↑ 2021年3月21日午後2時頃現地撮影。南面に3つの採光窓があり、リビング・ダイニング・キッチンすべてが満遍なく明るい。
リビングがものすごく明るい家です。
間取りの解説記事を書かなければいけませんが、なかなか他業務が忙しく取り掛かれません。
まずは、現地の様子をお届けしようと思います。
現地は足場が取れました。
クロス工事に入る前の確認を兼ねて、お部屋の明るさも確認してきました。
明るいリビング・明るいお部屋が多い家が良いという方は多いと思います。
僕自身も、土地を購入する時には「明るい家が建つかどうか」という事をとても重視していますし、自分の中で「良い土地とは明るい家が立つ土地」だと思っています。
もちろんこの土地も明るい家が建つだろうと想像して買いましたし、各部屋が最大限明るくなるように設計しました。
足場が外れて現地に行くと毎回陽当たりを確認するのですが、少しドキドキします。
ちゃんと明るいだろうか・・・と。
ラフプランを計画した段階である程度確信を持っているので、暗いはずがない事は内心わかっていますが、それでも少しドキドキします。
まず、、2階のリビングについては、問答無用の明るさでした。
明るさの感じ方は人それぞれですが、このリビングについては間違いなく「明るい」です。
大きいのは、南面に対してとても横に長い形状のリビングだという事。
それによって、南面に3枚も採光窓が計画できています。
物件探しをされている方は様々な物件をご見学されると思います。
僕はこの仕事をずっとしてますので、たくさんの家を造ってきました。
ですが、南面に3枚も彩光窓を計画できているリビングはかなり少ないはずです。
一般的には、南北に細長く南面の採光窓はひとつだけのリビングがほとんどなはずです。
大きい窓をしっかり確保していれば窓が1枚でも十分にリビングは明るいです。
しかし、奥にあるダイニングやキッチンのほうには光を届ける事は難しい。
それが、通常のリビングです。
しかしこの家は、リビング・ダイニング・キッチン、それぞれに採光窓が計画できています。
LDK全体が満遍なく、しかも、とても明るいです。
3階の子供部屋は2つとも南を向いていて、こちらも文句なしに明るいです。
1階の寝室も、大型の採光窓から光が入り、寝室としては十分な明るさを感じました。
暗い部屋はひとつもありません・・と、僕自身は感じています。
安心して嬉しくなって家路につきました。
完成内覧会ではぜひ、各部屋の明るさを意識してご覧下さい。
頑張って2階の広告用間取り図を作成し、記事を書きますのでしばらくお待ちください・・。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
1階の間取りを公開します。
販売用の間取り図を、他業務の間を縫って作成しております。
いつもは全ての階を作ってからアップしているのですが、書く事も多くなって結局1階と2階で記事が分かれると思いますから、できた1階から先にアップします。
お洗濯を同じフロアで完結できる動線。
1階でお洗濯をし、1階で干し、1階に収納する。
これは、自分の中で「間取りを計画する時にぜひとも実現したい事」の上位です。
3階建の住宅の場合、構造の事を考えると1階に壁をたくさん配置したいので、ミキプランニングの間取りはお風呂や洗面脱衣室等の水回りは1階に配置される事がほとんどです。
つまり、お洗濯物をすべて同じフロアで完結する為には・・・
1階に物干し場を計画する必要があります。
スペースを確保できるかどうかも問題ですが、それ以上に・・・
寝室などの居室から(ほんとは脱衣室から干せるとベストなのですが・・)スムーズに移動できる場所に洗濯物を干せる場所を作らないとダメで、しかも、外から丸見えになるような場所ではいけません。
計画するからには使いやすくないといけないです。
それが結構難しく、お洗濯を同フロアで完結できる間取りを計画できない物件も多いです。
一般的な3階建の間取りを見ていると、それが実現できている間取りはかなり少ないように思えます。
1階で洗濯物を洗い、2階のバルコニーに干し、各部屋へ戻す・・。
それが、3階建住宅の通常なのではないでしょうか。
室内から段差がなく出入りしやすい物干しテラス&外からの視線をカバーする目隠しウッドフェンス。
↑ 現地写真:1階にデッキテラスをつくる事で、室内との段差を無くし、お洗濯物が楽に干せるようにしています。
「鶴里駅北の家」では、主寝室にテラスが計画されています。
まさに、お洗濯物を干す為に計画されたテラスです。
通常、1階の居室と外部スペースとの間には60センチくらいの段差があります。
お洗濯を干し、取り込む度にその段差を乗り越えるような計画では、使いやすいお洗濯物干し場とは言えません。
