2019年08月25日
瑞穂公園西の家
「瑞穂公園西の家」間取りの解説記事2

 

回の記事「間取りの解説記事1」の続きです。

 

1、大型採光窓(電動シャッター付)を設置した明るいリビング

↑ 平和公園北の家 写真では窓の端が少し切れてしまっていますが、ほぼ同じサイズのサッシです。照明計画もほぼ同一です。

 

土地の解説記事でも触れていますが、ミキプランニングでは、陽当たりの良い家を造る事ができる土地しか買いません。

 

「瑞穂公園西の家」では、南向きである事&大きな採光窓が取り付けられる間口がある事、この2点が明るい家を造るために重要なポイントです。

 

リビングには、横幅がかなり大きい採光窓が設置できています。

 

これは、既製品ではほぼ最大サイズ。高さもめいっぱいの大きさの窓を選択しました。

※厳密に言えば、この窓よりも数センチ大きな窓は存在しますが・・。

 

南向きの土地&2階リビング&大型採光窓・・・「瑞穂公園西の家」は、明るいリビングを実現する為のとても恵まれた条件を持っています。

 

また、リビングの大型窓(1階寝室の窓も)は電動シャッターを設置しています。

 

これだけ大型の窓になると、シャッターの上げ下げも大変なのです。

 

電動シャッターの利点は、カーテンや窓を閉めたままスイッチひとつでシャッターの上げ下げができる事。

 

シャッターの上げ下げがとても楽なので、少しのお出かけでもシャッターを閉め、防犯性を高めて外出して頂ける事。

 

また、電動シャッターは上げ下げの音はとても静かです。

 

 

2、居心地の良いリビングに必要な照明計画

 

物件の陽当たりの良さとはつまり、お昼間の光環境です。

 

ミキプランニングでもそうですが、その事を気にする分譲住宅メーカーは多い訳ですが、一方、照明計画には無頓着な物件ばかりな気がします。

 

照明計画とはつまり、夜の光環境です。個人的には、お昼の陽当たりと同じくらい大切な事だと思っています。

 

直接的な光、特に白色の光を浴びる事で人間の身体は覚醒するように出来ているようです。ですので、お昼間は太陽の光でお部屋が明るいのがいちばん。

 

しかし、夜のリビングには、就寝前のくつろぎの時間を過ごすという役割があります。

 

そのために、白色の光は避け、電球色の照明器具を選択する事は当然ですが、直接的な光を避け、刺激が少ないあかりでなければいけません。

 

よって、リビングは天井と壁に1ヵ所ずつ設置された間接照明が中心の照明計画となっています。

 

間接照明とはその名の通り、ランプから発せられる光を一度壁や天井でバウンドさせる照明計画です。

 

光を一度バウンドさせる事によって、角の取れたやさしい光になります。

 

とはいえ、夜のリビングだからと言って、くつろぐだけでもないでしょう。本を読む時、明るさが欲しい時もあると思います。

 

そのような時は、折り上げ天井の中央にあるダウンライトを点灯します。

 

このダウンライトは、光があまり拡散しないタイプのものを選択しています。また、光の向きを自由に変えられる器具です。

 

設置したテーブルやソファの位置にあわせ、光が欲しい場所に向きを変えてご利用下さい。

 

 

3、ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを設置できるようにしています。

↑ 「瑞穂公園の家」ダイニングルーム 器具の根本とレールが隠れるように天井にスリットを造作し、その中にレールを設置しています。レールが設置されている範囲であれば、テーブルの位置にあわせて自由に照明器具の位置を変えらえれます。また、数を増やすこともできます。「瑞穂公園西の家」でも、同じプランを採用しています。

 

ダイニングルームにシーリングライト・・その提案は少なくとも自分の物件ではしたくないと思っています。

 

まんべんなくお部屋中を明るくするシーリングライトはとても機能的ですが、食事が主役のダイニングルームには不向きだと思っています。

 

お部屋の中がまんべんなく明るいという事は明暗差がない均質な光環境という事。

 

人間の目は、相対的に明るい場所に自然と注目するようにできているようです。

 

明暗差がない均質なあかりでは、目的とメリハリのない味気ない空間になってしまいます。

 

