なぜ、この間取りなのか?
という記事は、新たな物件をご提供する度に必ず書いています。
毎回記事の中で書いている事ですが、
私は、私自身が自信をもっておススメできる物件だけを扱ってゆきたいと思っています。
数を供給する為に、あまり良くない土地を妥協して購入し、お客様に勧める事は絶対にしたくありません。
間取りを考えるにあたっても、自分自身が納得でき、また、自信を持ってお客様におススメできると思えるまで、じっくりと間取りを突き詰めたいと思っています。
それができないなら、提供できる物件の数は少なくても構わないと思っています。
また、プロとして物件をご提供している以上、「なぜ、そうしたのか?」という動機をしっかりと持ち、また、それをしっかりとお客様にご説明できなければならないと思っています。
そして、私の物件づくりの価値観や方向性、選択や決定の動機などをお客様にもご納得頂いて物件をご購入頂きたいと考えています。
ですので、ただ間取りを公開するだけでなく、「なぜ、この間取りになったのか?」というご説明と共に、間取りをご覧頂きたいと考えています。
間取りの大枠について・・・。
角地の計画の場合、角地の優位性を最大限に生かす事を当然に考えなければいけません。
特に、敷地の2方向からアプローチできるという角地ならではの特性は、間取りに対しても様々な恩恵をもたらします。
たとえば、車を西側の道路から敷地の南側へ直接駐車できる為、ギリギリまで北側に建物を寄せる事ができます。
すると、建物の南側にはより大きな採光スペースを確保する事ができます。
その上に、敷地の北側、隅切り部分には軽自動車サイズではありますが、1台分の予備駐車スペースも確保できます。
合計3台の駐車場が敷地内に確保できれば、うち1台分を来客用の駐車スペースとしても使えますし、お車を置かなくても自転車置き場や倉庫スペースとして活用する事も可能です。
玄関脇の自転車置き場も、多くの面が道路に接している角地だからこそ実現できたと思います。
このように、より広く効率的に敷地を活用できるのが、角地の最大のメリットです。
お昼間に使うことが少ない寝室は、陽当たり的に最も不利となる1階に配置します。
すると、3階は必然的に子供部屋となり、明るくてさわやかなお部屋となります。
子供達は日中子供部屋で活動(お勉強)する訳ですから、暗いお部屋では活発に活動するスイッチが入りません。
またそうする事で、2階のLDKを必ず通って子供部屋にアプローチする動線となります。
角地であってもなくても、、廊下は極力少なく。
廊下が多いだけの非効率な間取りでは、いくら床面積の数字が大きくても、ただ生活空間が窮屈なだけです。
無駄な予算の使い方をしているだけという言い方もできるかもしれません。
間取りを見る時は、ただ床面積の数字を見るだけでなく、実際に実現できているゆとりや機能を見て判断したほうが良いです。
逆に、上手だなぁと思う間取りは、床面積の数字が決して大きくなくても、無駄がなく、しかし、機能を犠牲にせず、ゆとりもあるのです。
3階建ての住宅は、1階の、それも玄関まわりの収納が充実していると使いやすいというのは、私の持論です。。
重たい荷物や大きい荷物を、使う度に2階や3階から下したり上げたりするのって結構大変だと思います。
「3階建だからこそ、1階の収納をできる限り充実させる事」
これは、間取りを考える時にいつも考えるテーマです。
玄関入ってすぐ右手の納戸は土間になっていますので、ゴルフバックやベビーカー、お子様の遊び道具やキャンプ用品など、お外で使うものも汚れを気にする事無く気軽に収納しておく事ができます。
また、土間仕上げの玄関納戸を計画する時は、出来る限り靴の収納は別に確保するようにしています。
ウォークインタイプの玄関納戸を普段使いの靴収納にすると、靴を取り出す為だけに多くの動作が必要となり、日常的な靴収納としてはやはり煩わしいと思うのです。
そのような考えから、玄関納戸のすぐ東側には靴専用の収納を設けています。
階段下はデッドスペースとせず、収納を造作します。
コストを削減する為か、このようなデッドスペースをそのまま閉じ込めてしまう物件をたまに見ますが、自分にとっては信じられません。モノが片付くスッキリとした生活を送る為に必要な投資です。
また、A邸には洗面脱衣室内にも収納を設置する事が出来ています。必要で十分な寸法を吟味しながら、1/20の詳細図を引きながら検討した収納スペースです。
さらに、、、洗面台と洗濯機置き場の間に壁が立ち上がっているのはなぜか?
それは、収納が不足しがちな洗面脱衣室に少しでも収納を確保できるように、洗濯機の上部スペースに棚板を渡せるようにする為です。
2階、3階とまだまだ続きますが、長くなりそうですので、今日はひとまずここまでで、続きはまた後日・・・。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展