その為にまず、居室とテラスの段差をなくす為に、ウッドデッキを計画しました。
同じく、お洗濯物が外から丸見えになってしまうようでは、干しづらくなってしまいますから、それも使いやすいお洗濯物干し場とは言えません。
その為に、目隠しのフェンスを計画しています。
家族全員分の室内着や肌着を1階に収納できるように・・・
1階に物干しスペースがあるだけでなく、室内着や肌着を収納できる場所があるとより使いやすくなります。
家族全員分の肌着や室内着を収納できる場所として、「鶴里駅北の家」では2つの候補があります。
まずは、洗面脱衣室の中の収納。
↑ 現地撮影:洗面脱衣室内の収納
ただし、こちらの収納は棚板の奥行きが20センチほど。少し浅いです。
また、洗面脱衣室内には、化粧品や洗剤、掃除用具や脱衣カゴ、シャンプー類の予備など、収納したい物が他にもたくさんあるはずです。
ですので、小さな収納ボックスにも仕舞える「肌着類」を収納すると良いと思います。
次は、階段の前にある収納。
↑ 現地撮影:1階廊下・階段前の収納。インターネットのモデム・ルーターを収納する場所はこの収納内最上段です。
こちらは奥行きに少しゆとりがあって、約30センチ。
実際には、棚板の奥行きよりも少し大きなボックスでも収納できます。
こちらに、室内着を収納すると良いと思います。
主寝室は1階にありますから、夫婦の洋服はテラスからそのままクローゼットに収納できます。
結果、上に運ばないといけないお洗濯物はかなり少なくなるのではないでしょうか。
もうひとつの利点として、お洗濯物をする人だけでなく、お風呂に入る時も動線が短縮できる事です。
各部屋に室内着と肌着を収納していた場合・・・
リビングに居てお風呂に入ろうと思った場合、子供は上の部屋まで着替えを取りに行ってから1階のお風呂に向かう事になります。
大人は一度寝室に寄って着替えを取ってからお風呂に向かう事になります。
しかし、廊下に室内着・脱衣室に肌着が収納してあれば、どこに居ても無駄な移動をせずにお風呂に入る事ができます。
どうでしょう??とても使いやすそうじゃないですか??
ただし、物干しの容量の問題はあります。
一気に大量のお洗濯をする派であれば、2階の広大なルーフバルコニーにも物干し金物を設置する事をオススメします。
玄関横の納戸をファミリークローゼットとして使えばさらに楽に。
もし、1階の納戸にあまり収納する物がない・・という事であれば、ここを子供の洋服類を含めたファミリークローゼットにしてしまうのも方法です
そうすれば、さらにお洗濯物動線を短くできます。
ただし、現在は物置納戸として棚板の計画になっていますから、ごく簡単なリニューアルが必要です。
必要であれば簡単にできますからご相談下さい。
玄関に大型の納戸がある間取り。
↑ 現地撮影:玄関にある大きな納戸。ドアを中心に棚板を左右に振り分ける事で、最大限収納として活用できるように設計しています。
玄関に収納するべき物は本当に多い。
玄関のまわりにいかに収納を多く確保するか、それは、ミキプランニングが1階の間取りを計画する上で最も重要なテーマです。
一般的な分譲住宅の間取りを見ていると、不安になるくらい玄関に収納がありませんが、本来玄関に収納するべき物、収納したほうが良い物は本当に多いです。
ベビーカー・キックボードや三輪車など子供の遊具・部活で使う子供のスポーツ用品・ゴルフバックやスキー板・キャンプ用品・外用の掃除用具・防災用品・リードなどのペット用品・自転車の空気入れ・子供のヘルメット・・。
外で使うものも多く、頻繁に外に持ち出したり車に積み込んだりする物も多いので、玄関にあると物の移動がとても楽です。
汚れるものも多く、家の奥まで持ち込むのは避けたいです。そもそも家の奥まで持ち込む必要性は本来ありません。
これらの物は玄関に収納できるのが一番です。
最近ではインターネット通販で物を買う事も多いでしょう。
段ボールは回収日にまとめて外に運び出すものなので束は大きくてかさばります。
玄関に段ボールの置き場所があれば、受け取った荷物をその場で取り出し、段ボールを納戸に収納しておく事もできます。
収納が多い家は懐が深い家
例えば・・子供が大きくなったのでキャンプを始めたい。
そう思ったとしても、道具を収納するスペースがなければ、始める事にためらいを感じる事でしょう。
分譲住宅の間取りを見ていると、あまりにも必要な場所に収納が少なく、そこに住む人の日常生活すら受け止める事ができるのか心配な間取りも多いです。
反対に、収納がしっかりしている家は、そこに住む人の日常生活はもちろん、休日の楽しみや好奇心を受け止める事ができるような気がします。
