2018年05月14日
相生山駅東の家
「相生山駅東の家」 ~ 間取りの解説記事 1階 ~

 

関まわりの収納をとにかく充実させたい。

 

分譲住宅の間取りを見ていると思うのが、収納が少なすぎるという事。

 

個人的に、十分な収納量が確保できていると思える物件を目にすることはなかなかありません。

 

特に、玄関まわりの収納に至っては「致命的に少ない物件ばかり」だと思っています。

 

酷い物件になると「靴すら満足に収納できない」ような間取りもあります。

 

そのような玄関は値段の安さを売りに大量に家を建てるメーカーの家によく見られます。横幅1.2mくらいの心細い腰高の玄関収納がひとつ置かれているだけの玄関です。

 

ざっと、1段5足×4段で20足、詰め込んで6足×4段で24足というところでしょう。4人家族で1人あたり5~6足の収納量・・・明らかに足りません。

 

失礼ながら、そのような物件を造ってる人は収納が明らかに不足している事に気付いていて売っているか、何も考えずなんとなく物件造りをしているか、そのどちらかです。

 

個人的には・・・そのような仕事はしたくありませんし、そのような家には住みたくありません。

 

では、靴が収納できればそれでOKかというと、それだけでは十分とは言えません。靴が満足に収納できるという事は玄関に求められる最低限の条件です。

 

そして、「生活利便性が高く、ストレスのない心地よい暮らしとお家」を考えた時、「収納が充実した玄関」は必須の条件です。

 

ですので、私は「玄関まわりの収納」を、間取りを考える上でかなり重要な問題として捉えています。

 

 

ずしもお家の奥まで運び上げる必要のない物はぜんぶ玄関に収納する。

 

例えば、インターネットでよく買い物をする自分のような人には悩ましい段ボールの置き場所。

 

玄関で受け取った荷物はその場で取り出し、どうせ外に運び出すことになる段ボールは玄関納戸に置き場を作れば便利です。

 

A邸の場合、階段下の収納を廃品回収に出す段ボールや新聞紙・雑誌類専用の収納スペースにしてしまえばストレスの無い使い方ができそうです。奥行の深さが段ボール置き場にピッタリ!

 

「外で使う汚れるモノ」は土間に置いておきたい代表的なアイテム。その代表はやはり「ベビーカー」です。

 

車輪が床に付かないように気を付けながら家の奥にある収納まで慎重に運ぶ・・・それを毎日繰り返すのはとても大変だと思います。

 

雨の日で多少濡れていても、玄関納戸は土間なのでそのまま置いても問題ありません。子供用の三輪車やキックスクーター等もそうです。

 

あとは、ゴルフバック釣り道具キャンプ用品子供の部活や遊びで使うスポーツ用品などアウトドア・スポーツ関連のアイテムです。

 

これらはすべて、お家の奥まで運び上げる必要のないものです。

 

そして、収納が玄関の近くに位置している事で、車への積み込み・積み下ろしも楽なのです。これは玄関納戸のとても大きな利点です。

 

あとは「濡れモノ」です。はもちろん・・子供用の濡れた雨カッパはお家の中に入れたくありません。

 

車や外構のお掃除をした後の高圧洗浄機・車の洗車用品一式も・・・濡れていても土間の玄関納戸ならそのまま置いても問題ありません。

 

どうでしょうか?

 

「靴しか収納できない玄関」と「収納がたくさんある玄関」この違いはとても大きなものだと思いませんか?

 

 

関まわりの収納についてもう少し具体的に。

 

A邸の玄関は、入ってすぐ右手に靴収納がありますが、床から天井まで収納になっているものの靴の収納としては少し小さいので、玄関納戸の中にも靴を収納できる棚板を設置する予定です。

 

とはいえ、少しでも多く靴を収納できるように、棚板の奥行を50センチ確保できるように計画しました。

 

 

上の写真のように・・・

 

「あまり使わない靴を靴箱に収納し、奥へ」

「普段よく使う靴はそのまま表へ」

 

・・という使い方ができるように想定しています。

 

棚板の段数は7段で計画していますので、そのまま使えば「表のスペースに24足」「裏のスペースに14足」は収納可能です。

 

