前回の記事「間取りの解説記事1」の続きです。
1、大型採光窓(電動シャッター付)を設置した明るいリビング
↑ 平和公園北の家 写真では窓の端が少し切れてしまっていますが、ほぼ同じサイズのサッシです。照明計画もほぼ同一です。
土地の解説記事でも触れていますが、ミキプランニングでは、陽当たりの良い家を造る事ができる土地しか買いません。
「瑞穂公園西の家」では、南向きである事&大きな採光窓が取り付けられる間口がある事、この2点が明るい家を造るために重要なポイントです。
リビングには、横幅がかなり大きい採光窓が設置できています。
これは、既製品ではほぼ最大サイズ。高さもめいっぱいの大きさの窓を選択しました。
※厳密に言えば、この窓よりも数センチ大きな窓は存在しますが・・。
南向きの土地&2階リビング&大型採光窓・・・「瑞穂公園西の家」は、明るいリビングを実現する為のとても恵まれた条件を持っています。
また、リビングの大型窓(1階寝室の窓も)は電動シャッターを設置しています。
これだけ大型の窓になると、シャッターの上げ下げも大変なのです。
電動シャッターの利点は、カーテンや窓を閉めたままスイッチひとつでシャッターの上げ下げができる事。
シャッターの上げ下げがとても楽なので、少しのお出かけでもシャッターを閉め、防犯性を高めて外出して頂ける事。
また、電動シャッターは上げ下げの音はとても静かです。
2、居心地の良いリビングに必要な照明計画
物件の陽当たりの良さとはつまり、お昼間の光環境です。
ミキプランニングでもそうですが、その事を気にする分譲住宅メーカーは多い訳ですが、一方、照明計画には無頓着な物件ばかりな気がします。
照明計画とはつまり、夜の光環境です。個人的には、お昼の陽当たりと同じくらい大切な事だと思っています。
直接的な光、特に白色の光を浴びる事で人間の身体は覚醒するように出来ているようです。ですので、お昼間は太陽の光でお部屋が明るいのがいちばん。
しかし、夜のリビングには、就寝前のくつろぎの時間を過ごすという役割があります。
そのために、白色の光は避け、電球色の照明器具を選択する事は当然ですが、直接的な光を避け、刺激が少ないあかりでなければいけません。
よって、リビングは天井と壁に1ヵ所ずつ設置された間接照明が中心の照明計画となっています。
間接照明とはその名の通り、ランプから発せられる光を一度壁や天井でバウンドさせる照明計画です。
光を一度バウンドさせる事によって、角の取れたやさしい光になります。
とはいえ、夜のリビングだからと言って、くつろぐだけでもないでしょう。本を読む時、明るさが欲しい時もあると思います。
そのような時は、折り上げ天井の中央にあるダウンライトを点灯します。
このダウンライトは、光があまり拡散しないタイプのものを選択しています。また、光の向きを自由に変えられる器具です。
設置したテーブルやソファの位置にあわせ、光が欲しい場所に向きを変えてご利用下さい。
3、ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを設置できるようにしています。
↑ 「瑞穂公園の家」ダイニングルーム 器具の根本とレールが隠れるように天井にスリットを造作し、その中にレールを設置しています。レールが設置されている範囲であれば、テーブルの位置にあわせて自由に照明器具の位置を変えらえれます。また、数を増やすこともできます。「瑞穂公園西の家」でも、同じプランを採用しています。
ダイニングルームにシーリングライト・・その提案は少なくとも自分の物件ではしたくないと思っています。
まんべんなくお部屋中を明るくするシーリングライトはとても機能的ですが、食事が主役のダイニングルームには不向きだと思っています。
お部屋の中がまんべんなく明るいという事は明暗差がない均質な光環境という事。
人間の目は、相対的に明るい場所に自然と注目するようにできているようです。
明暗差がない均質なあかりでは、目的とメリハリのない味気ない空間になってしまいます。
主役であるダイニングテーブル上の食事をスポット的に照らすペンダントライトは、食事をするという目的に適した照明で、ダイニングにはやはり似合います。
ミキプランニングの物件は、照明器具は基本的に物件に含まれています。
建築と一体化している間接照明が多いから・・という理由もありますが、照明プランはそもそも作り手側が提案するべきものだと思うのです。
※ここには詳しく書きませんが、ダウンライトひとつとっても、7種類の器具を使い分けています。
ダイニングルームにはペンダントライトをオススメしてこのようなプランにしているのですが、このペンダントライトだけはお住まいになるお客様にご用意頂いています。
ダイニングルームのペンダントライトは、インテリアの雰囲気をすごく大きく左右します。
ですので、ぜひインテリアのお好みやテイストに合わせてダイニングの顔となるお気に入りのランプをセレクトして下さい!