(もちろん、食べて寝るだけの最低限の生活をする為の家・・・という考え方もアリだと思いますが・・・それなら食べる行為・寝る行為を徹底的に追求した家づくりでないと説得力はありませんよね。)
我が家でも当然、玄関に大型の納戸が計画されています。
僕はアウトドアの趣味が多く、納戸の中は登山道具とキャンプ道具が多くを占めています。
最近、スキーとシーカヤックを始めたいと思いましたが、多少整理が必要なもののまだまだ収納に余裕がありそうです。
車にやさしい&雨の日に濡れないビルトインガレージ
↑ 現地撮影:ビルトインガレージ。人感センサー付きの照明器具が設置されており、夜でも乗り降りの時には自動で明るくなります。防犯灯としての役割も。
雨の日に濡れないと言っても、玄関に行くまでの間には濡れます。
ただ、雨でたくさん濡れる時は、車から荷物を出し入れしている時や、子供を車に載せたり降ろしたりしている時です。
そうゆう時濡れないという事は、とても便利だと思います。
車好きの人にとっては、車が痛みづらい屋根付きの駐車場という事は、とても大きなポイントだと思います。
そうでない人にとっても、夏、エアコンが効き始めるまでのあの苦痛が軽減されるのはとても良いポイントではないでしょうか。
(ビルトインになっているのは、手前の1台分です。)
自転車を置く場所も計画されています。
名古屋市内で3階建の家を計画する時に意外とハードルが高いのが「自転車置き場を確保する事」です。
ミキプランニングの物件でも、これがちゃんと確保できる家ばかりではないです。
今回は、玄関横に自転車置き場を確保しました。
書斎がある主寝室。
↑ 現地撮影
テレワークするなら専用スペース。
テレワークが進み、家の中でも仕事をする人が多くなっています。
ダイニングテーブルの上でノートPCで仕事をするのも良いですが、専用スペースではないので集中できるかどうかは人それぞれでしょうか・・。
一番問題だと個人的に思うのは、ダイニングテーブルは本来食事をするテーブルという事もあり、仕事の途中でも食事の時間はいったん片付けをしないといけない事。
専用スペースなら作業の途中でそのままその場を離れて、戻ってきたらすぐ仕事を再開できます。
また、上部に専用の本棚が造作されていますので、仕事に必要な道具や資料をひとつの場所に集めておけます。
別の場所に置いてある資料などを取りに行く・・という無駄な時間や動きも少なくなります。
つまり、やはり専用スペースは集中しやすい空間ではないか・・という事です。
大型ディスプレイの隣にタブレットが置ける横幅120cmの作業スペース
もちろん、ノートPCでも十分に仕事ができる・・という人もいると思います。
それは職種によりますのでなんとも言えませんが、自分のように図面を引く仕事をしていると、作図の時だけはどうしてもデスクトップで仕事をしたくなります。
やはり、大型のディスプレイが作業しやすく、可能であれば隣にWEBやカタログなどの閲覧や手書き作業もできるタブレットを置きたいです。
ダイニングテーブルの上では、ノートPCでしか作業はできませんので、(職種にもよりますが)理想的な環境をつくる事は難しいのではないでしょうか。
専用スペースに横幅120cmのデスクがあれば、27インチの大型ディスプレイの隣にタブレット、もしくはサブディスプレイを置いて作業できます。
120cmの横幅があれば、テーブルの下にキャビネットをひとつ置き、作業に必要な物をまとめておく事ができます。もちろん、足元には十分なスペースが残ります。
奥行きは約60cmあるので、ディスプレイの手前で書き物をするスペースも残ります。
やはり、専用スペースが使いやすいのではないかと思うところです。
空間を最大限活用できる造り付けのデスクスペース
造り付けの良い所はなんと言っても空間を無駄にしないところ。
壁から壁まで隙間なく使う事ができ、デスクの横幅を最大限大きく確保できます。
また、デスクの周囲に変な隙間もできないので、テーブルの上からキャビネットの裏側に物が落ち・・というような煩わしさもありません。
テーブル上部にも本棚を2段造作し、天井付近の空間も無駄にせず活用できます。
作業に適したあかり
↑ 現地撮影
壁スイッチで点灯する棚下灯を計画しています。
その事によって、テーブルの上に照明器具を置く必要がなくなり、テーブルをより広く無駄なく活用する事ができるようになります。
また、この照明器具はテーブルの上を満遍なく照らす事ができる為、手元に不快な影ができません。
作業スペースにとってはとても大切な事です。
その他のお伝えしたい事。
寝室や水回りに関する標準仕様は別の記事にまとめてありますので、そちらもぜひお読み下さい。
●お手入れがしやすい洗面台と脱衣室の収納量を少しでも増やす為の工夫
以上、1階に関する間取りの解説記事でした!
