ミキプランニングでは、年間にご提供できる棟数はそんなに多くありません。
多くても5棟前後です。
しかし、その棟数には大きな意味があります。
■まず、自分自身が本当に良いと思える物件だけを厳選して仕入れられる棟数・・・という意味です。
良い土地・希少な土地は当たり前のように数が少ないです。
不動産業に20年近く関わってきたプロとして・・・
・長い目で見ても資産価値の下落リスクが少ない立地条件の土地。
・良好な住環境が実現できる間取りのお家が建てられる土地(間口・形・向き)。
・住環境が変化してしまうリスクが少ない土地。
・無駄が少なく、隅々まで活用できる面積の土地。
・・・を厳選してお届けしています。
規模が大きく、何十棟・何百棟分の土地を仕入れないといけない体制の会社では、どうしても土地の仕入れに妥協が生じます。
良い土地だけを選んで仕入れていたのでは、何百棟分の土地を確保する事は難しいからです。
一方、年間5棟くらいの数であれば、仕入れをかなり厳選する事ができます。
事実、年に何百という数の物件情報に接しますが、本当に良いと思える物件の数はせいぜいそれくらいなのです。
■次に、1邸1邸の計画に細部までしっかりと時間を掛けられる棟数・・・という意味。
年間5棟くらいの数であれば、1邸1邸にしっかり時間を掛けて計画を練る事ができます。
規模が大きく、年に何十棟・何百棟も着工しないといけない体制の会社では、どうしても流れ作業的にプランを決める事となり、細部まで計画を練る事が難しくなります。
■土地の選定と仕入れ・プランの企画・お客様へのご説明・販売させて頂くまでを自分ですべて一貫できる棟数・・・という意味。
良い土地とは何か?良い間取りとは何か?良い品質の家とは何か?
自分なりにそれぞれの理想を持っています。
これは個人的な性格によるものかもしれませんが、それらの理想を結び付けひとつの形にするという作業には、分業という方法では難しいと思っています。
また、どんな動機や考えに基づき、どのようにして造られた物件なのか、それを実際に住んで頂くお客さまに理解して頂く事がとても大切だと私は思っています。
関連記事:私が物件づくりで大切にしている事&解説記事を書く理由。
その為には、やはり造った本人である私自身が直接住んで下さるお客さまに物件のご説明をする・・・個人的にはこの事がかなり重要だと思っています。
そして、その体制が実現できる棟数が、年間5棟くらいの棟数・・なのです。
取り扱う物件数は少ないですが、そのかわり取り扱う物件は自分自身が本当に良いと思える厳選した土地ばかりです。
また、ひとつひとつ細部まで自分の手で時間を掛けて計画した住宅です。
その事をお伝えしたくて作成したチラシです。
ここでは、広告ではお伝えしきれなかった紙面トップ写真にある13の工夫について、より掘り下げてお知らせしたいと思います。
↑ 現地撮影:南側に広く、南面に3つの採光窓が計画できているとても明るいリビング。南側隣家までの距離も十分に確保しています。
1、テーブルの配置や大きさに合わせて適切な位置にペンダントライトが設置できるダイニングの照明プラン
ダイニングテーブルにはペンダントライトがやっぱりオススメです。
空間を均一に照らすシーリングライトとは違い、テーブルの上を照らすという明確な目的を持って設置されるペンダントライト。テーブルの上に並んだ食事を引き立ててくれるでしょう。
しかし、ペンダントライトはテーブルのサイズや配置によって、最適な位置が変わります。
また、写真にあるような1灯のタイプもあれば、2灯・3灯というタイプもあり、採用する照明によっても設置位置が変わるのです。
ミキプランニングの物件では、テーブルの大きさや配置・照明の種類や数によって最適な位置に照明を取り付けられるように計画されています。
天井にくぼみを設けてその奥にレールを設置している為、見た目的にもスッキリ納まるように工夫しました。
2、ダイニングテーブルと同じ高さで造作されたニッチ収納
ティッシュペーパーやウェットティッシュ、調味料など、食事中にすぐ手が届く場所に置いておきたいものは各家庭にあるはずです。
しかし、ダイニングテーブルに座ったまま手が届く位置にそれらを収納できる場所がなければ、結局テーブルの上に置きっぱなしになってしまう事が多いのではないでしょうか。
そのような物を収納できる場所として、一般的なダイニングテーブルと同じ約72センチの高さに合わせて作られたニッチ収納がキッチンカウンター内に造作されています。
テーブルの延長のようなスペースとして、小さいけれども活躍する収納です。
3、卓上で調理家電を使う時、床に電源コードを這わす必要がありません。
2でご紹介したニッチ収納の中にはコンセントがあります。
卓上でホットプレートなどを使う時、床にコードが這うような事がなく、安全でストレスなく使える電源です。
4、キッチンの手元を隠す立ち上がり付きのキッチン。
常にキレイで片付いた状態のキッチンを維持する事は不可能です。
この立ち上がりがある事で、リビング・ダイニング側から見た時にキッチンの手元が隠れます。
ショールームで見るオープンキッチンはカッコいいですが、自分が理想とするのは日常生活の中で(特別な努力をしなくても)整って見えるキッチンです。