もちろん、ご相談を頂ければ器具のご提案も致します。
4、ダイニングテーブルの近くに造作したオープン棚
↑ 自宅の写真です。現在我が家ではオープン棚とテーブルを離してレイアウトしています。黒いイスは子供用。ごはんを食べさせている時に、すぐ手が届く場所にウェットティッシュの定位置があるのがすごく便利です。
ダイニングテーブルの上にはできるだけ物を置きっぱなしにしたくないけれど、テーブルの近くには置いておきたいもの。そのようなものを収納する為にこのオープン棚を造っています。
例えば、我が家ではティッシュボックス・ウェットティッシュ(おしり拭き)ボックス・ペントレイを置いており、たまに携帯を充電しています。
卓上で使う調味料などをトレイなどにまとめて、ここに置いても便利だと思います。
ただし、我が家のように棚とテーブルを離してレイアウトする場合、この棚には小さなお子様の手が届きます。なので、我が家では調味料はここには置いてません。
この棚は、一般的なダイニングテーブルと同じくらいの高さ(約70センチ)で計画していますので、テーブルと棚をひっつけてレイアウトすれば、テーブルの延長のようなイメージで使えます。また、この場合、棚の中まで子供の手は届きません。
また、オープン棚とテーブルをひっつけてレイアウトする場合、テーブル上でホットプレートなどの調理家電用を使う際、足元のコードに足を引っ掛けるような事がないように専用のコンセントを棚の内部に設けています。
5、手元が隠れる立ち上がりを設けた対面式。吊戸棚も省略せずに取り付けます。
対面式キッチンを造る時は、必ず手元が隠れるくらいの立ち上がりを設けます。
上にある我が家の写真でも、よく見ると水切りカゴの中にある菜箸や乾かし中の牛乳パックが少し見えてますが、この立ち上がりがあるだけで、ダイニングやリビングの側から見てもあまり目立ちません。
キッチンの上には水切りカゴがあり、牛乳パックが干してある ← 日常生活の中ではそれが本来の姿な訳ですから、そう簡単にフルオープンの対面キッチンを計画する事はできませんし、フルオープンの対面キッチンを造ったとしても、そう簡単に雑誌の中のような生活にはなりません。確かに、フルオープンの対面やアイランドキッチンはカッコイイですけどね!
日常生活の中で使い勝手がよく、住む人に特別な努力を強いる事なくキレイに整って見える空間。・・・それが、自分的な理想です。
また、最近は吊戸棚が省略されている物件が本当に多いですね。
少なくとも我が家では吊戸棚をフル活用しています。むしろ、無ければ困ってしまいます。
吊戸棚は使いづらい位置にあり、結局使わなくなってしまうという意見もありますが、吊戸棚も下の段であれば女性でも十分に日常使いできると思います。
身長によって、使いづらい・・・という事があっても、取っ手付きや指をひっかける穴があるBOXを活用する事でずいぶん使いやすくなるはずです。
背面収納を強化すれば吊戸棚はいらないという考え方もありますが、個人的には背面収納はカウンター式とし、出来上がった料理を置く配膳の為のスペースやコーヒーメーカーやケトルなどの調理家電を置くスペースとしたい事、また、ゴミ箱を複数置くスペースとオーブンレンジやトースターを納めるスペースが必要なので、収納スペースとして強化できる余地はほとんど残されていないように思います。
吊戸棚があるから物が増えるという意見・・。これも、断捨離がうまくできる人ばかりなら良いのですが、我が家も含め、実際には必ずしもそうとは言えません・・。それに、住む人が決まっていない分譲住宅でそれを言うのは、提案というより押し付けに近い気もします。
吊戸棚があってもリビングのほうを見渡す事はできる訳ですし、LDKの一体感や解放感・・というだけの理由で吊戸棚を無くす決断は自分にはできません。
6、ダイニング脇のカウンター収納と本棚。目立ちにくいエアコンの取付位置。
↑ 瑞穂公園西の家、現地で撮影。現在クロス工事の最中です。
リビングの横幅に対して中央に漫然とテーブルを配置するのはスペースがもったいないといつも思います。
ダイニングテーブルを、そのまわりに必要なスペースを含めて過不足なく計算して配置すれば、50センチくらいの奥行きの収納を造れる事が多いからです。
デッドスペースという程ではありませんが、余白のような空間を残すのであれば少しでも多く収納を造りたいと思います。
そのようにしてできたのが、このカウンター収納です。
カウンターの下は扉付きで隠れる収納なので、どんなものでも収納できます。
我が家は子供が小さくいつもリビングにいるので、服やおむつなどもここに収納しています。その他には、書類やインテリア用品などの収納として活用しています。