できるだけ早めに2階・3階の記事を作成します汗
楽しみにお待ちください!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
松栄小学校南の家の完成内覧会にお越し頂いたお客様、ほんとうにありがとうございます。
住んで頂けるお客様も決まり、あたらしい物件の販売活動をスタートする前にまとまった時間をとり、北海道に行ってきました。
次の物件、鶴里駅北の家は、現在建築中。
引く図面はすべて引き、現場に引き渡して北海道にやってきましたが、やはり質疑や変更なのでやりとりが生じます。
行き帰りのフェリーの中やホテルでは図面を引いたり、書類を作成しながら・・。
テレワークをしているお客様も増えてきましたが、ある程度の事なら旅行をしながらでも十分に現場の様子を把握し、指示を出す事ができますね。
とはいえ、離れるのは2週間が限界でしょうか。
ここ最近は慌ただしい時間が続いていました。
ですのでしばらくは・・・見たかった建築物を訪れたり、登山をしたり、厳冬雪中ソロキャンプを楽しんだり、日本最北端へのドライブやゴマフアザラシの越冬を見に行ったり、、各地のサウナを巡りながらゆっくり流れる時間を過ごしました。
↑ モエレ沼公園
↑ 十勝岳登山
↑ 越冬してる天然のアザラシ
↑ ニセコサヒナキャンプ場
あたらしい物件は南区です。
最寄りの駅は、地下鉄桜通線「鶴里」駅。
駅徒歩4分の立地は大きな魅力です。
このあたりの立地をよく知っている人はわかると思いますが、鶴里の交差点から北西側に位置する環境の良いエリアです。
北海道から帰り、今は外構工事の打ち合わせをしながら、クロスのコーディネート・照明器具のより詳しい選定を行なっております。
フローリングや建具などのコーディネートはすでに決まっており、上の写真(松栄小学校南の家)と同じコーディネートとなります。
クロスについても、一部は変えようと思っていますが、概ねこのようなライトグレーを基調にしたコーディネートになる予定です。
↑ 瑞穂公園西の家2 書斎スペース 十分な横幅と造り付けの本棚が上部に計画されています。照明器具を棚下にあらかじめ計画しているので、テーブルの上を広く使えるだけでなく、どの位置で作業をしても手元に影が落ちない設計になっています。テーブルも造り付けなので、周囲に隙間がなく、物が床に転がり落ちる煩わしさもありません。造り付けならではの機能的な書斎になっています。
寝室には書斎スペースがあったり、、、
↑ 松栄小学校南の家 玄関納戸
玄関に大きな納戸があったり、、
お伝えしたい魅力はたくさんありますが、個人的に楽しみなのは、リビングに面した大型のルーフバルコニーです。
↑ 佐藤自宅
鶴里駅北の家のルーフバルコニーはもっと大きいです。6人くらいでバーベキューをしても窮屈さは感じないと思いますし、子供が三輪車で遊べるくらいの広さがあると思います。
鶴里駅北の家は、ルーフバルコニーに水栓を設置しているので、プール遊びもできます。
リビングに隣接しているというのが魅力で使いやすいポイントだと思います。
リビングに居ながら、バルコニーで遊ぶ子供達に目を配る事ができますし、遊んでいて道路に飛び出していってしまう心配もありません。
お庭のような使い方、「過ごす」使い方をしていても、プライバシーが確保された落ち着いた空間になるように、バルコニーの壁を通常より高く立ち上げています。
水栓があるので、グリーンや植物をたくさん配置する事もできます。そうゆう使い方も素敵だと思います。
このような外部スペースはやはり、リビングに隣接させる事で魅力が増しますね。
我が家でも小さいですがリビングに面したバルコニーがあるので、シーズンに1回くらいは家族や友人とバルコニーでお肉を焼いたりして楽しんでいます。
準備が出来次第、「間取りの解説記事」を公開する予定です。
そこで詳しくお伝えできると思いますので、楽しみにお待ち下さい。
当社のことをはじめて知る人の為に。
ミキプランニングは大きな会社ではありませんし、物件数を追求している会社でもありません。
ですので、当社の事をはじめて知る人ばかりだと思います。
そのようなお客様に読んで頂きたい記事をまとめました。
「株式会社ミキプランニングについて、どんな会社かご紹介する記事」