しかし、棚板を最大11段くらいまでは増やす余地があると思いますので、そうすれば「表のスペースに36足」「裏のスペースに22足」くらいまで拡張可能です。

 

また、奥行50センチの棚板というのは汎用性が高いので、靴が収納できればそれ以外のものを収納する場合にも重宝します。

 

A邸の玄関納戸には、足りない靴収納を補う目的で靴収納用の棚板が設置する予定ですが、玄関脇の靴収納で十分に収納可能であれば、納戸をより広く活用できます。

 

B邸は、玄関正面の靴収納だけで十分な横幅を確保できており、約50足分の収納量です。不足すれば棚板を追加できる余地は十分にありますので、80足くらいまでは拡張可能です。

 

B邸の玄関納戸は裏側に本棚を造作しているので、A邸に比べると少し面積が小さいです。

 

しかし、玄関納戸に靴を収納する必要がない分大きく使えると思いますが、A邸には階段下収納が確保されていますので、全体の収納量としては同じくらいかなと思っています。

 

玄関納戸の中の棚板の配置等は、今後より細かく計画しますので、またお伝えできる機会があると思います。

 

 

ネン収納付きの洗面脱衣室

 

洗面脱衣室は収納が不足しがちな場所のひとつだと思います。

 

そして、必ずしも洗面脱衣室内に収納を設置できるとも限らないのが、難しいところなのです。

 

しかし今回は、A邸・B邸共にリネン収納を確保できました。

 

細かすぎる話になるので詳しくは書きませんが、A邸・B邸共にリネン収納を確保する為に、間取りの中で細かい寸法調整をしています。

 

確保できたのは、A邸で奥行30センチ・B邸は奥行25センチの棚板寸法です。

 

細かいものを収納するリネン収納には奥行はそんなに必要ありません。

 

25センチもあれば十分で、むしろ浅いほうが収納全体を見渡せて使いやすいと思っています。

 

フェイスタオルを畳んで収納するのは25センチあれば十分ですし、バスタオルを収納する事も可能な寸法です。

 

タオルの他にシャンプーや洗剤等の詰め替えを収納するのにももちろん便利ですが、浅型の引き出し収納やカゴ類を活用し家族全員分の下着を収納する事も可能だと思います。

 

 

洗面台は上の写真と全く同じものを「相生山駅東の家」でも採用しています。

 

水はね防止の立ち上がりがしっかりと確保されている事はこの洗面台を採用した大きなポイントですが、その立ち上がりの上部(奥行約7センチ)に歯ブラシ立て・コップ・歯磨き粉・ハンドソープなどを置ける事、そのような機能性の高さとシンプルなデザインを両立している事をとても高く評価しています。

 

また、洗面ボウルはカウンタートップと一体成型の人口大理石なので隙間がなくお手入れが非常に楽だという事もこの洗面台を採用しているポイントです。

 

水栓は通常モードとシャワーモードの切り替えが可能で、ホースが伸びる仕様になっており、お掃除もしやすい仕様です。

 

上部のミラーボックスは内部が収納になっています。

 

洗濯機置き場と洗面台の間に間仕切り壁を建てる事によって、見栄えの良くない洗面台や洗濯機の側面を隠し、同時に洗濯機置き場上部に棚板を設置する事が可能になります。

 

洗濯機置き場の上はオープンの棚板なので、使用頻度が高いものを置くのにピッタリです。

 

洗濯用洗剤や柔軟剤等はもちろん、タオル・バスタオル類をこの場所に収納するのも便利です。

 

 

ユニットバス(TOTO製)の扉は、折れ戸ではなく開き戸を採用しています。

 

開き戸にする事で、ドアにタオル掛けを設置できるようになります。

 

タオル掛けにバスタオルを掛けておけば、お風呂上がりに脱衣室を濡らすことなく体を拭く事ができます。

 

折れ戸と違い開き戸はドアも平坦で下枠もシンプルな形状の為、お掃除が楽な事も高ポイントです。

 

 

側のお庭に面してレイアウトされた寝室

 

この位置に寝室をレイアウトした理由は色々あります。

 

まず、全体の動線として子供部屋をリビングよりも奥に設置したかった事。

 

