大変お待たせ致しました。
「松栄小学校南の家」間取りの公開と共に、その解説記事をアップ致します。
関連記事:私が物件づくりで大切にしている事&解説記事を書く理由。
間取りの基本構成としては・・・
1階に寝室と水回り、できるだけ多くの収納。
2階のリビング。
3階の子供部屋。
これは、今までミキプランニングが造ったお家すべてに共通する構成です。
1階に寝室を配置するのは、3階に子供部屋を配置する為。子供部屋へ行くのにリビングを通る動線とする為です。
また、比較的明るさを求められない寝室を1階に配置し、お昼に過ごすことも多い子供部屋はより明るい3階に配置するという意味もあります。
1階に水回りや収納などの小さい空間をたくさん配置する事で、耐力壁をより多く配置できるようになります。
動線の中心でもありより明るい2階にリビングを配置します。
まずは1階からご説明します。
●駐車場の後ろに活用できそうなスペースが少しあります
「松栄小学校南の家」の土地は、奥行きが約7m。
境界に施工しているコンクリートブロックの厚みを考慮すると使える奥行きはおよそ6.8m。
一般的な奥行き4.6〜4.7mくらいの車なら、車の後ろに奥行き2m強のスペースが残ります。
B邸の場合、2台目を小さい車にすればより大きなスペースが残ります。
子供のプール遊びの場とする・お洗濯物を干す・自転車やバイクを置く・物置を置いて車への荷物の出し入れをさらに便利にする・プランターを並べて植物を愛でる・・・
使い方は様々です。
外構のプランはまだ白紙の状態ですが、このスペースを多目的に活用しやすくする為にどうするべきか、、それを検討しながら計画を練りたいと思っています。
●玄関まわりの収納
↑ 当社施工事例 平和公園南の家 玄関に納戸がある間取り
玄関まわりの収納をいかに充実させるか、これは間取りを検討する時にかなり重要視している事で、ミキプランニングの家の特徴とも言えるかもしれません。
僕もこの仕事をしているといろいろな物件の間取りを見ます。
その中で最も疑問に思うのが玄関まわりの収納の少なさです。
家の中にあるものの中で、玄関に収納したいもの・玄関に収納できたら便利なものはたくさんあります。
ベビーカーやキックボード、三輪車など子供の乗り物・部活で使う子供のスポーツ用品・ボールなどの遊具・ゴルフバックやスキー板・キャンプ用品・屋外用の掃除道具・自転車の空気入れ・ペット用品・子供のヘルメット・・・・
これらは全て外で使うものです。
しかも、傘や洗車用具などは濡れるものです。
家の中で使わないもの、特に外で使うものや濡れるものを家の中に持ち込むのは避けたい。
家づくりにはいろいろな考え方があると思いますが、それについては異論はないはずです。
それに、外で使うものは車に積み込む機会も多いです。そのようなものの収納場所としてはやはり、車への積み込み・積み下ろしがしやすい玄関まわりが最適です。
また、最近では通販を利用する機会も多くなり、梱包用の段ボールを一時的に収納しておく場所が玄関まわりに必要です。
これらの収納場所として十分なスペースが確保されていないと玄関まわりが荒れます。
片付いていない玄関が通常状態では、心地よい暮らしを送る事はできません。
新しい事を始めたいと思った時、収納の問題で断念しないといけないかもしれません。
僕は子供が今2歳で最近よくキャンプへ連れて行きますが、キャンプは収納場所の問題をクリアしないとなかなか始められない趣味でもあります。
住宅は住む人の暮らし・生活を受け入れるうつわのようなものです。
そのうつわにゆとりがないと、世の中の変化や自分自身の暮らしや生活の変化に対応する事ができません。
豊かな生活・心地よい生活を送る上で十分な量の収納を確保しておく事は必ず必要な事だと思います。
A邸はB邸に比べると、玄関納戸の面積は約半分ですが、棚板が前後に2枚設置されているので、収納として活用できる幅はB邸とそんなに変わりません。
ただし、A邸は靴を脱いでアクセスする納戸なのに対して、B邸は土間納戸です。