カウンターの高さは1m強。この高さは、小さな子供が手を伸ばしても届きません。
我が家では、フラワーベースや置時計など、こわれやすいインテリア小物を置いています。
リビングの中にお花やピクチャーフレームを飾れる場所はどこかに欲しいです。
また、電話・FAXはこの位置に置くように計画しています。
「瑞穂公園西の家」では、この上部に本棚を造っています。リビングで学習する子供用・家族それぞれの・・または、共用の本棚として活用下さい。
この棚の最上段がエアコンの取付位置です。
何もない壁面にエアコンを取り付けると出っ張ってすごく目立ちます。エアコンができるだけ目立たないように少し奥まったこのスペースにエアコン用コンセントを設置しました。
7、冷蔵庫スペースと背面収納スペースを仕切る壁
洗濯機と洗面台の間を仕切る壁と同じ目的で造っています。
まず、冷蔵庫の上に2段の棚板を渡し、収納として最大限活用する為です。
次に、冷蔵庫と背面収納スペースの間に壁がある事で、冷蔵庫や背面収納の側面が隠れ、シンプルで整った納まりになります。
冷蔵庫のスペースを壁で囲ってしまう訳ですが、日本製であれば十分な大きさの冷蔵庫がちゃんと納まる寸法になっています。
8、ゴミが濡れない勝手口バルコニー
ゴミの日までゴミ袋を一時的に置いて置く事ができる勝手口バルコニーをキッチンのすぐ横に設けています。
屋根があるスペースなので、少しの雨であればゴミ袋がびしょびしょになってしまうような事はありません。
また、不燃ごみやビンや缶、ペットボトルなど、使用頻度が低いゴミ箱をこのバルコニーに置く使い方もオススメです。
夜でも手元が見えるよう、照明も取り付けられています。
9、階段室に設けたロールスクリーンボックス
↑ 自宅 我が家の場合は、上りと下り両方にスクリーンを設ける必要があるので、このような形になっています。
「瑞穂公園西の家」では、下りには階段室の前に引き戸がある為、気流止め(エアコンの空気が逃げてしまわないように)の為にロールスクリーンを設ける必要はありませんが、上りはじめの箇所にはロールスクリーンが納められるようにこのようなボックスが設けてあります。
このボックスの中にロールスクリーンを納めれば、使っていない時は天井の中にすべて納まり目立ちません。
使ってる時も、ロールスクリーンの生地だけが見えメカが隠れる為、これもスッキリキレイな納まりになります。
以上、間取りの解説記事でした!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
どのような考え方からこのような間取りになったのか・・。
ミキプランニングでは、毎物件ごとにこのような間取りの解説記事を書いています。
※その理由は、こちらの記事にまとめてありますのでご覧ください。
1、道路と建物の間に、緩衝スペースとなるウッドデッキのお庭を設ける。
↑ 「平和公園北の家」南側にあるウッドデッキのお庭。「瑞穂公園西の家」のお庭は、もう少し奥行きが深いです。
南向きの土地の少ない弱点。それは、道路からのプライバシー性の低さです。
南向きの土地はどうしても南側の道路に向けて大きく開口を取る間取りになります。
実際にはカーテンをするので、外から室内が見えてしまう事はないものの、室内からは外の様子はカーテンをしていてもよく見えます。
敷地の条件が許せばやはり、南向きの土地には駐車場・道路と建物の間に緩衝スペースとなるお庭を造りたいものです。
上の写真にあるように、フェンスで囲まれたウッドデッキのお庭を造る予定です。
このお庭がある事で、室内から道路を行き来する人や車、また、敷地内にとめた自分の車が見えません。
それだけで、過ごしやすさ・心地よさはずいぶん向上するのではないでしょうか。
また、夏の定番「プール遊び」をするにも最適な場所。
室内と段差がほとんどないので、室内からでもデッキで遊ぶ子供の様子がよく見えます。
最近新築した我が家兼事務所でも、今週末からデッキ工事に入る予定なので、完成して子供とプール遊びをするのが楽しみです!
使用するデッキ材は上の写真とまったく同じもの。南米産の非常に耐久性が高い良質なものを使用しています。
フェンスは軽量で色の変化が比較的少なく樹液が出づらい(デッキ材で使うようなハードウッドは樹液が多くて外構を汚してしまうのが難点)ソフトウッドを使用。
フェンス材も上の写真と同じものを使用する予定ですが、もしかすると色を変えるかもしれません。
それと、1階で洗濯したものを、そのまま1階に干せるのもこのお庭がある大きなメリットです。
2、門扉を付けられるつくり&自転車置き場
我が家では実現できませんでしたが、可能であれば玄関までのアプローチに門扉を取り付けたいという方もいるのではないでしょうか?