「私が物件づくりで大切にしている事 & 解説記事を書く理由」
今後の予定
完成内覧会の具体的なスケジュール・お申し込みを受け付けする開始日はまだ未定です。
5月には内覧会を開催できるとは思いますが、具体的な日程が決まり次第、会員のみなさまにはご報告致します。
5月に完成内覧会を開催し、ご契約が5月末ごろだとすると、7月末から8月末にはお引っ越しが可能です。
物件に関するご質問は、お問い合わせフォームやメール(sato@mikiplanning.com)、お電話(090-8339-8469:佐藤)まで、お気軽にご連絡下さい。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
最近では、分譲住宅においてもオープンキッチンの間取りが主流になりつつあるようです。
しかし、ミキプランニングでは分譲住宅にオープンキッチンを採用する事はまずありません。
それにはたくさんの理由があります。
最も大きな理由として・・・僕自身、分譲住宅に求められるのは「誰が使っても使いやすい汎用性の高い間取り」だと思っているからです。
「汎用性の高い間取りは多くの人にとって長く快適に生活できる間取りでもあり、資産価値の高い間取りでもある」・・・とも考えています。
そのような意味で、個人的には分譲住宅でオープンキッチンやアイランドキッチンを採用する事はありません。
オープンキッチンやアイランドキッチンは誰にとっても使いやすいキッチンではないからです。
キッチンは収納がたくさん必要な箇所ですが、吊戸棚が付けられず、収納に利用できる壁面も少ない。つまり、収納を確保する事が難しいキッチンです。
油や水がダイニングのほうまで飛び跳ねて、お掃除が大変なキッチンです。
キッチンは、毎日朝も昼も夜も使う場所ですが、常に片付いている状態を求められます。
常にキレイに片付けておかないと、ショールームで見たような生活感を排除したオシャレな空間をイメージしたつもりが、生活感がむしろ強調された印象の空間となってしまうでしょう。
つまり、「住まい手に求められるハードルがかなり高いキッチン」です。
「使う人に覚悟が求められるキッチン」とも言えるでしょう。
使う人に「見せる事を楽しむことができるかどうか」・・・も、問われるのではないでしょうか。インテリアが好きな人であれば、キレイに片付いたリビングやキッチンを維持する事はさほど苦にならないでしょう。しかし、そうでない人も多でしょう。
逆に、設計をする側にも「綿密な計画」が求められるのがアイランドキッチンです。
住まい手に求められるハードルは確かに高くとも、設計する側としては「最小限の労力で、最大限に片付くようになる工夫」が必要です。
しっかりと収納を確保する為に、また、生活感を極力なくし、アイランドキッチンを本来のイメージ通りのものとする為には、平面的な面積のゆとりも必要でしょう。
「なんとなくカッコいいから・・・という理由で採用する事など許されないキッチン」だと思っています。
住まわれる人が決まっている注文住宅では、住まう人の性格や物の量を踏まえ、打ち合わせを経る事でそれらのハードルを乗り超える事もできるでしょう。
しかし、それを分譲住宅で採用しようというのは・・・・つまり、「アイランドキッチンの覚悟」を不特定多数のお客様に対して一方的に求めるという事を意味する訳で、それはある意味すごい事だと思う訳です。
分譲住宅や分譲マンションの世界では、アイランドキッチンやオープンキッチンを設置し、それをキャッチコピーにしている事が多いような気がします。
不特定多数のお客様を対象にする分譲住宅なのに、何の工夫も背景もなくただ置いただけのアイランドキッチンを、お客様に覚悟を求める訳でもなく、イメージを演出する為に計画し、それを宣伝文句とする。
そのような物件を見るたびに軽薄だなぁと思うし、自分が造りたいのはこれと正反対の家なんだなと思うのです。
ミキプランニングでは、分譲住宅でキッチンを計画する時には、フルオープンにはせず必ず立ち上がりを設けるようにしています。
それにはいろいろな理由や考えがあります。
それを順番にご紹介したいと思います。
キッチンの手元には隠したい物がたくさん。
