ダイニングのまわりをいろいろと考えております。
ずいぶんと試行錯誤はありましたが、ほぼ確定に近いところまで計画することができました。
では、このダイニングまわりでこだわったポイントを数点紹介させて頂きます。
微妙な手書きパースは愛嬌ということでご勘弁を・・・。
給気専用の窓を設ける。
換気扇というのは「空気の出口」です。
ということは、「空気の入り口」も必要なのです。
キッチンで換気扇をONにした時、室内を閉めきっていたら正常に換気することはできません。
お風呂やトイレなどでも同じですが、特にお風呂。
お風呂で換気扇をONにしたとき、お風呂の扉の給気ガラリは「OPEN」にしていますか?
特にお風呂は密閉性が高いので、扉の給気ガラリを「OPEN」にしないと、
外の空気を取り込めないので、ほとんど換気はできません。
その為に、ほとんどのお風呂の扉には給気用のガラリが付いているはずですので、
ご自宅のお風呂を確認してみてください。
室内の換気をするとき、この「給気」を意識すると効果的な換気を行うことができます。
例えばキッチンの臭いが気になる場合。キッチン以外のお部屋から給気をすることによって、
キッチンの外に臭いが行きにくくするなど、、給気をする場所によって室内の空気の流れをある程度コントロールすることも可能です。
そう考えると、キッチンに付いている窓というのは、換気用には不適切な場合が多いように思います。
特に取り付けの位置。キッチンの窓は、どうしても換気扇の排気口の近くに設置された窓が多く、
この窓を給気用としても、汚れた空気を取り込むことになり、換気の意味がありません。
また、給気に適した窓には特徴があります。
それは、「雨が急に降り始めても室内に雨が侵入しにくい窓」
横すべり窓や突き出し窓と言われる窓ですが、ミキプランニングでは採光窓以外の窓では、
このような種類の窓を多用します。
ダイニングの足元に取り付けられたこの窓は、換気扇をONにする時に給気用として開けて下さい。
南側からの新鮮な空気がダイニング→キッチンと経由して、換気扇から西側に排気されます。
また、雨が室内に振込みにくい窓を採用していますので、雨の日でも安心して開けることができます。
キッチンの壁面に造作するニッチカウンター
キッチンのニッチカウンターが持つ意味は、決して飾り的な意味だけではありません。
ダイニングテーブルの高さには決まりがある訳ではありませんが、
自分の経験上は、おおよそ70センチから73センチの間であることが多いような気がします。
カウンターの高さをダイニングテーブルの高さ付近とすることで、テーブルに普段おきっぱなしになっている物を
カウンター内に収納することができ、常にテーブルの上をすっきり維持することができると思います。
例えば、置時計やスパイスラック・醤油さしや読みかけの文庫本やメガネや筆記具や写真たてなど・・・ですね。
もうひとつ、このニッチの中にコンセントを設置します。
テーブルの上でホットプレートなどを使う時、床付けのコンセントからだと
「椅子の足に引っかかる」
「移動する時に子供がつまづく※時には大人も・・・」
など、結構問題が発生したりすることが多いのです。
そのような諸問題を解決する為の、ニッチ内コンセントなのです。
キッチンすぐ横のパントリー収納と収納内の換気扇
キッチンのすぐ横にある収納というのは大変重宝するものです。
特に、この物件のLDKには、リビング側にもう一箇所収納がありますので、
おそうじ道具をここに収納する必要はありません。
純粋にキッチン専用の収納として活用できるのです。
それと、キッチンで意外と困るのが「ゴミ出し前のゴミ袋」の置き場所。
見える場所に出しっぱなしにするのが嫌でも、置いておく場所が無かったりします。
この収納には内部に換気扇を取り付けてありますので、
ゴミを一時的に置いておくことができるようになっています。
キッチンカウンターの高さ
キッチンというのは、「お客さんの理想と現実のギャップがもっとも現れる場所」だと思っています。
フルオープンのアイランド型キッチンというのは、カッコイイですが
「ウォークイン型のパントリー収納」を設置できるくらいの余裕がバックヤードに無いと、
イメージ通りの生活を日常的に、かつ「自然に、あくまでも意識することなく」継続することは困難です。
キッチンの上に置かれる物と言えば、
「おしゃれな食器や果物の盛り合わせ」
などではなく、
現実的には「切る前の牛乳パック」だったり「ちょっと汚い台ふきん」だったり「水切りカゴ」だったりします。
手元が隠れる高さのカウンターを設置することでむしろ、
「日常的に」「自然に、あくまでも意識することなく」 LDKがすっきり片付いて見えるのではないかと思うのです。
※まあ、隠した手元は結構アレなことになっているのかもしれませんが・・・。
「水はね防止」という意味合いもありますね。
ダイニング横の収納とエアコン収納
ダイニングスペースの向こう側に「設計上生じたちょっとしたくぼみ」がある訳ですが、
このようなスペースは何もしなければただのデットスペースになるのがオチです。
あとで家具を置くとしても、「掃除がしにくく、見た目がアレな微妙な隙間」が生ずるのは目に見えています。
このような時は造りつけで収納を設置してしまうのが一番しっくり空間に溶け込み、かつ、機能的です。
そこで思ったのが、この「くぼみ」にエアコンも納めてしまうことはできないだろうかと。
寸法を計算してみると「まるで、エアコンを納める為に存在しているような寸法」な訳です。
詳細は検討中ですが、ここに「使わない時は隠しておけるエアコン収納」を設置する予定です。
様々な照明プランが可能なライティングレール
↑ライティングレールと電球色のスポットライト
照明のセレクトというのは、お客様によって好みが分かれるところです。
そして、天井に張り付く丸っこいボテッとした物体(シーリングライトのことです。)が嫌いな人も多いのではないでしょうか。
まず、全体を均一に明るく照らすシーリング照明は、食卓が引き立たず、食事が美味しく見えません。
※まあ、こだわらなければ普通に使える訳ですが。
それに、シーリングライトを設置してしまうと、住まい手の好みに合わせた自由な照明計画ができないことが残念です。
今回採用したのは、ライティングレール。
そして、標準で採用したのは、電球色のスポットライトです。
スポットライトを食卓に向けて配置すれば、食卓上が引き立ち、食事が美味しく見えるでしょう。
また、白色の光には腸の働きを押さえる効果があるようなので、ダイニングには電球色のランプを採用します。
さらに、消化を助ける唾液は、リラックスしている時に多く分泌されるようで、
一般的にリラックス効果がある照明色は電球色と言われています。
「明るさのメリハリ」と「リラックスできる色温度」が、食卓の照明計画に求められることだと言えるでしょう。
また、ライティングレールであれば、お客さんの好みによって照明計画を変更することが簡単にできてしまいます。
明るさが足りないと思えば、スポットライトを追加することも、明るい電球に変えることも簡単にできてしまいます。
ダイニングテーブルの上にお好みのペンダントライトを設置したいと思えば、それも簡単にできてしまいます。
中継点を設ければ、ライトの数や配置も思うまま。
テーブルの位置を変えても対応することができます。
ダイニングの西側の壁面にお気に入りの絵を飾り、スポットライトで照らす
ダイニング西側のカウンター上に置いたお気に入りの小物をスポットライトで照らす
なんてことも簡単にできてしまいます。
我が家では、家具や植栽などの配置と共に、照明の模様替えを行っていますが、
結構雰囲気が変わって新鮮な気持ちになったりします。
以上、ダイニングまわりでこだわったポイントのご紹介 でした!
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤幹展