2015年05月10日
砂田橋駅南の家
「砂田橋駅南の家」照明計画についての解説記事

 

明器具の選定と発注が大詰めを迎えており、ここ数日は結構忙しくしています。

 

手掛ける物件の照明計画を検討する度に思う事、それはLED器具の進化です。

 

LED照明が商品として割と一般的に出始めた頃、自宅で試験的に導入してみた事がありました。

 

しかし、ダウンライト1灯あたり2万円くらいする上に、ぜんぜん明るくないのです・・・。

 

とても自分の物件で使ってみようと思える代物ではありませんでした。

 

それから7年あまり、LED照明の進化は目覚ましいものがあります。

 

やはりまだLEDの照明器具のほうが多少割高感はありますが、後々の電球交換等のコストを考えると、最近では十分に採用を検討できるようになったと思います。

 

 

べての照明をLEDに。

 

今回、「砂田橋駅南の家」では、すべての照明器具をLEDとしました。

※ユニットバスやキッチンなど、設備機器に付属してくる照明は除きます。

※一部の照明では電球交換でLED化に対応できる器具を採用しています。

 

当初は一部蛍光ランプの器具を採用する予定でしたが、後々の電球交換のコストや手間を考えると、多少高くてもLEDの器具を採用しておきたいという気持ちもありました。

 

それに、器具のモデルチェンジなどを経て、LED照明と蛍光ランプ照明の価格差もより少なくなり、その価格差を考えても、LED照明を採用するのが合理的なように思えました。

 

特に、「電球交換の手間を将来にわたって省ける」というのは全照明LED化を決めた結構大きな動機です。

 

なぜなら、当社の物件は過去の施工事例写真を見て頂いてもわかるように、「建築化照明※いわゆる間接照明」を割と多く用いております。

 

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↑ 「池下駅北の家」リビングの照明・・・天井を照らす建築化照明が施工されています。

 

間接照明は、光源が見えづらい位置に照明器具を設置しますので、脚立に乗って手探りでランプを交換するような感じになります。

自分はすっかり慣れてしまいましたので、苦にならず交換できますが、最初は割と大変な思いをしました。

なので、その手間を将来にわたって省けるというのは、建築化照明におけるLED化の大きなメリットだと思います。

 

そして、間接照明用の蛍光ランプは普通の蛍光ランプではありませんので、1つあたり2,500円くらいと安くありません。

それが4つ~5つと取り付けてある場合、電球交換で万単位の費用が掛かるのも割とデメリットです。

 

 

邸リビングの照明計画

 

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↑ A邸リビング照明計画

 

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↑ B邸リビング照明計画

 

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↑ C邸リビング照明計画

 

 

●各邸のリビングは間接照明が主照明。

リビングでは、天井や壁を照らす建築化照明をメインの照明器具として採用しています。

リビングはリラックスする場所だからです。

 

人間の身体は、強い光を直接体に浴びることによって活発になるようにできているようです。

仕事モードの昼間なら良いのですが、夜に強い光を直接浴びる事は、身体の睡眠モードへの切り替えを阻害してしまいます。

 

くつろぐリビングは落ち着いた照明計画としたいものです。

間接照明は、光源が直接目に触れないので、刺激が少なくリラックスできます。

また、壁面や天井に光が一度反射するので、光が穏やかになる事で、光の心地よさが増し、落ち着いた雰囲気のお部屋になります。

 

我が家でもリビングは間接照明を主体にしていますが、とても気に入っています。

 

個人的には、リビングの天井にボッテリしたシーリング照明1つ取り付けておしまい・・・という照明プランは「いくらなんでもあんまりだ・・」と思ってしまいます。

 

 

●手元の明るさを補う集光型ユニバーサルダウンライト。

 

しかし、手元で字を読んだりする時などは間接照明だけでは少し明るさ不足です。

その為に取り付けているのが、「集光型ユニバーサルダウンライト」です。

 

ユニバーサル

↑ この商品を各リビングに4つづつ取り付けています。

 

ユニバーサルダウンライト・・・・LEDのユニット部が360度ぐりぐり回るタイプのダウンライトです。

集光型ダウンライト・・・光が欲しい場所に光を集中して照らす事のできる仕様のダウンライトです。

 

ソファやテーブルなどの配置に関わらず、お気に入りのくつろぎスポットに狙って光を届ける事ができます

 

利用シーンにあわせて、器具を使い分けて頂くように設計しております。

 

 

●リラックス効果がある電球色の光。

 

電球のような暖かい色の光と蛍光灯のような白い色の光。

それぞれには適した用途があり、一般的にはくつろぎを求めるリビングでは電球色の温かい色の照明器具を採します。

 

太陽の光は白い色の光で、身体を活発にさせる効果があります。

オフィスの光が白色の蛍光灯なのは、そのような理由です。

 