↑ 松栄小学校南の家 半独立式対面キッチン カウンターより約20センチの高さの立ち上がりを設ける事によって、キッチンの手元を隠すように。
立ち上がりを設けたい最大の理由は、キッチンの手元を隠したいから。
物が少ない人・使った物はその都度片付ける人・掃除が好きな人は問題にならない事かもしれませんが、我が家も含めてそのような人ばかりではないはずです。
僕自身は、使用頻度が高い物は取り出しやすく仕舞いやすい場所に収納する、場合によっては出しっぱなしにしておくほうが便利だし、そうしておいても乱雑さを感じさせないようにするのがベストだと考えています。
そうなると、キッチンカウンターまわりには常時置いておきたい物があるはずです。
立ち上がりを設けたほうが良いと考えているのはそのような理由からです。
それに、キッチンの使い方は人それぞれ。使用頻度が高いもの、手の届く場所に置いておきたいものも人それぞれです。
また、時と場合によって(又は使う人によって)、常にキレイに片付いているとは限りません。
キレイにする事に対して神経質にならなくても、機能を最優先した使い方をしても、、この立ち上がりがある事によって色々な人の色々な使い方を許容してくれます。
そこに生活があるのなら、生活感が出るのはあたりまえです。
生活の利便性を損なってまで生活感を無くす、見た目の良さを優先するという考え方は、少し自分の考えとは違います。
キッチンには立ち上がりを設ける事が、少なくとも分譲住宅においては普遍的で汎用性の高い、最もバランスの取れた解答なのではないかと考えています。
立ち上がりの高さは水切りカゴが隠れる高さ。
「フルオープンキッチンのジレンマ」それを感じる代表格は「水切りカゴ」です。
いろいろな人が水切りカゴを無くす為にそのかわりになる方法を試行錯誤していますが、機能性だけならやはり水切りカゴが優れています。
食洗機を使うという方法もありますが、全ての方が食洗機派とも限りません。
我が家でももちろん食洗機を使う事もありますが、多くの場合手洗いのみ、もしくは手洗いと食洗機併用です。
一般的な大きさの食洗機では、洗い物が多い時は食洗機だけではカバーできません。
少量の洗い物であれば手洗いしてしまったほうが早い。
そうなるとやっぱり水切りカゴはあったほうが良い・・少なくとも分譲住宅という不特定多数の方に対しての汎用性の高い解答としては、「水切りカゴを使用」だと、僕自身は感じています。
ミキプランニングでは「水切りカゴが隠れる高さ」を、キッチン立ち上がり寸法の基準とし、約20センチで計画する事が多いです。
立ち上がり部を利用して、収納を設けられる。
↑ 千種区南明町 佐藤自宅
恥ずかしながら我が家の写真。
背景にうっすら見えるゴム手袋。使い終わった後に濡れている物なので、これもオープンキッチンでは収納方法に困るものの1つではないでしょうか。
我が家ではスポンジホルダーにペッと引っ掛けて完了。
ピッチャーやボトルを洗う棒状のスポンジ。これもよく使うものなので、スポンジホルダーに差しっぱなし。
いずれも、立ち上がりがあるおかげでリビング側からは見えません。
本題はキッチンペーパーと台ふきん。
キッチンペーパーの使用頻度はみなさん高いはず。
使いたいと思った時に手が濡れていたり汚れている事も。
そのような時に扉や引き出しを開けて取り出して・・・なんて、多くの人はしたくないのではないでしょうか。
そうすると、すぐ手が届く場所に常に置いておきたいものです。
キッチンに立ち上がりがあると、その高さを利用して、写真にあるような金物を取り付ける事ができます。
ミキプランニングでは標準仕様として採用しているものです。
何が良いかって、まず、すぐに手が届く使いやすい場所にキッチンペーパーが常時スタンバイしている事。
次に、宙に浮いている事。キッチンペーパーは、調理中濡れている事も多いカウンターの上には一時的にでも置きたくないものです。
宙に浮いている事で、キッチンカウンターの上の場所を取らず、掃除もしやすい。
それに、トイレットペーパーのように使えるので、使い勝手が非常に良いです。
ペーパーホルダーの奥に写っているふきんかけも便利です。
ふきんを干す場所としては宙に浮いている必要がありますが、この立ち上がりと金物があるおかげで、スペースを犠牲にせず最も自然で使いやすい場所に収納する事ができています。