門扉には様々な効果があります。
まず、居住エリアの防犯性とプライバシー性が高まるという事。
門柱・ポスト・インターホンは門扉の外になるので、ポーチとお庭がプライベートな空間になります。
また、デッキのお庭で子供が遊んでいても、門扉があれば外に出ていってしまう事を(年齢によってはある程度・・ですが)防ぐ事ができます。
それとやはり、門扉があると玄関まわりが華やかになります!
門扉の有無やデザインには実際に住まわれる方のお好みもあるので、最初から取りついていません。
門扉を取り付けても、取り付けなくても違和感のない納まりになるように計画をしています。
ご希望の方はご提案致しますので、ご相談下さい(^^
また、玄関ポーチの横に、自転車を置けるスペースを1台分設けてあります。
子供用の小さな自転車なら、ポーチにもう1台くらい置けそうな気もします・・。
3、大容量の靴収納
↑ 千種区南明町自宅兼事務所:自宅の玄関内をお見せするのは少し恥ずかしいですがどうぞ(笑)現在、約50足の靴を収納していますが、まだ下のほうには増設できるスペースがあります。「瑞穂公園西の家」は、この写真の玄関収納よりも横幅が広いので、これよりも多くの収納量を確保しています。
一般的に、分譲住宅は靴の収納が足りていないのではないか・・という間取りが多いような気がします。
ミキプランニングでは、靴収納は基本的に床から天井までの収納としています。
「瑞穂公園西の家」では、収納に十分な横幅を確保しており、60足以上の靴が収納できるように計画しています。
※棚板を増やせばもっと収納量を増やせます。
そんなに靴の数が多くなければ、下のほうのスペースを利用して、傘やベビーカーなどの収納スペースとしても活用できます。
4、玄関から近い場所にある納戸
玄関からできるだけ近い場所に、大きな収納を設ける。
これは、どんな物件でも必ず心掛けている事です。
玄関から近い場所であれば、車への荷物の積み込み、車からの荷物の積み下ろしも苦になりません。
スポーツやアウトドアな趣味をお持ちの方にはとても有効な収納だと思います。
何か新しい事を始めようと思った時、収納の問題はかならずついてまわります。
子供が生まれてキャンプを始めたい。スキーに連れていきたい。
そう思っても、収納する場所がなければ断念しなければいけないかもしれません。。
新しい事を始めようと思っても、収納がないから二の足を踏む・・という事は、造り手の側からすると悲しい事です。
ですので、収納、特に玄関まわりの収納を少しでも多く造るようにしています。
収納するものによって使い分けられるように、扉を開けて右手側は奥行きが深い収納、左手側は奥行きが浅い収納としています。
5、洗面脱衣室内にある納戸
洗面脱衣室は収納が欲しい場所です。しかし、収納を確保するのが難しい場所でもあります。
「瑞穂公園西の家」は、とても大きな収納を確保する事ができました。
この収納も、扉の位置を中央よりとする事で、奥行きが浅い収納と深い収納を使い分けられるようにしています。
浅い収納は、タオルや掃除道具、各種詰め替え用のストック、などを収納できます。
深い収納は、玄関側の納戸の補助的に、収納しきれなかったものをしまう。また、洋服のストッカーを収納するのもオススメです。
「瑞穂公園西の家」は、1階のお庭でお洗濯物が干せます。
タオル類はもちろん、家族全員分の肌着、靴下、室内着をこの納戸に収納
↓
1階で洗って、1階で干し、1階に収納できればお洗濯物の家事動線はすごく短縮できます。
6、洗面台と洗濯機置き場の間に壁を立て、洗濯機の上を収納に。
↑ 我が家の写真で恐縮です・・。
この壁には色々な目的があります。
まず、この壁がある事で、洗濯機の上に棚板を渡す事ができ、収納スペースとして有効に活用できるようになります。
オープン棚なので、特に使用頻度が高いタオル類・洗濯用洗剤や柔軟剤を収納するのに最適な場所です。
洗濯機のほうを向いたまま身体の向きを変えずに洗剤や柔軟剤を投入できるのは、とても便利ですよ!