主役であるダイニングテーブル上の食事をスポット的に照らすペンダントライトは、食事をするという目的に適した照明で、ダイニングにはやはり似合います。

 

 

ミキプランニングの物件は、照明器具は基本的に物件に含まれています。

 

建築と一体化している間接照明が多いから・・という理由もありますが、照明プランはそもそも作り手側が提案するべきものだと思うのです。

※ここには詳しく書きませんが、ダウンライトひとつとっても、7種類の器具を使い分けています。

 

ダイニングルームにはペンダントライトをオススメしてこのようなプランにしているのですが、このペンダントライトだけはお住まいになるお客様にご用意頂いています。

 

ダイニングルームのペンダントライトは、インテリアの雰囲気をすごく大きく左右します。

 

ですので、ぜひインテリアのお好みやテイストに合わせてダイニングの顔となるお気に入りのランプをセレクトして下さい!

 

もちろん、ご相談を頂ければ器具のご提案も致します。

 

 

4、ダイニングテーブルの近くに造作したオープン棚

↑  自宅の写真です。現在我が家ではオープン棚とテーブルを離してレイアウトしています。黒いイスは子供用。ごはんを食べさせている時に、すぐ手が届く場所にウェットティッシュの定位置があるのがすごく便利です。

 

ダイニングテーブルの上にはできるだけ物を置きっぱなしにしたくないけれど、テーブルの近くには置いておきたいもの。そのようなものを収納する為にこのオープン棚を造っています。

 

例えば、我が家ではティッシュボックス・ウェットティッシュ(おしり拭き)ボックス・ペントレイを置いており、たまに携帯を充電しています。

 

卓上で使う調味料などをトレイなどにまとめて、ここに置いても便利だと思います。

 

ただし、我が家のように棚とテーブルを離してレイアウトする場合、この棚には小さなお子様の手が届きます。なので、我が家では調味料はここには置いてません。

 

この棚は、一般的なダイニングテーブルと同じくらいの高さ(約70センチ)で計画していますので、テーブルと棚をひっつけてレイアウトすれば、テーブルの延長のようなイメージで使えます。また、この場合、棚の中まで子供の手は届きません。

 

また、オープン棚とテーブルをひっつけてレイアウトする場合、テーブル上でホットプレートなどの調理家電用を使う際、足元のコードに足を引っ掛けるような事がないように専用のコンセントを棚の内部に設けています。

 

 

5、手元が隠れる立ち上がりを設けた対面式。吊戸棚も省略せずに取り付けます。

 

対面式キッチンを造る時は、必ず手元が隠れるくらいの立ち上がりを設けます。

 

上にある我が家の写真でも、よく見ると水切りカゴの中にある菜箸や乾かし中の牛乳パックが少し見えてますが、この立ち上がりがあるだけで、ダイニングやリビングの側から見てもあまり目立ちません。

 

キッチンの上には水切りカゴがあり、牛乳パックが干してある ← 日常生活の中ではそれが本来の姿な訳ですから、そう簡単にフルオープンの対面キッチンを計画する事はできませんし、フルオープンの対面キッチンを造ったとしても、そう簡単に雑誌の中のような生活にはなりません。確かに、フルオープンの対面やアイランドキッチンはカッコイイですけどね!

 

日常生活の中で使い勝手がよく、住む人に特別な努力を強いる事なくキレイに整って見える空間。・・・それが、自分的な理想です。

 

また、最近は吊戸棚が省略されている物件が本当に多いですね。

 

少なくとも我が家では吊戸棚をフル活用しています。むしろ、無ければ困ってしまいます。

 

吊戸棚は使いづらい位置にあり、結局使わなくなってしまうという意見もありますが、吊戸棚も下の段であれば女性でも十分に日常使いできると思います。

 

身長によって、使いづらい・・・という事があっても、取っ手付きや指をひっかける穴があるBOXを活用する事でずいぶん使いやすくなるはずです。

 

背面収納を強化すれば吊戸棚はいらないという考え方もありますが、個人的には背面収納はカウンター式とし、出来上がった料理を置く配膳の為のスペースやコーヒーメーカーやケトルなどの調理家電を置くスペースとしたい事、また、ゴミ箱を複数置くスペースとオーブンレンジやトースターを納めるスペースが必要なので、収納スペースとして強化できる余地はほとんど残されていないように思います。