次に、主に夜に使用するお部屋である寝室を採光的に最も不利となる1階に設置したかった事。(とはいえ、お庭を介して南側に面しており、大きなサッシを取り付けていますので、暗い寝室という事はないと思います)

 

あとは、お庭に面するレイアウトにしたかったという理由です。

 

寝室がお庭に面している事によって、お子様がお庭で遊んでいても見守る事ができます。

 

また、お庭にウッドデッキや植栽等を配置すれば、寝室とのつながりが生まれ、より魅力的な空間になります。

 

お庭に洗濯ものを干す場合でも、寝室を通るレイアウトであれば子供達に気を使う必要もありません。

 

寝室は大きさの数値も大事ですが、それ以上にベッドを配置する壁面の長さが重要です。

 

特にB邸はかなり余裕の寸法がありますので、余裕を持ってツインベッドレイアウトが可能な寝室です。

 

ツインベッドレイアウトが可能という事は、キングサイズのベッド1つならさらに余裕を持ってレイアウト可能です。

 

A邸にはデスクスペース(ミニ書斎)・B邸は埋め込みの造作本棚を造り付ける予定です。

 

 

ェンスで囲まれた南側のお庭

 

南側にお庭が確保できるというのは、北道路物件の大きなメリットです。

 

採光スペースを確保する事が大きな目的で、それに付随して生まれたお庭ではありますが、結構広いお庭なのです。

 

A邸の場合、お部屋の広さに換算すると約12帖。B邸の場合、16.7帖相当の大きさがあります。

 

子供がプール等の外遊びをするには十分な広さのお庭です。

 

フェンスで囲まれた形状のお庭ですので、お子様が道路に飛び出す心配もなく、安心して遊ばせられるスペースという事は割と重要なポイントだと思っています。 

 

 

備室が1階にあるA邸

 

A邸は4.6帖の予備室が1階にあります。

 

予備室の使い方として最も多いのはやはり「倉庫」ではないでしょうか。

 

その場合、玄関に近く物の出し入れがしやすい1階にあるという事がとても大きなメリットになります。

 

また、寝室の隣にあるという事もメリットで、大型のウォークインクローゼットとして活用したり、趣味の部屋としても活用しやすい位置です。

 

 

納の多さは住む人の生活を受け止める懐の深さ

 

私自身の「収納が少ない家」に対するトラウマからなのか、少しでも多く、機能的で適切な位置に収納を設けたいという思いが強く、その為にかなり細かく間取りを計画しています。

 

収納が少ないと、新しい事を始めてみようという気にはきっとならないような気がします。

 

例えば、子供達とキャンプに行く為に道具一式を買い揃えようと思っても、収納する場所が無ければそれも躊躇してしまうでしょう。

 

私は登山が趣味なのですが、道具一式を収納しておくのに、それなりの場所を必要とします。ロードバイクにも乗りますが、これがあるだけで引っ越し先は相当限定されます・・・。

 

人生や生活において、新しい事を始めようとする時、収納の問題は必ず付いて回ります。

 

家族の誕生や成長においても、ペットを飼おうとした時だって収納やスペースの問題を切り離して考える事はできません。

 

収納が少ない家とはつまり、住む人の生活や人生や未来を受け止める事ができない懐の浅い家なのだと思います。

 

逆に、収納がたくさんある家とはつまり、住む人の生活や人生や未来を受け止める懐のある家なのだと思うのです。 

 

そう考えると、極論かもしれませんが、住宅の収納量はそのお家での生活の豊かさや人生の充実とも関わっていると思うのです。

 

住宅にとって収納とはそれほど大切な事だと私は思います。

 

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株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

 

2018年05月12日
相生山駅東の家
「相生山駅東の家」まず最初に&スケジュールについて。

 

在、5月末に完成を控えております「瑞穂公園の家」。

 

同時に、現在基礎工事中の「相生山駅東の家」。

 

このように、分譲物件が同時期に工事進行中という状況は、当社にとっては割とめずらしい事です。

 

実際、「瑞穂公園の家」をアナウンス開始した時には、約半年ぶりの分譲物件だった訳で、これは割と普通の事です。

 

「良い物件があれば購入する」

 

・・逆に

 

「良い物件が出なければ何も仕事をしない」

 

これは私のポリシーのようなものです(笑)