我が家では、この棚板の下部にお洗濯ハンガーを収納できるパイプを取り付けています。
また、この壁がある事で、洗面台の上の水や髪の毛等が洗濯機ヨコの隙間に落ちていってしまうのを防げます。
それと、洗濯機や洗面台の側面が隠れる事(家電や設備の側面は美しくない事が多い)で、見た目もスッキリ整います。
7、寝室には大容量のウォークインクローゼットともうひとつ別のクローゼットを計画
「瑞穂公園西の家」の寝室は、かなり充実した収納量です。
ウォークインクローゼットは、空間を隅々まで活用できるように、上下2段(高さは任意に変更可能)で洋服をかけられる仕様にしています。
我が家でもそのような仕様のクローゼットにしており、上段は自分の洋服を、下段は妻と子供の洋服を収納しています。
クローゼットの入り口に立って正面の壁は、姿見の鏡を取り付けるのにちょうどよいスペースです。
8、様々なベッドレイアウトができる寝室
寝室は、ベッドを置く壁面の長さが大切です。
この寸法が短かったり、変な場所に窓があるとベッドのレイアウトが限定されてしまいます。
基本的には、ツインベッドがレイアウトできるだけの寸法は必要だと思います。
「瑞穂公園西の家」でも、ツインベッドレイアウトはもちろん、キングサイズベッドや、ダブルベッド+シングルベッド(子供と一緒に寝るレイアウト)など、様々なレイアウトに対応できる壁面長を確保しています。
リビング階の記事へと続きます。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
この仕事をもう17年近くやっていますが、うち15年くらいはずっと土地の仕入れ・購入に関わっています。
数えきれない程の土地を見て回り、おそらく100件前後の土地を今までに購入しました。
そんな仕事をずっと続けていると、自分なりに「いい土地とは何か?」という価値観が熟成されてきます。
ノルマに追われる会社勤めの時はそうじゃない事もありましたが、今では自分の価値観に照らし合わせ「心から良い」と思える土地しか買いません。
良い土地が出るのはタイミングです。良い土地が出なければ何もしないほうが良いと思っています。
売上や運転資金の為に「まぁまぁ」の土地を無理に仕入れる。そんな必要がないスリムでコンパクトな体制で仕事をしています。
※関連記事:大手分譲事業者が商品にこだわり抜く事ができない理由。
良い土地とは何かという問いには、さまざまな答えがあると思いますが、そこにあるのは正解・不正解ではなく、価値観の違いです。
数えきれない数の物件からひとつの物件を選ぶという作業は、ほとんどのお客様にとって人生の一大プロジェクトだと思います。
そんな正解がなく、何が正しいのかわかりづらい迷える物件探しの過程の中で、私自身がお客様に大切にしてほしいと思う事は価値観が一致するかどうか、共感できるかどうかという事です。
突き詰めれば、「幸せな」契約とは価値観の一致だと思います。
ある意味、物件を決めるというのは、仕事や結婚相手を決めるのと似ていると思います。
いずれも人生を左右する重要な決断で、何が正しいのかがわかりづらく、数字や条件だってもちろん大切ですが、それだけで割り切れるものでもありません。
ですので、考え方や価値観をお伝えするという事は、条件をお伝えする事よりも大切な事だと思っています。
ご自身の価値観がまだ明確でなくても、少なくともプロのほうにはハッキリとした価値観があるはずです。
物件探しで大切な事は、造り手の土地選びや家づくりの価値観に共感できるかどうか・・という事だと思います。
ですので、このような記事ではできるだけ、物件を造っている私自身の価値観をお伝えできれば・・と思っています。
今回は、私自身の土地選びに対する価値観のお話です。
1、資産価値と利用価値が高く、その下落リスクが低い土地
↑ わかりやすいのは駅が近い物件。ほとんどの人は駅から家が近ければ嬉しいですし、多くの人が欲しがる土地=流動性が高く、資産価値が高い土地です。
人口が減少するこれからの時代、不動産の価値は二極化します。
価値の高い不動産は「資産」として所有者を助けますが、価値の低い不動産は「負債」として所有者の足を引っ張ります。
不動産の資産価値は売却や賃貸しない限り表面化する事はありませんが、いざという時、または、人生の節目。そんな時に、所有している不動産の価値が人生を左右する事もあるでしょう。
子育て期を広くて収納がたくさんあり、上下階の音の問題がない一戸建てで過ごし、老後はワンフロアで生活できる駅近の便利なマンションで過ごす。
そのような住み替えをする方は多くいらっしゃいます。
しかし、住宅ローンを組めるのは30代・40代のうち。子供たちが独立した後の住み替えは、手持ちの現金と不動産だけが頼りです。
だからこそ、30年・40年というスパンでライフプランを考えた時、不動産の資産性はとても大切です。
ミキプランニングでは・・・
・住宅地としての歴史が古く、生活インフラ(交通・スーパーなど生活に必要な商業施設・病院・公園・学校)が充実し、「定着」している事。
・地理的に自然災害(主に水害や地震=地盤)に対するリスクが低い地域である事。