その点、B邸のほうが納戸としては使いやすいかもしれません。
●十分な収納量の靴収納
納戸とは別に、靴の収納は床から天井までの大型のものを計画しています。
靴収納についての考え方についても、別に記事にまとめていますので、ご覧下さい。
上の写真は我が家の靴収納ですが、A邸はこの約1.5倍の横幅です。相当大きいです。
B邸は我が家と同じ横幅です。それでも十分な収納量があると思います。
●南側に引き違いの彩光窓がある寝室
寝室は夜使う部屋です。
とはいえ、引き違いの彩光窓を(隣家との間にそれなりの離隔距離を確保した上で)計画する事は、どんな間取りでも実現できるとは限りませんが、可能な限り実現したい事です。
「松栄小学校南の家」では、どちらの棟も南側に引き違いの彩光窓を計画できています。
1階のお部屋なので、朝起きてカーテンや電動シャッターを開けたらまぶしい程の朝日が差し込む・・という程ではありませんが、自然の明るさで目覚めを促進してくれるでしょう。
寝室の引き違い窓には、電動シャッターが標準装備されております。
寝室に電動シャッターがあると良い事がたくさんあるのですが、それはこちらの記事をご覧ください。
●スペースを最大限活用した寝室の収納計画
↑ 瑞穂公園西の家 寝室のウォークインクローゼット
寝室のクローゼットは、空間を下から上まで余すことなく活用できるように、可動式のハンガーパイプを計画しています。
※関連記事「クローゼットを最大限活用できるダブルハンガーパイプ仕様」
ただし、すべてをダブルハンガーパイプ仕様で使うとコートなどの長い服がかけられなくなってしまいます。
A邸のウォークインクローゼットは1列のみ、B邸のクローゼットは向かって左手のクローゼットがダブルハンガーパイプ仕様となっています。
●まぶしさを感じない寝室の照明計画
↑ 平和公園南の家 寝室の照明
太陽の光とその陽当たりが住環境の質に影響を与えるのと同じように、照明計画の良し悪しが住環境の質や居心地に与える影響は少なくありません。
本来、陽当たりを気にするのと同じくらい照明計画には気を使うべきだと僕は思うのですが、残念ながら多くの分譲住宅では照明計画と呼べるほどのものはほぼ存在しないのではないかと思ってしまいます。
口が悪いようですが、本当にそう思うのですから仕方ありません。
寝室の照明計画については、標準仕様という訳ではありませんが、基準となる考え方と器具の選定があります。
その事については、別の記事にまとめましたので、ご覧ください。
●洗濯機のある1階に室内用洗濯物干し金物を計画する。
ミキプランニングの家は、1階に洗濯機置き場があるお家がほとんどなので、可能な限りお洗濯物を干す場所を1階につくりたいと思っています。
松栄小学校南の家では、B邸は寝室南側の窓外側にお洗濯ものが干せそうなスペースを造ることができています。
寝室が少し窪んだ形状になっているのは、お洗濯物干し金物を設置できるようにする為です。
洗面脱衣室内に少しですが、収納を設けています。
下着類や室内着だけでも、1階でお洗濯をし、1階でお洗濯ものを干し、1階に収納する流れをつくりたいと思って計画したものです。
A邸では、2階のバルコニーにお洗濯物を干す事になりそうですが、1階に室内用の洗濯物干し金物を設置する事で、少量のお洗濯物であればカバーできるようにしています。
●洗面脱衣室のくふう。
洗面脱衣室は収納量を確保する事が難しい場所ですが、収納が少しでも多くほしい場所でもあります。
その為に工夫している事を記事にまとめました。
※関連記事「 お手入れがしやすい洗面台と脱衣室の収納量を少しでも増やす為の工夫」
●お手入れがしやすく使いやすいお風呂にする為に
大した事ではありませんが、お風呂のお手入れをしやすく、また使いやすくする為の工夫を記事にまとめました。
※関連記事「お手入れがしやすく脱衣室を濡らさないユニットバスの仕様」
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展