 

大手分譲事業者が商品にこだわり抜く事ができない理由。

私自身の物件や仕事に対する考え方や価値観・・とも言い換える事ができると思いますが、そのあたりは上の記事に詳しく書いてありますので、「相生山駅東の家」で当社を始めて知ったというお客様にもぜひ読んで頂きたい記事です。

 

 

後のざっくりとした予定について・・・。

 

まず、現在の現場の状況は、地盤調査・先行して施工するコンクリートブロック工事・基礎工事まで完了し、あとは建て方(構造体を組み上げる工事)を待つばかりの状態です。

 

「相生山駅東の家」は全2邸の物件なのですが、地盤調査の結果、2邸とも地盤改良をしなくても十分な地耐力があるという結果でした。

 

このあたりはもともと海抜40m~50mで、航空写真を調査してみると「山」だった訳でして、予想通り大変良好な数値でした。

↑ 1947年の航空写真。山・・ですね。黄色の〇が戸笠池。大きな赤〇が物件のある地域。

↑ 2018年現在の航空写真。あんな山だったのにすっかり住宅街になられて・・・。

 

もう間もなく、上棟(構造体が組みあがる事)を終え、そのまま順調に工事が進むと7月末頃にはA邸が、8月初旬にはB邸が完成します。

 

完成内覧会も工事の進捗を見ながらその頃に実施する予定です。

 

現在、ホームページ上ではまだ詳しい情報をアップできておりませんが、準備が出来次第まず、どんな動機や考察を経て間取りを決定したかをお伝えする間取りの解説記事・・・どんな動機でこの土地を仕入れたのか・・・それらの記事を作製しアップします。

 

参考記事:私が物件づくりで大切にしている事&解説記事を書く理由。

 

私のほうでは、造作計画・照明計画・内装および外装コーディネートを検討している最中で、最近は図面引きに追われる毎日です・・。

 

計画の進捗は会員登録・または事前にお問い合わせをいただいたお客様に対しその都度メルマガ・ブログにてお伝えします。

 

楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。

 

株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

 

2018年05月08日
瑞穂公園の家
「瑞穂公園の家」完成見学会スケジュールのご案内

 

変お待たせ致しました!「瑞穂公園の家」の完成見学会のスケジュールを公開致します。

 

現在、現場のほうはクロス工事が始まろうとしています。

 

別の記事で、クロスのコーディネートについてもお知らせします。

 

■6月2日(土)・3日(日) 会員様限定プレオープン内覧会(予約制)

 

●予約制 = じっくりと見学したい・質問がある・資金計画を知りたい・物件の説明をしっかりと聞きたいお客様向け。

 

この物件は、土地との出会いから始まり、間取りの計画・仕様の選定・造作や収納計画・照明計画などの細部に至るまで、すべて私自身が想いを込めて造った物件です。

 

予約制としましたのは、私がこの物件を造るにあたって考えた事をしっかりとご説明する時間を設けたいと思ったからです。

 

じっくりと説明を聞いて検討したいというお客様、先行見学会へのご参加をおススメします。

 

先行内覧会では、代表の佐藤が物件のご説明を致します。

 

※会員様限定プレオープン内覧会は、両日とも定員となりました。ありがとうございます。

 

 

●2日・3日とも3部制

 

第一部:午前10時~12時   第二部:午後1時~3時   第三部:午後3時~5時


ご都合が良いお時間をご指定下さい。できれば、複数のご希望を頂けると助かります。

 

※土日以外でご内覧ご希望のお客様、ご相談下さい。

 

 

●ご予約方法

 

メール(sato@mikiplanning.com)もしくはホームページ上お問い合わせフォームまで、ご希望の日時をご連絡下さい。

 

 

●当日閲覧して頂ける資料一覧

 

内覧会では、以下の資料を自由に閲覧頂けるように現地にご用意をしております。

 

〇第三者検査機関の施工検査写真一式 〇地盤調査報告書 〇建築確認申請書類一式 〇構造計算書類 〇外構計画図

 

 

●諸経費計算および月々のお支払などの資金計画をご希望のお客様

 

当日、ご希望のお客様に、諸経費の計算および資金計画のご提案を致します。ご希望の方は、源泉徴収票をお持ち頂けるとより正確なご提案をさせて頂けます。

 