そう考えるとこの20センチの立ち上がりは必須です。
写真には写っていませんが、キッチン側にはこの20センチの立ち上がりを利用してキッチンペーパー やふきん、調味料などを機能的に収納できるレールを設置しています。
この20センチの立ち上がりがある事で、「2」でご紹介した収納を設置できる上、小さな子供の手が届きにくい105cmの高さに配膳台を設ける事ができます。
5、キッチンに吊り戸棚をちゃんと計画する。
最近は吊り戸棚を取り付けている物件が少なくなりました。
キッチンに立ち上がりもなく、とにかくオープンにするのがトレンドですね。
しかし、本来キッチンは機能性を優先して設計される場所で、収納が必要な箇所。
分譲住宅を計画する時は特に、「誰が使っても使いやすい汎用性の高い間取り」を目指して設計します。
我が家は物が多いほうだと思いますから、今後我が家において吊り戸棚がなくともキッチンの収納が成立する方法を考える事ができれば、吊り戸棚を無くす事もあるかもしれません。
しかし、収納のプロが駆使するような方法で実現しても意味がありません。誰が使っても自然に成立する方法でないとダメなのです。
そう考えると、今のところはやっぱり必要だと思っています。
吊り戸棚がついてる物件は本当に少なくなりましたが、、吊り戸棚を無くすというのは気軽な決断ではないですよ。 少なくとも自分にとっては。
6、冷蔵庫のスペースを壁で区切る事で良い事がたくさん。
写真では奥のほうにあるので少しわかりづらいですが、、冷蔵庫のスペースを壁で区切っています。
その事で、冷蔵庫の上に収納棚を2段設ける事ができています。
我が家では、ビール他飲み物のストック・誰かが来た時にしか使わないワイングラスの予備・食器のストック・お出掛けの時に使うソフトクーラー・ガスコンロ・すき焼き鍋・・これらのものが収納されています。
基本的には使用頻度が低いストック用ですが、大助かりのスペースです。
それに、冷蔵のの上は収納にしないともったいないスペースです。
オープンな棚ですが、吊り戸棚がある事で中身はリビングからは見えません。
冷蔵庫スペースは、一般的な国産の5人用冷蔵庫であれば納まる寸法です。
7、不快なまぶしさが少ないグレアレスダウンライト
リビングは落ち着いてくつろぐ場所ですから、照明計画にも様々な工夫をしています。
ダウンライトは小径で目立たないもの、かつ、光源が奥にあり、ランプの眩しさが直接目に触れにくいものを選択しています。
8、天然オーク張りの折り上げ天井
分譲住宅を計画する時は特に、「誰が使っても使いやすい汎用性の高い間取り」を目指して設計します。
その方針で無垢の素材を取り入れる事は簡単にはできません。
無垢の素材は、日焼けするし、水濡れに対してもデリケート、傷もつきやすく汚れやすく、誰にでもオススメできる素材ではありません。
しかし、天然の素材ならではの高い質感は紛れもない魅力。
天井であれば、日焼けや水濡れ、傷や汚れといった無垢の素材に対するネガティブな要素を払拭しつつ、天然素材の質感を気軽に取り入れる事ができます。
9、リビングの窓側には埋め込み式のカーテンボックスを造作しています。
カーテンを開けている時間は多く、その時にカーテンレールは結構存在感があります。
ボックスがある事でカーテンの根本が隠れ、すっきりとした納まりに。
そこでボックス自体が目立ってしまっては意味がないので、埋め込み式のカーテンボックスというのがポイントです。
カーテンのたたみ代分、窓よりも少し大きくボックスがつくられています。
シェードやブラインド系の上げ下げするカーテンの場合、メカと生地溜まりの部分を隠す事ができるので、ずいぶんすっきりとした納まりになるはずです。
10、リビングの2つの引き違い窓には電動シャッターを設置しています。
窓が施錠されていても、カーテンが閉まっていても 、リモコンのスイッチひとつでシャッターの開閉ができます。
場合によってはドレープカーテンを省略し、レースのみで軽快な窓まわりにする事もできるのではないでしょうか。
11、傷に強い床材。
以前住んでいたマンションで使用していましたが、7年経っても非常に良い状態でした。
特に、すり傷には強く、小さなお子様やペットを飼っている家庭では特に威力を発揮するでしょう。
壁紙も傷がつきにくい仕様のものを選んでいます。
12、約7畳もあるウッドデッキのアウトドアリビング。
水道・照明・コンセント付きなので、様々な使い方ができます。
2階にあるスペースなので道路から見えず、プライベート感がある屋外空間です。
このスペースの魅力はこちらの記事に詳しく書かれています。
13、通常より高く計画されている手すり壁
高めの壁としている理由はいくつかあります。
子供の遊び場として想定しているバルコニーなので、安全の為。
日除けのタープを張った時に大きな空間になるように。
周囲の家からの目線を遮り、できるだけ落ち着けるプライベート感のあるスペースにする為。
どれも、このスペースには欠かせない重要な要素。大事な意味がある壁なのです。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展