電球色の温かい色の光は、睡眠を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を促進する事が科学的にも証明されています。

オフィスとは対照的な空間、ホテルではまず電球色の照明を採用しています。

寝室やリビングの照明は、断然電球色の照明を採用するべきなのです。

 

太陽の光も、朝日から徐々に光の白さを増し、夕暮れになると再びオレンジ色の光へと変化します。

つまり、太陽光の色温度の変化によって体内時計が形成され、生活のリズムを作っているとも言えるのです。

人工的な光である照明の色温度も、それにならって設計されるべきだと思います。

 

 

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 ↑ 当社施工事例「池下駅北の家」・・・天井を照らす間接光と正面の壁面を照らす関節光を主な照明とするリビング。天井を照らす間接照明はA邸・B邸のイメージと近いです。ただし、「砂田橋駅南の家」はこの照明が両サイドにあります。

 

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↑ 当社施工事例「神丘公園南の家」・・・天井を照らす間接照明。C邸の折り上げ天井+照明と同じような仕上げです。A邸・B邸もひかりのまわり方はほとんど同じです。

 

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 ↑ 当社施工事例「神丘公園南の家」・・・壁面を照らす間接照明は、C邸とイメージが近いです。

 

 

イニングの照明計画

 

 ダイニングテーブルにペンダントライトを設置したいという声は多く聞きます。

 

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↑ ポールセンのペンダントライト。こちらは大型1灯のプランです。

 

しかし、どんな大きさのテーブルを置くのか、、また、ペンダントは小型複数灯のプランか、大型1灯のプランかによってジャックの位置や数が左右されるので、分譲住宅でペンダントライトを想定した照明計画にするのは難しい面もあります

 

よって、一般的な分譲住宅では、シーリングライトがテーブルとは無関係な位置にひとつ付いているだけというざっくりとした照明計画がほとんどだと思います。

 

でも、自分だったらそれは絶対に嫌なんです・・・。

 

そこで、「砂田橋駅南の家」のダイニングでは、↓ライティングレールを採用する事で、ダイニングテーブルの大きさや配置、照明の数や種類に柔軟に対応できるような計画としました。

 

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↑ ライティングレール・・・取り付ける照明の数や種類、位置や明るさなどを家具の配置にあわせて自由にセッティングできます。

 

 

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↑ ペンダントライト小型複数灯のプランの場合は、このようなイメージとなります。

 

●テーブルの大きさや配置にあわせて自由に照明器具を選べる仕様。

 

ライティングレールは照明器具の位置を調整する事ができます。

 

また、様々な器具を取り付ける事ができます。

 

取り付ける照明の数も簡単に調整できます。

 

テーブルの配置によって、また、照明計画によって位置を調整できるように・・

 

また、様々な照明プランに対応できるように、ライティングレール仕様としました。

 

 

●折り上げ天井の奥にレールを設置し、根本をすっきり隠す

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ペンダントライトをライティングレールに取り付けるには写真のような変換アダプターが必要となります。

 

ライティングレールに取り付ける事によって取り付けの自由度が高まりますが、レールの厚みとあわせると根本が結構ごちゃごちゃするのが難点です。

 

それを隠すため、折り上げ天井の奥にライティングレールを設置しています。

 

 

●卓上用のコンセントをニッチ内に設ける。

 

テーブルの上で使うホットプレートなどの調理家電の電源を床に近い位置から取ろうとすると、誰かがつまづいたり椅子が引っかかったりして危ないです。

 

そこで、ニッチ内に卓上用のコンセントを設けることで、そのような問題を解決しています。

 

※C邸はカウンターキッチンではありませんので、ニッチはありません。

 

 

●ダイニングにもリビングにも使いやすいガスコンセントの位置

 

立ち上がりが一瞬ですぐ暖かい。

 

我が家でも冬にはだいぶん重宝しているガスファンヒーター。

 

向きを少し変えるだけでリビング方面にもダイニング方面にも温風を送れる位置にガスコンセントを設置しました。

 

 

●ペンダントライトでなくても、集光スポットライトを真下に複数灯というプランもアリ。

 

テーブル上に光を集められる集光型のスポットライトを複数灯設置するというプランなら、照明器具がほぼニッチ内に納まり、それはそれで非常にスッキリとした照明計画となります。

 

 

●カウンターを照らすダウンライト

 

このカウンターの上は、フラワーベースやフォトフレームなど、ちょっとした飾り物をする事もあると思います。

 

そこで、カウンター上を照らすダウンライトを2つ取り付けました。

 

 

いつもの事ですが、記事が長くなってしまいましたので、続きは次の記事で・・・。

 

株式会社ミキプランニング

代表取締役 佐藤 幹展

 

 

 

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