 

■6月9日(土)・10日(日) 一般内覧会(予約不要)

 

一般のお客様が自由に見学できる内覧会です。(10:00~18:00)

 

●予約不要 = さらっと物件を見学されたいお客様向け。

 

 

■6月10日(土)13時より、お申込み受付開始。 

 

資金計画(ご返済プラン・持ち家で住み替えのお客様はそのご計画)によってはお申込みを受け付ける事ができない場合もございますので、あらかじめご相談頂く事をおススメ致します。

 

 

■現地地図

 

※ 物件現地は外構工事が完了しておらず、お車をおとめ頂く事ができません。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用下さい。または、お車で現地までお越し頂ければ、近隣のコインパーキングの場所をご案内致します。駐車代として、500円分のクオカードをお渡し致します。

 

株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

 

2018年05月07日
瑞穂公園の家
「瑞穂公園の家」クロスのコーディネート

 

型連休も終わり、ミキプランニングでは本日より業務を開始しています。

 

みなさまは、どのように連休をお過ごしでしたか?

 

私は、北陸のほうまで趣味である建築見学&撮影の旅に両親を連れて出かけておりました。

「世界で最も美しい公共図書館25選」というものがあり、日本からは2つの図書館が選ばれています。そのうちのひとつ「金沢海みらい図書館」です。こんな図書館、我が町にも欲しい!

 

それともうひとつ、北アルプスに友人と行ってきました。

上高地から歩いて6時間ほどの場所にある「涸沢カール」という場所です。山の上はまだ冬です。激寒で狭いテントの中、暖かいすき焼きを食べる会を男2人で・・・。

 

本当は、氷河が削りだした山々に囲まれた素敵な景色を拝みに行くはずだったのですが、あいにくの天候だった為すき焼きが無ければただの苦行になるところでした(笑)

 

 

ロスのコーディネートについてご報告

 

さて、「瑞穂公園の家」は現在クロス工事が始まろうとしているところです。

 

上の写真は、前回分譲させて頂いた「川名公園北の家」の寝室です。

 

実は、「川名公園北の家」より、クロスのコーディネートを大きく変えました。

 

それ以前の物件と比べると、方向や凹凸が少ないよりシンプルなクロスを採用し、色あいもグレートーンに変更しています。

 

また、「表面強化」というキズが付きにくい機能を持ったクロスを全居室に採用するようになりました。

 

今回の「瑞穂公園の家」もその流れをそのまま引き継ぐ形です。

 

壁面のベースクロスは、明るさは損なわず、落ち着いた空間となるように白に近いグレーのクロスを採用しています。

 

天井は明るさと空間のひろがりを重視したホワイトクロス。

 

貼分けのクロスはコントラストが強すぎて「ドギツイ」印象にならないよう、ベースクロスと同じグレートーンで貼分ける面積によって2色の色を使い分けています。

 

基本的に、上の写真とほぼ同じクロスを採用していますし、フローリングの色も同一なので、仕上がりは上の写真と非常に近いと思います。

 

株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

次の記事:ベッドルームの竣工写真を撮影しました

前の記事:照明計画について

 

2018年04月22日
瑞穂公園の家
「瑞穂公園の家」 ~照明計画について~

 

夜も心地よい光環境で過ごせるように・・

 

心地のよい生活を考える時、「お家の陽当たり」は欠かせない要素です。

 

あまりにも普遍的な前提条件なので、一般的な分譲住宅でも陽当たりを気にする物件はそれなりに多い訳です。(一方、陽当たりを全然気にしていない物件もそれなりに存在していますが・・)

 

ミキプランニングでも陽当たりに難がある物件は当然買いませんし、陽当たりの良さにはかなりこだわっているほうだと思います。

 

自分自身、陽あたりの悪い家での生活は想像できないですし、そのような家に住みたいとは思いません。

 

陽当たりが良く明るいお家はやはりとてもさわやかで心地よい訳で、だからこそ「陽当たりの良さ」はお家探しにおける普遍的な条件となっているのだと思います。

 

「陽当たりの良さ」とは言い換えれば「お昼間における光環境」です。

 

では、夜はどうでしょうか?