・住宅地としての需要が高く、古い家と新しい家が混在し、街として健全な代謝が繰り返されている事。
このようなエリアから物件を選択します。
このような特性の地域は、結果として安定した価格で不動産が取引されており、将来的にも資産価値の下落リスクが少ないと言えます。
基本的には「名古屋市内東部エリアの旧市街、地下鉄駅徒歩圏」の中から物件を選択しています。
※もちろん、それだけではダメです。
また、そのような条件の土地はたいてい資産価値が高いだけでなく利用価値も高いのです。
日常生活の中では表面化しない資産価値とは事なり、利用価値の高さは毎日の生活を便利で豊かなものにします。
駅や学校、スーパーが近い立地によって、家族全員の何十年という毎日の通勤や通学、お買い物が楽になる事はとても価値がある事だと思います。
子育て世代にとっては、大きくて緑がたくさんある公園や図書館などの文化施設が近ければ、子供と過ごす日々の時間がより豊かで充実したものとなるでしょう。それもすごく価値がある事だと思います。
2、陽当たりの良い家が建つ土地
↑ 採光面にしっかりと陽があたる南向きの土地(足場で覆われているのでわかりにくいですが・・)
南向きの土地はやはり陽当たりが良く、明るく気持ちがいい家が建ちます。そして、人気なので資産性も高いです。
北向きの土地も、地形と設計次第では明るく、静かで落ち着いた環境の家を建てやすい土地です。
西向き・東向きの土地は、基本的に陽当たりが良い家は建てづらいですが、間口が広い土地(なかなかありませんが)であれば明るい家が建てられる事もあります。
ミキプランニングでは、陽当たりが悪い土地(明るい家が建てられない土地)は買いません。
家の環境は生活の環境そのものと言っても過言ではありません。
つまり、家を造る行為はその場所での生活環境を造るという行為です。
極端な言い方ですが、陽当たりが悪い土地は根本的に住宅用地として失格なのです。
幸福ホルモンとも呼ばれるセロトニンは太陽の光を浴びる事で生成されます。
さらに、セロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれ、生活のリズムを整える役割を持つメラトニンの原料でもあります。
陽当たりが悪く薄暗い環境では心身ともに健康な生活を送る事はできません。それは、科学的にも証明されています。
ですので、買っているのは結果的に陽当たりが良く明るい家を建てやすい南向きか北向きの土地がほとんどです。
3、陽当たりの持続性がある土地
↑ ある注文住宅を受けた時の採光検討図。南向きの土地でしたが、向かいの敷地が割と大きい上に、こちら側に寄って高い建物が建つ可能性がありそうだったので季節ごとの陽当たりを詳しく検討しました。結果、2階建てで吹き抜けを介して採光を確保するプランをお客様は選択しました。
今陽当たりが良く明るいだけでは不十分で、陽当たりの良さ・明るさの持続性がある程度予見できる土地でなければダメです。
土地を買う時にはいつも、南側の土地の状況をチェックします。
いくら南向きの土地であっても、背の高いマンションが近くに建つ可能性がある土地であれば、環境が大きく変化してしまう恐れがあります。
北向きの土地であれば、南側隣地との間にどれだけの空きスペースが確保できるかがポイントになります。その距離によっては、建て替えられた建物が3階建ての一般住宅でも環境が激変してしまう恐れがあります。
もちろん、こちら側の計画が2階建てか3階建てかにもよります。3階建ての家は、リビングが2階になりますので、陽当たりやその持続性という意味では有利です。
良い土地情報が出た時にはまず、周囲の敷地の権利関係を調査した上で、建物の配置プランを作成し、将来的な環境変化のリスクを検討します。
将来的に陽がほとんどあたらない家になってしまう可能性が少ない土地=陽当たりの持続性がある程度予見できる土地である事。
これは、ミキプランニングが土地を買う上での絶対条件です。
4、広すぎず、狭すぎない敷地面積
↑ 2坪敷地面積が増えても、出来る事はほとんど変わらない。しかし、予算や価格は百万円単位で上昇します。
まず、ミキプランニングの場合、土地の上に計画するのはたいていの場合4LDKのお家です。
もちろん、部屋が4つあれば良い訳ではありません。
狭いリビングは嫌ですし、居室にはそれぞれがきちんと機能する広さと収納が必要です。
当然、共有部分にも十分な収納が必要です。可能な限り、玄関まわりには大きな納戸を計画したいです。
立地にもよりますが、駐車場は2台分のスペースを確保したいですし、北向きの土地であれば南側に採光スペースを兼ねたお庭が絶対に必要です。
この条件を満たす建物を建てるには、3階建てのお家の場合であれば約20坪前半~20坪後半の敷地面積が必要です。
低層地域の2階建てであれば40坪は必要です。
逆に言えば、それ以上の広さがあっても活用が難しく、ムダに予算や物件価格を上昇させる原因になります。
名古屋市内東部の人気エリアの場合、1坪が80万円~120万円はします。
上の図にもあるとおり、土地の面積が2坪変わっても、出来る事はほとんど変わりません。
