりません。
昔は義務だったのです。ただ、基礎の義務検査と同じく、そんなに細かい検査ではありませんでしたが・・。
住宅は、人の手でひとつひとつの手作業を積み重ねて造られている商品です。
防水検査にしても「一部分だけを検査して終わり=ほかの箇所もOKだろう」ではあまり意味がなく、時間をかけて広い範囲をちゃんと検査しなければ意味がありません。
↑ A邸の屋根防水です。防水シート同士が重なる箇所は重点的に検査します。
↑ A邸の外壁防水
このようなシンプルな箇所は懸念は少ないのですが・・・
↑ B邸のバルコニー壁の防水
大切なのはこのような箇所です。検査員さんもこのような箇所を重点的に検査します。
一体成型の防水部材を使用し、防水性能を高めています。
それでも、テープの圧着が不足して浮きが生じていないか・・・適切な幅のテープが使用されているか・・・など、重要な点はたくさんあります。
屋根が完成しました。
↑ これはA邸の屋根ですね!
設計段階より、雨仕舞を考えできるだけシンプルに屋根を掛けるように心掛けています。
南垂れの片流れなので、太陽光発電パネルを載せても効率が良さそうです!
大工工事が始まる前の現場での打ち合わせ風景
↑ 細かい造作図面や電気図面は私自身が引いているので、大工さんからの質疑を受けたり、細かい納まりでこだわりたい箇所を伝えたり・・・この打ち合わせには必ず私自身も参加するようにしています。
A邸の小屋裏収納
↑ 約7.6帖の収納スペースの存在はかなり大きいです!
構造金物の検査
構造金物の取り付けが完了した頃、金物の検査が行われます。
この工程は義務の検査の対象にもなっているので、義務検査と任意検査の2社の検査員さんが現場を検査します。
構造金物検査でもやはり、義務の検査はすぐに終わってしまいます。
この日の検査時間は、義務の検査はおよそ15分・任意の検査はおよそ120分でした。
それだけ、見る範囲や細かさが違うのです。
そして、構造金物の取り付けひとつをとってみても、その施工の違いによって性能は大きく変わるのです。
詳しくは、別の記事にまとめていますので、もしお時間がございましたらご覧下さい。
↑ A邸の寝室です。南側に大きなサッシが取り付けられており明るい寝室。明るい寝室は朝が気持ちよく迎えられます。
↑ 床の構造用合板の釘の間隔が広い箇所があったので、釘を打ち増しするように指示を受けました。義務検査員さんからはこのような指摘は受けません。
B邸の建て方の様子
↑ 朝の8時頃。職人さん達とクレーンのスタンバイが完了し、建て方が始まるところです。
B邸の建て方の様子はタイムラプス動画で記録していますので、もしお時間がございましたらご覧ください。
断熱材施工の工程も検査が義務付けられていませんが、とてもとても大切な工程です。
上の資料のように、同じ断熱材を使用していても施工の状態によって断熱効果は最大半分になってしまうと言われています。
グラスウールであれば、断熱材のグレードを1つ上げる事によって約10%断熱性能が上がります。
つまり、断熱材のグレードの違いによる断熱性能の違いは、施工精度の違いによって簡単に覆ってしまうのです。
そう考えると・・・
性能の高い断熱材を採用しています!
↓
断熱性能の高い家です!!
・・・と、簡単に言えない事がわかります。
省エネ等級についても同じ事が言えます。
この等級制度というのは施工の精度を現場で検査する訳ではありません。仕様の差によって等級が付与される仕組みなのです。
つまり、現場で検査されるのは「申請通りの断熱材をちゃんと使用しているのか?」であって、「施工の精度」ではないのです。
指定の断熱材を使用してさえいれば、いくら精度が低い施工でも等級は取得できてしまいます。
省エネ等級〇等級を取得しています!
↓
断熱性能が高い家です!!
・・・とも、簡単に言えない事がわかります。
何事にも根底にあるべきは「しっかりとした施工」なのです。
↑ A邸の現地写真
断熱材の施工には、もうひとつ重要なポイントがあります。それは、表面のビニール=防湿フィルムをしっかりと隙間なく施工する事です。
特に上の写真のように、断熱材を現場でカットする必要がある箇所が重要です。
カットした箇所は防湿フィルムの隙間ができやすく、室内の湿度が高く暖かい空気がその隙間から壁の中に侵入し、結露を起こしやすくなるからです。
そのような箇所に隙間を塞ぐためテープで処理をします。
結露は構造を濡らす原因となり、劣化の原因となります。
「防水」の項目でもお伝えしましたが、木造住宅の耐久性を考える時に、木材を濡らさない事・いかに木材の乾燥状態を保つか・・という事は非常に大切です。
なので、断熱工事も品質を考える上で非常に重要な工程なのです。
にも関わらず、「防水」も「断熱」も義務検査の対象ではありません。
個人的には、「防水」や「断熱」の検査をせずに木造住宅の品質を語ることはできないと思うのです。
↑ コンセントやスイッチがある箇所は、そのまわりの防湿フィルムはカットされます。
なので、避けられない箇所もありますが、電気図面を引く時には極力外気に接する壁面にスイッチやコンセントを配置しないように気を付けています。
また、外壁を貫通する給気口も極力設けず、給気機能付きのサッシを採用しています。
↑ コンセントのまわりをテープで塞ぎ、気密処理をしています。
大工工事の真っ最中
↑ A邸の吹き抜けの木貼り天井と照明の組み合わせは完成が楽しみな箇所のうちのひとつです。
この吹き抜けまわりの空間の詳細は下記の記事にて詳しく触れていますので、お時間がありましたらご覧下さい。
↓
↑ B邸は、南側に間口が広い明るいワイドスパンリビングが特徴です。 採光窓が2枚設置できています。
↑ 木貼り天井が仕上がったA邸リビング。
もう間もなく、現地の完成写真と内覧会スケジュールをお伝えできると思います。
しばらくお待ちください。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展