分譲住宅は、プロが土地を選択し、材料を選択し、間取りを決めます。
そうである以上、分譲住宅は「提案」が詰まった住宅でなければいけません。
「なんとなく造った家」ではもちろんダメで、
「なぜ、そうしたのか?」
その理由や動機は明確でなければいけませんし、お客様に説明できなければいけません。
「なぜ、そうしたのか?」 を 「いかに細部までお客様にご説明できるか?」
それこそが、造り手としての責任です。
ひとつの土地を購入するにも、明確な理由・動機がたくさんあります。
ここでは、「池下駅北」の土地が「なぜ、よい土地なのか?=なぜ、この土地を購入したのか?」について、
お話したいと思います。
26坪という絶妙な大きさの土地 だから。
予算の心配をする必要がなければ、ゆとりのある土地にゆとりのある建物の建て方をすれば良いのですが、
現実的にはハウスメーカーのモデルハウスのように、必ずしも潤沢すぎる予算がある訳ではありません。
結局大切なことは・・・
「限られた予算の中で、いかに良い土地を手にし、良い建物を建てるか」
無限に近い予算を持った恵まれた人でない限り、ほとんどの人の「家づくりの命題」だと思います。
「良い土地」だけでもダメです。
「良い建物」だけでもダメです。
「良い土地」と「良い建物」が両方あってはじめて、「良い住まい」となり、「良い生活」が実現できます。
そう考えると、やっぱり「家づくりはバランス」なのです。
分譲住宅は、「それらの究極のバランスを体現したもの」でなければいけません。
少なくとも私の分譲住宅に対する考え方はそうです。
限られた予算の中で、土地も建物も妥協しない。
そう考えると、「広すぎる土地」は経済的ではありません。
人気が高く、環境の良い名古屋市内東部エリアは、土地の坪単価が高く、1坪の差が予算に大きく響いてきます。
住環境全体の良好なバランスを考えると・・・
「一般的な広さの建物 = 3~4LDKで駐車場1台~2台 」を建てることができる広さがあれば、
土地は小さければ小さいほうが良いのです。
活用されない贅肉のような土地に対して、1坪80万円とか90万円の予算を消費するなら、
コンパクトな土地に無駄なく建築し、その分建物をしっかり建てたほうが良いというのが、基本的な私の考え方です。
「無駄な土地がほとんど無い26坪という面積だから」
それが、この土地を購入した大きな理由のひとつです。
土地は切り売りではありませんので、都合の良い面積で出てきてくれる訳ではありません。
この面積の角地というのは、非常に希少な条件です。
角地であることはもちろん、整った形をした角地 だから。
角地の良さは言うまでもありませんが、地形の良さは非常に大切なことです。
良い地形とは = 環境が良い家が建つ地形のことです。
パッと見て、あまり良くない地形をしていたとしても、
プランを計画し、駐車場を計画し、すべてが調和するのであれば、それは良い地形です。
「神丘公園南の家」がそのような例です。
これが、「池下駅北の家」の土地区画図です。
「北東角地」の土地ですね。
この物件の非常に良い点は、奥行と間口がほぼ同じ「整った形の角地」という点です。
北向きの角地の場合、
東西に長すぎる地形であれば、南側隣地までの空き寸法が少なくなってしまい、陽当たりの悪い家になってしまいます。
逆に、南北に長すぎる地形であれば、南側に対しての建物間口が少なくなってしまい、これもまた陽当たりの悪い家になってしまいます。
この物件は非常にバランスの良い「間口と奥行寸法」を持っているので、
「南側に対しての十分な建物間口 = 全居室南向きの環境の良い間取り」
を実現しながら、
「南側隣地まで約4.4mの余裕の空き寸法」
を実現できています。
ここが、この物件の希少なポイントです。
土地に対して南が若干東に振っているのも良いポイントでした。
この物件を購入した大きな理由というのは、概ね上記2点。
もちろん、人気の学区「高見小学校・若水中学校学区」であることや、
小中学校までとても近いこと、
東山線の池下駅まで徒歩10分という立地であること等、
普通に良いと思えることはたくさんありましたが、
決定的に良い点というのは、
「26坪という絶妙な面積でありながら角地。しかも、良い間取りが入る整った形をしている。」
ということです。
この条件を満たす土地というのは、そう簡単には手に入りません。
物件を検討する上で感じたひとつの懸念・デメリット
それは、南側が月極駐車場だということです。
将来建物が建つ可能性も十分考えられます。
これは、唯一最大のデメリットでした。
土地の申し込みを1日遅らせたのは、
「この懸念に対する明確な答えをプランによって示せるかどうか」を検証したかったからです。
より具体的に建築プランを検討した結果、
1、南側に建物が建った場合一番ダメージが大きい1階に寝室を配置することができたこと → 夜使う寝室なので建物が建っても影響が少ない。
2、南側に対して広い間口のリビングが実現できたこと → 南側に建物が建っても、採光窓の枚数が多いので明るさを確保しやすい。
3、20m高度地区の為、南側隣地に建物がギリギリに建ってもおよそ2階建て半の高さが限界であること → 2階のリビングを基準にすれば、南側は1.5階建てくらいの軒高なので、影響はより薄い。
4、南側隣地まで約4.4mの空き寸法を確保できたこと
これらの事より、影響は限定的だと判断し、土地を購入することを決断しました。
以上、「池下駅北の家」の土地を購入した理由 でした!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展