 

心地よく過ごせるお家を考えた時、光というのはとても大切な要素です。それは、お昼であっても夜であっても変わりません。

 

お昼間は陽当たりの良いさわやかなリビングも、夜は照明器具によるあかりによって光環境が決定されます

 

リビングを使うのはお昼間の時間だけではありませんし、むしろ、お仕事から帰ってきてくつろぎの時間を過ごすのは大抵の場合夜のリビングです。

 

そう考えると、照明プランを考える事はとても重要な事だと思うのですが・・・

 

しかし、陽当たりの事を気にしても照明器具や照明プランを気にしている分譲住宅はほとんどありません。

 

LDKには2つくらいシーリング照明のジャックが取り付けてあるだけで本当に味気なく、心地よい光環境とはかけ離れた何の提案もない動機なきプランである事がほとんどです。

 

個人的には、照明計画を抜きにして、心地よく過ごせるお家を造る事はできないと思っています。

 

多少コストがかかっても、それで物件価格が上がってしまっても、したほうが絶対に良くなる事、そして、新築の時にしかできない事が家づくりにはたくさんあると思います。

 

そのような事は可能な限り実現したいと思っています。

 

ご紹介する照明プランや照明器具もそのうちのひとつです。

 

 

リビングに最適なのは角が取れたやわらかい反射光

↑ 当社施工例(同仕様):光源が直接目に触れ眩しさを感じないように、また、角が取れたやさしい光となるように、天井や壁面に光を一度バウンドさせる間接照明をメインに。その補助としてユニバーサルダウンライトを複数配置。

 

ミキプランニングでは、リビング階の階高を通常よりも20センチ多めに確保しています。

 

その20センチのスペースを活用し、「カーテンボックス」や「照明ボックス」を埋め込みます。

 

瑞穂公園の家でも、天井の裏側に照明を設置するスペースを2箇所設けています。

 

1か所は上の写真にあるようなテレビが設置される壁面を照らす照明。

 

もう1か所は天井内に設置された天井を照らす照明です。

 

いわゆる間接照明ですが、間接照明とはその名の通り、壁や天井に1度光をバウンドさせる訳です。

 

バウンドされた間接光は、角が取れたやわらかい光になります。

 

また、光源が直接目に触れず眩しさを感じさせない為、落ち着きが必要なリビングルームには最適な種類の光です。

 

 

挟角のユニバーサルダウンライト


↑ 施工事例写真(同仕様)

 

間接照明は絶対に必要な照明ではありませんが、暮らしを楽しみ心地よくする照明です。

 

一方、直接照明は活動的な生活照明です。

 

直接照明だけだと事務所のような味気ない空間になりますが、間接照明だけでも本を読んだり字を書いたりする時には明るさが不足します。(そもそも、くつろぎの光と活動の光をひとつのシーリングライトで兼用してしまおうという考え方が非常に雑ですし、無理があると個人的には思います・・。)

 

そのような時に天井に設置されたユニバーサルダウンライト(向きを自由に変えられるダウンライト)を点灯して下さい。

 

向きを自由に変えられるダウンライト(挟角)にしているのは、ソファやテーブルの位置に合わせて光の向きを調整できるようにする為・必要な箇所に光を届ける為です。

 

逆に、ただくつろぐだけの目的であれば、壁と天井の間接光だけで十分ですし、それが最適だと思います。

 

 

ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを設置できるように。

↑ 当社施工事例(同仕様):ペンダントライトの種類と数によって位置を変えられるように、照明ボックスの中にレールを設置しています。

 

個人的には分譲住宅でよくある「ダイニングテーブルの配置とは無関係に設置されたシーリング照明」というのがとても嫌いです(笑)

 

しかし、分譲住宅の場合、どの位置にどんなサイズのテーブルを置き、どんな照明を設置するのかわからないという事情があり、そんな中でペンダントライトを自由に設置して頂けるようにしたのが、ダイニングルームの天井に設けた照明ボックスです。

 

このボックスの中にはレールが設置されており、設置するテーブルの位置、大きさ、照明の数に合わせて器具を自由に動かせます。

どんなサイズのテーブルを買っても、テーブルのセンターに照明を落とす事ができます。

 