ですが、予算や物件価格は160万円~240万円上昇してしまいます。
土地や建物の質を落とす事なく、予算・物件価格を抑える為には、極力ムダのない広さの敷地を選ぶ必要があります。
小さすぎるのもまた問題です。
外壁メンテナンスの為、足場も掛けられないくらい隣家との隙間が少ない家は家として根本的にダメです。
再建築する時に、建てられる家と間取りが著しく限定されるほど狭い土地もダメです。土地の資産価値が大きく損なわれてしまいます。
土地や建物の質と予算を最良のバランスで仕上げる為には、選ぶ土地の面積はとても重要な要素です。
5、バランスの良い土地の間口と奥行き
言うまでもなく、適切な大きさの土地であればそれで良い訳ではありません。
細長い土地は窓が小さくなり、採光を確保するのが難しくなります。
逆に、間口が広すぎる土地は、北向きであれば南側の採光が厳しくなります。
環境が良い家を建てる為には、土地の間口と奥行きのバランスはとても重要です。
「ムダのない面積の土地」という条件と合わせて「間口と奥行きのバランス」が最適な物件を探そうとすると、あてはまる物件は本当に数が限られます。
この記事でご紹介した5つの条件すべてを満たす土地は、おそらく100件の土地情報を見ても1つも見つけられません。
300件見て1つあるかどうか・・。それくらいの感覚だと思います。よい土地は本当に少ないのです。
年間100棟単位で土地を仕入れないといけない大きな組織の会社では、必ず土地の仕入れに妥協が生じます。
それを補うために、多大な広告宣伝費を投入したり、たくさんの営業マンを雇用する事で営業力によって販売するという方針を取らざるを得ません。
土地探しから建物の企画まで、一貫してプロが造るのが分譲住宅です。
だからこそ実現できる最良のバランスとパッケージを提案できてこそ、分譲住宅の価値だと思います。
土地について言えば、エンドユーザーが簡単に見つけられるような土地では意味がないのです。
つまり、土地の仕入れで妥協をするという事は、既に分譲住宅としての価値を大きく損なっていると思うのです。
当社は、提供できる物件数こそ少ないですが、このような価値観に基づいて厳選した土地だけを購入し、物件づくりをしています。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
平和公園北の家に関係するブログは計17本。その中で、読まれている記事上位10本のランキング形式でまとめました。
こちらもいわゆるまとめ記事ですが、閲覧数が多いのは、新聞折り込み広告と連動しているからでしょうか。
完成写真を掲載した最初のブログ。やはり完成状態は皆さん気になりますね!
完成写真記事が続きます。平和公園北の家の玄関は、個人的にかなり理想的な玄関です。
この記事が上位なのは意外でした。一般的な分譲住宅メーカーと比べると確かに当社は変わっているかもしれませんが、ひとつひとつの土地や建物に対する思い入れと注ぎ込む熱量ではまず負ける事はないと思っています。
実際に生活している我が家の写真を晒すのは若干恥ずかしいですが、モデルハウスとは本来そうであるべきだと思いますし、日常の暮らしの中で無理なく自然と使いやすさを感じて頂けるような住宅がひとつの理想です。
散らかるのは大抵使用頻度の高い日用品。それらの収納場所としては、扉の奥にある収納スペースよりもやはり、取り出しやすく仕舞いやすいオープン棚が適していると思います。通行量の多い場所にある事で、無理なく自然と物の出し入れができれば・・・と思い、計画しました。
小屋裏収納をウォークイン(天井高は低いですが・・)クローゼット的に使える寝室です。我が家でもヘッドボードを造作しましたが、ティッシュボックスをヘッドボードの真ん中に置けば、ボックスを2つ置く事も、隣で寝ている人の上を跨いでティッシュを取ったりする事もありません。
淡いグレーのクロス。皆さんの感想が気になります・・。それにしても、キズに強い機能性クロスを全面採用しているのは住んでから地味に差が出るポイントだと思います。
独立型キッチンこそ、日常の暮らしの中で良さを発揮できるキッチンだと思います。毎度のようにアイランドキッチンをものすごくディスってますが、決してアイランド型がダメな訳ではなく、アイランド型のような住む人を選ぶキッチンを欠点を補う大した工夫もせず、住む人も決まっていない分譲住宅で採用し、「憧れのアイランド型キッチンのある家に住みませんか?」的な事をアピールしてる物件が苦手なんです。
仕様の違いによる性能差は、施工精度の差によって簡単に覆ってしまいます。住宅の品質は、等級の数字ではなく、施工精度によって決まるものだと思っています。「平和公園北の家」を建てて頂いてる工務店さんは、当社が依頼している施工検査会社が実施している施工精度を競う全国大会で1387社中「全国5位」「愛知県1位」の評価を受けています。
以上、「平和公園北の家」人気記事ランキングでした!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
ウッドデッキのお庭が完成しました!