もちろん、ペーパーホルダーもふきんかけも、リビング側からは見えません。
写真には写っていませんが、、この立ち上がり部にはミキサーなどの調理器具を使う為の電源も設置されています。
キッチンペーパーやふきんの収納場所についても「オープンキッチンのジレンマ」ですが、電源についても苦労されている人が多いようです。
ダイニング側から使える収納棚を造作できる。
↑ 千種区南明町 佐藤自宅
キッチンに立ち上がりを設ける事で、反対側のダイニングから使える収納棚を造作できます。
我が家では、ティッシュ置き場になっています。
置いてあるのは、大人が使う普通のティッシュ、子供が使うちょっと良いテッシュ。それにウェットティッシュ(おしり拭き)です。
小さな子供がいるので、ダイニングに座ったままティッシュやおしり拭きに手が届くのが非常に便利。
このようなスペースがあると、テーブルの上がスッキリします。
このスペースには電源も設置しますので、携帯電話を充電したりもしています。
小さな子供の手が届きにくい高さに配膳カウンターを設置できる。
↑ 瑞穂公園西の家 やかんが乗っている箇所です。
よほど寸法的に余裕がない時を除き・・
キッチンの立ち上がりの上部は配膳カウンターとして、また、キッチン作業台の延長としての物の置き場所として使いやすくなるように少し広めの寸法にします。
寸法は物件によって様々ですが、写真にあるようなトレイや大きめのお皿が安定して置けるような、また、お鍋の一時的な置き場になる寸法で計画します。
このカウンターは、キッチンの天板より20センチの立ち上がりを設け、105センチの高さで計画する事が多いですが、この高さは「小さな子供の手が届きにくい高さ」になります。
お皿などの割れ物が置かれる事が多い配膳スペースとしては、これくらいの高さがあるほうが安全で安心です。
オープンキッチンをつくる場合。その実例。
↑ 注文住宅で造作したオーダーキッチン 天井についているのは「うんてい」です。
注文住宅でオープンキッチンを提案する場合には、大型深形シンクで中に水切りカゴ機能をインストールできるもの。もしくは、大容量の食器洗浄乾燥機の採用をオススメしています。
こちらのお家では、大容量の食器洗浄乾燥機を採用しました。
アイランド型ですので対面部分は意匠性を重視しています。
動線を最小限にする為に、対面部には洗い物専用のシンクを設置、水栓金物はどこから見ても美しく存在感があるドイツのグローエ社のものを採用。
ダブルシンク仕様なので、背面部のシンクは調理専用です。
濡れた物の対面部と背面部の横断がなくなるので床に水滴が落ちる事を防ぐ事ができます。
また、複数の人でキッチンを使う時にはダブルシンクがさらに活きてくるでしょう。
ダイニングテーブルはキッチンと一体の造りつけ。足の存在感を少なくする為に持ち出し構造にしています。
角度によっては、天板が浮いているように見えるキレイな納まりですが、椅子に座っている時に足元が窮屈にならないという良さもあります。
テーブルの上には分譲住宅でも採用している照明BOXを造作。
照明器具も雰囲気に合うものをいくつかご提案しながら選びました。
天井にはテーブルと同じオーク材を使用し、建築とキッチンの一体感を出しています。
背面部分にはしっかりと収納を設ける事。また、リビングから見えづらい場所にパントリーを設ける事は必ずご提案します。
こちらのお家もウォークイン型のパントリーをキッチン脇につくり、その中に雑多なものや冷蔵庫・オーブンレンジなどの家電製品を収納できるようにしました。
そのような仕分けを行う事でスッキリ整った印象のキッチンを維持しやすいようにしています。
キッチンペーパーホルダーは吊り戸棚の内部に造り、すぐ手が届く場所にあり、かつ、見栄えを損なわないようにしています。
油はねを最小限にするために、ガスコンロは背面の壁際に設置し、調理用シンクをその脇に。
タイルはお手入れがしやすい大きめのものを採用し、目地はメンテナンス性の高いものを選択しました。
写真ではわかりづらいですが、タイルは表面がわずかに波打った表情のあるものを使用しています。