また、テーブルの配置を多少変更しても、それに合わせて照明の位置を変更する事ができます。

 

また、1灯式(写真左)のものから2灯式(写真右のもの)に買い替えたとしても、対応できます。

 

 

ベッドの上で上を向いていてもまぶしくない照明

↑ パナソニックのカタログより画像を拝借

 

一般的には、眠気の増大や体温の低下など、人間の身体を睡眠に適した状態に誘導する役割は「メラトニン」というホルモンが担っていると言われています。

 

このメラトニンというホルモンは夜間に分泌されるホルモンですが、明るい光が目に入ると抑制される事がわかっています。

 

夜間に明るい光環境の場所に居ると、生体時計の時刻を後退させる事になり、睡眠の質を低下させる原因となるのです。

 

寝室やリビングは睡眠前の時間を過ごすお部屋です。刺激の少ない落ち着いた照明計画にする必要があります。

 

ベッドが配置される壁面の上部には、天井を照らすブラケット照明を設置します。

 

光源は上を向いており、天井にバウンドさせた落ち着いた間接光がメインの光です。もちろん、ベッドで横になっていても眩しさを感じる事はありません。

 

活動用の照明として、ベッドの足元に照明レールを設置しています。

 

スポットライトの向きを変える事で、本棚やテーブル・ベッドの上など、必要な箇所に光を届ける事ができ、照明の数を調整する事によってお好みの明るさに調整できる仕様としています。

 

 

玄関・廊下は人感センサーを採用

 

「瑞穂公園の家」から新たに採用する仕様です。

 

玄関や玄関ポーチ(屋外)は、両手がふさがっていても照明スイッチに手を伸ばす必要がないように、従来より人感センサーを設置しております。

 

今回、廊下の照明にも人感センサーを採用しました。

 

廊下は北側に配置されており、照明を点灯・消灯する機会が居室よりも多いと思いますので、人感センサーを採用する事で利便性が向上すると思いますし、消し忘れも防ぐ事ができます。

 

 

演色性を考慮した照明器具選定

 

「瑞穂公園の家」より、高演色の照明器具をLDKに採用しています。

 

演色性「Ra」というのは、色の見え方の指標です。太陽光を100とし、それに近いほど演色性が高いとされます。

 

演色性の低い照明では、物がもっている本来の色を表現する事ができず・・

 

食事が美味しく見えない・・

人の顔色が悪く見える・・

家具やお花など、お部屋の中の物がくすんで見える・・

 

など、様々な影響が考えられます。一番上の蛍光灯(Ra61)の画像では明らかに色がくすんで見えますね。

 

現在ミキプランニングで採用しているのはすべてRa80以上の照明器具なので、元々大きな違和感を感じる事はありませんが、家族が集い食事をするリビングルームでは、より演色性が高く上質な光となるように可能な限りRa95以上の高演色照明を採用しました。

 

 

住まいに最適な色温度

 

光の種類も覚醒に関わる事がわかっています。電球色のような暖かい色の光よりも、蛍光灯のような白い光のほうがより覚醒作用を起こします。朝日や夕日が暖かい色をしているのも、お昼間の太陽が強く白い色の光であるのも、人間の生体時計と結びつきがあるのかもしれません。

 

夜の名古屋駅のツインタワーを眺めてみると、北側のオフィス棟は白い光が煌々と輝いているのに対し、南側のホテル棟は温かい電球色の光が漏れ出ています。

 

それは、白く強い光は生産性を高める作業に適した光であるのに対し、温かい電球色はリラックスを促すホテルに最適な光だからです。

 

電球色のオフィスビル・・・というのは場合によってはあり得ますが、シティホテルの客室(洗面台は別ですが)で白色蛍光灯を採用するという事はまずあり得ません。

 

ミキプランニングの家でも、洗面台やクローゼット等を除き、照明器具は電球色を採用しています。

 

 

トイレのフットライト

 

夜中にトイレに起きた時、あかるい照明の光によって目が覚めてしまう事があります。

 

そのような事を防ぐ為、トイレの足元にほのかに点灯するフットライトを設置しています。

 

明るさセンサー付きなので、夜中は常に点灯している状態です(オフにする事も可能です)。

 

以上、照明器具・照明プランのご紹介でした!

 

株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

 

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