↑ 「平和公園北の家」現地撮影
バーベキューもプール遊びもできる、子供が喜ぶスペース。
自宅からマイキャンプグッズを持ち出し、BBQ仕様で撮影してみました(笑)
最近新築した我が家でも、同じ仕様のウッドデッキとウッドフェンスを造る予定です。
いずれはやってみたい家プチキャンプ。子供が喜びそうです。
4人掛けでしたら、普通にテーブルとチェアをレイアウトできる奥行きがあります。
また、アウトドア系の荷物は、玄関の納戸に収納する事になるでしょうから、バルコニーに持ち出してセットするのはすごく簡単です。
出しやすい・仕舞いやすい場所に収納があるというのは、本当に便利だと思います。
そして、重要なのはウッドフェンスで囲まれている外部空間なので、イスに座ってしまえばまわりの視線が気にならないプライベートなスペースである事。
そうでなければお庭としての使い道や気持ちよさが少なくなってしまいます。
スペース的には、プール遊びももちろんできますし、三輪車遊びくらいならこのスペースでも全然できてしまうと思います。
子供の遊び場としても安心できるスペース。
フェンスで囲まれているおかげで、子供が遊んでいても道路に飛び出していってしまう危険性がありません。
また、お庭の様子はリビングやキッチンからも良く見えるので、子供の遊び場としては安心できるスペースです。
ペットのスペースとしても。
リビングと一体感がある外部空間なので、ペットのスペースとしても疎外感はありません。
ただし、建物のまわりをぐるっと回ると外には出られてしまうので、門扉やゲートを取り付ければ放し飼いも可能です。
お隣の棟では、ペットがリビングと行き来できるように、網戸にペット専用の出入口を取り付けました!
リビングから段差がなく、行き来しやすい。
ウッドデッキはリビングから数センチ下がるだけ。
段差はほぼなく、人もペットも行き来が楽です。
このお庭は、お洗濯物を干すスペースにもなりますので、家事のしやすさという面でもこれは意外と重要なポイントです。
洗濯物を干してる時は怒らるかもしれませんが、喫煙者の方にとっては一服スペースとしてもアクセスが良く便利です。
※洗濯物干し金物は1セットお付けします。どんな金物を取り付けるのかは、お客様と相談の上決めたい思っていますので、まだ現地には取り付けておりません。
リビングからの景観を楽しめます。
南向きの物件、特に奥行きに余裕がない敷地の場合、南側の大きな採光窓から見える景色は目の前の自分の車。そんなケースも多いです。
「平和公園北の家」では、リビングと駐車場の間にお庭を挟む事で、車が隠れます。
写真でも、駐車場に自分の車をとめさせて頂いております。
全高1.8mくらいの割と背の高い車ですが、しっかり隠れます。
それだけで、リビングの窓から見える景観は良くなると思います。
さらにオススメなのは、デッキのお庭に植物をレイアウトする事。
リビングからの景観がぐっと良くなるはずです。
夜でも使いやすいように、軒下にダウンライトが設置されています。
バーベキューの時はもちろん、帰宅してお洗濯物を取り込む時にもあかりがあると便利です。
リビングの採光窓に向かってすぐ右手にスイッチが取り付けてあります。
デッキ材に耐久性の高いハードウッドを使用。
フェンスは交換が簡単にできるので、樹液が染み出して外構を汚さない、また、軽量でフェンス支柱に負担がかからない杉材(防腐塗装済)を使用。
耐久性がより求められるデッキ材には、ハードウッド材(イタウバ)を使用。
ハードウッドとは、熱帯地方で育つ広葉樹。密度が高く重量があり、しっかりとした強度と硬さ、耐久性があるデッキ材に最適な材料です。
メンテナンスフリーで20年(メーカーホームページより)、30年と紹介しているメーカーもあるほどの耐久性を持っています。
現地では、橋や枕木、電柱等、風雨に晒される過酷な環境で使用されている木材です。
天然木ならではの高い質感もポイントです。
一般的なソフトウッドのデッキ材に比べると初期費用はずいぶん高いですが、将来の事まで考えればむしろ割安です。
今週末(6月22日・23日)も現地内覧会を開催しておりますので、 ぜひ現地に見に来てください!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展