「瑞穂公園西の家」では、ダイニングに背面収納を造り付けています。
カウンターの下部は扉付き収納なので多目的に使えます。
我が家にもダイニングの近くにこのような収納を造りまして、この箇所には、「文房具・電池・救急箱・各種書類や取扱説明書などのファイル・メイク道具一色」などが収納されています。
また、子供が小さいうちはリビングで過ごす時間が多いので、「子供用の着替え・オムツ」などもこの場所に収納しています。
カウンターの高さはキッチンのカウンターと同じく1m強。小さな子供の手が届かない寸法です。
我が家では、「照明器具・お花・ルームフレグランス・ピクチャーフレーム(家族写真)」を飾り、ディスプレイスペースとしています。
もちろん、電話機・ファックス機・プリンターなどを置いて機能的に使うのも良いと思います。
カウンターの上はいわゆるオープン収納ですから取り出しやすく元に戻しやすい場所でもあります。
使用頻度が高いもの(よく使う文具類・エアコンやシャッターのリモコン・タブレット・郵便物をまとめておく入れ物・・など)はペン立てやトレイなどを活用して置き場所を作ると便利ですし、ダイニングテーブルの上が物置きになってしまうのを防げます。
カウンターの上部には本棚を設けています。
この位置に本棚を設ける事は置き家具では不可能。
隅々まで空間を活用できるのは造り付けの大きなメリットです。
最上段にはエアコンのコンセントが見えますね。エアコンはこの位置に取り付ける計画です。
棚内部の高さは約40センチ。特殊なエアコンでない限りこの位置にすっぽり納まる寸法です。
何もない壁にエアコンを取り付けるとエアコンだけが浮いたような感じになり、不自然さを感じるのは自分だけでしょうか。
この取り付け位置であればエアコンが必要以上に目立たず、スッキリとした納まりになりますよ!
↑ この椅子の位置は、人が着座している時の自然な位置に合わせています。椅子の背後には50センチ以上の寸法が確保できており、狭さを感じる事もありません。
いつも、限られた面積や寸法の中に可能な限りたくさんの機能や価値を凝縮したいと思いながら間取りを計画しています。
この背面収納も、ダイニングまわりの必要寸法を1センチ単位で見直して実現しているものです。
「瑞穂公園西の家」のリビングの横幅は約3.5m(二間間口)ですが、これはかなり一般的な数字で、この横幅寸法のリビングはとても多く見られると思います。
その3.5mの寸法はリビング空間にとってはちょうど良い大きさですが、ダイニングルームにとっては横幅を少し持て余します。
一般的なダイニングテーブルの横幅はたいてい80センチ。
椅子を引いて腰掛ける、また、椅子に腰掛けた人の後ろを人が通り抜ける。その動作に必要な寸法はゆとりを持って約110センチです。
つまり、ダイニングテーブルとそのまわりの空間で、約3m(80センチ+110センチ+110センチ)の横幅があれば十分機能する訳です。
3.5mの横幅があるダイニングスペースの中央に漫然とテーブルを配置する計画をしても、空間を持て余してしまうのです。
その50センチ(ある意味デットスペース)を利用して造作したのがこの背面収納なのです。
反対側です。
この写真では、立ち上がる時に椅子を引いた位置に合わせています。
それでも、背面が窮屈になる事はありません。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展