背面の吊り戸棚内部に作業等となる照明を納めており、その光がタイルに当たる事によって、タイルの表情が程よく浮き出るようにしています。
天井の線状の照明器具がメインの明かりですが、存在感を最小にするため、小型の器具を天井のスリットに埋めこんで施工しています。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展
まだ少し未完成な部分、手直しが必要な部分を残しておりますが、建物内部は概ね完成致しました。
早速家具を持ち込んで撮影してきました。
毎回家具を持ち込んで撮影するのは少々大変な作業ではありますが、建築物の見学と撮影が趣味な自分にとっては楽しい作業でもあります。
余談ですが、建築写真用の広角ズームレンズを8年ぶりに新調した事もあり心躍らせながら撮影しました笑
ホームページの仕様上解像度が落ちてしまうのが残念です。
枚数は少ないですが、ご紹介致します。
↑ 松栄小学校南の家 B邸 現地にて撮影 リビングよりダイニングルームを見る。
こちらはB邸の写真ですが、A邸もほぼ同じ間取り・仕様です。
このリビングでやはり印象的なのは、ダイニングルームの明るさです。
リビングだけでなく、ダイニングルームの前にも大型採光窓が計画できているのは「敷地形状の良さ」による大きな恩恵です。
一般的な南北に長いリビング・ダイニングの場合、こうはなりません。
↑ 松栄小学校南の家 B邸 現地にて撮影 ダイニングルームを窓側に見る。
窓際にはカーテンが美しく納まるようにカーテンボックスが造作されています。
カーテンでもブラインドでも、レールやメカがある根本部分を隠す事で窓際がすっきり美しく見えます。
カーテンの場合、厚みのあるドレープを畳んだ時に窓を塞いでしまわないよう、両サイドに少し余裕を持たせてカーテンボックを造作しています。
ダイニングテーブルの上は照明ボックスを計画し、テーブルの位置や大きさに合わせてペンダントライトを自由な位置に設置できるようにしています。
写真では1灯のランプですが、小さめのランプを2灯吊りするのも良いと思います。
写真ではテーブルをカウンターに寄せず、まわりをぐるりと回遊できる配置にしておりますが、大きめのテーブルを設置する場合・伸長式のダイニングテーブルを伸ばして使う時・リビングをより広く使いたい場合、カウンターに接するようなテーブル配置もアリだと思います。
ダイニングルーム全体の明るさを確保するため、テーブルのまわりにはダウンライトを4灯配置。
存在感が少ない小径薄型、明るいのにまぶしさを感じないようデザインされているお気に入りのダウンライトです。
リビングダイニングにある採光窓は電動シャッターです。
防犯性をスイッチひとつで手軽に高める事ができる電動シャッターですが、我が家ではほぼ電動ドレープカーテン代わりに明るさや日射を調整する為に使われています。
本当に便利で、今では電動シャッターがない生活は考えられない程愛用しております。
↑ 松栄小学校南の家 B邸 現地にて撮影 ダイニングルーム脇のカウンター。
「松栄小学校南の家 」でリニューアルしたダイニングテーブル脇のカウンター。
物が集まりがちなテーブル上をすっきりさせる為、また、テーブルの近くで使いたい(けど、テーブルの上に置きっぱなしを避けたい)ティッシュボックスや調味料などを置いておけるカウンターとして、いろいろな目的で造りつけていたカウンター。
寸法を見直し、使い勝手は大幅に向上したと思います。
※関連記事:ダイニングテーブル脇のカウンターの寸法を見直しました。
↑ 松栄小学校南の家 B邸 現地にて撮影 ダイニングよりリビング北側を見る。
リビングルームについてもA邸とB邸ではほとんど差がありませんが、B邸は天然木仕上げの折り上げ天井になります。A邸は間接照明が計画された折り上げ天井になります。
リビングの壁際には間接照明を天井に埋め込んでいます。器具の存在感が無く、角が取れたやわらかい反射光はリビングに相応しい落ち着いた光です。
階段とリビングの境界には、カーテンやスクリーンを設置できるように計画しています。
以上、「松栄小学校南の家」完成写真のご紹介でした!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展