 

吊戸棚があるから物が増えるという意見・・。これも、断捨離がうまくできる人ばかりなら良いのですが、我が家も含め、実際には必ずしもそうとは言えません・・。それに、住む人が決まっていない分譲住宅でそれを言うのは、提案というより押し付けに近い気もします。

 

吊戸棚があってもリビングのほうを見渡す事はできる訳ですし、LDKの一体感や解放感・・というだけの理由で吊戸棚を無くす決断は自分にはできません。

 

 

6、ダイニング脇のカウンター収納と本棚。目立ちにくいエアコンの取付位置。 

↑ 瑞穂公園西の家、現地で撮影。現在クロス工事の最中です。

 

リビングの横幅に対して中央に漫然とテーブルを配置するのはスペースがもったいないといつも思います。

 

ダイニングテーブルを、そのまわりに必要なスペースを含めて過不足なく計算して配置すれば、50センチくらいの奥行きの収納を造れる事が多いからです。

 

デッドスペースという程ではありませんが、余白のような空間を残すのであれば少しでも多く収納を造りたいと思います。

 

そのようにしてできたのが、このカウンター収納です。

 

カウンターの下は扉付きで隠れる収納なので、どんなものでも収納できます。

 

我が家は子供が小さくいつもリビングにいるので、服やおむつなどもここに収納しています。その他には、書類やインテリア用品などの収納として活用しています。

 

カウンターの高さは1m強。この高さは、小さな子供が手を伸ばしても届きません。

 

我が家では、フラワーベースや置時計など、こわれやすいインテリア小物を置いています。

 

リビングの中にお花やピクチャーフレームを飾れる場所はどこかに欲しいです。

 

また、電話・FAXはこの位置に置くように計画しています。

 

「瑞穂公園西の家」では、この上部に本棚を造っています。リビングで学習する子供用・家族それぞれの・・または、共用の本棚として活用下さい。

 

この棚の最上段がエアコンの取付位置です。 

 

何もない壁面にエアコンを取り付けると出っ張ってすごく目立ちます。エアコンができるだけ目立たないように少し奥まったこのスペースにエアコン用コンセントを設置しました。 

 

 

7、冷蔵庫スペースと背面収納スペースを仕切る壁

 

洗濯機と洗面台の間を仕切る壁と同じ目的で造っています。

 

まず、冷蔵庫の上に2段の棚板を渡し、収納として最大限活用する為です。

 

次に、冷蔵庫と背面収納スペースの間に壁がある事で、冷蔵庫や背面収納の側面が隠れ、シンプルで整った納まりになります。

 

冷蔵庫のスペースを壁で囲ってしまう訳ですが、日本製であれば十分な大きさの冷蔵庫がちゃんと納まる寸法になっています。

 

 

8、ゴミが濡れない勝手口バルコニー

 

ゴミの日までゴミ袋を一時的に置いて置く事ができる勝手口バルコニーをキッチンのすぐ横に設けています。

 

屋根があるスペースなので、少しの雨であればゴミ袋がびしょびしょになってしまうような事はありません。

 

また、不燃ごみやビンや缶、ペットボトルなど、使用頻度が低いゴミ箱をこのバルコニーに置く使い方もオススメです。

 

夜でも手元が見えるよう、照明も取り付けられています。

 

 

9、階段室に設けたロールスクリーンボックス

 

↑ 自宅 我が家の場合は、上りと下り両方にスクリーンを設ける必要があるので、このような形になっています。

 

「瑞穂公園西の家」では、下りには階段室の前に引き戸がある為、気流止め(エアコンの空気が逃げてしまわないように)の為にロールスクリーンを設ける必要はありませんが、上りはじめの箇所にはロールスクリーンが納められるようにこのようなボックスが設けてあります。

 

このボックスの中にロールスクリーンを納めれば、使っていない時は天井の中にすべて納まり目立ちません。

 

使ってる時も、ロールスクリーンの生地だけが見えメカが隠れる為、これもスッキリキレイな納まりになります。

 

以上、間取りの解説記事でした!

 

株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

 

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