今週は、「相生山駅東の家」の土地を評価したポイントについて、解説記事を書こうと思います。
土地としていくら立地が良く希少な条件でも、良い間取りが入らなければ自分にとっては良い土地とは言えません。
自分にとって良い土地の一番の条件は、良い間取りが入る土地です。
自分にとって良い間取りとは、「明るく・収納がしっかり確保でき・汎用性が高く・生活力が高い間取り」です。
それらの事については、「間取りの解説記事」に詳しく記載しております。
ここでは「良い間取りが入る」という事の他に、土地を購入したポイントについてお伝えしたいと思います。
駅から近い。そして、駅までほぼ平坦地。
不動産の価値を測る上で、駅までの距離というのは絶対的な価値です。
それだけに、あまり説明する事がありません。わかりやすく大きな価値です。
「相生山駅東の家」は、最寄りの地下鉄駅まで徒歩6分。
6分という距離は毎日の生活においても、便利さを実感できる距離でしょう。
駅まで近い物件は、利用価値が高く、また、資産価値も高いのです。
ただし、大事なポイントは「駅までほぼ平坦」だという事。
分譲マンションでは特に、丘の上に建っている事を「ヒルトップ」と表現してアピールしていたりしますが、個人的には、坂を上らないといけないデメリットのほうが先に頭をよぎります。
実際、それを理由に住み替えを決断したお客様のお手伝いをした事もあります。
毎日の生活・暮らしを基準にして考えた時、ヒルトップでの生活というのはアイランドキッチンと同じように、理想と現実に大きなギャップがあるのだと思います。
ほら貝の街は、標高の一番高い場所で、大通りから約20mの高低差を登らなければいけません。
20mという高さは6階~7階建てのビルと同じ高さです。それを歩いて登るのです。
荷物を持っていた場合、年齢を重ねた時の事・・色々考えると大変だと思います。
坂の上にある土地は、駅までの距離がいくら近くても、数字をそのまま受け取る事はできません。
「相生山駅東の家」の土地は、駅までの道のりがほぼ平坦であるという事も、大きなポイントです。
間口が広い土地。そのメリットは多岐に渡ります。
間口が広い事によって得られる最大のメリットは、南に広く建物を配置できる事による陽当たりの良さです。
実際、ワイドスパンのリビングを実現できていたり、4つのうち3つのお部屋が南を向いている間取り、南側に大きな窓が計画できている等、明るいお家を実現できる要素を満たす為、間口の広さは大きく役立っています。
次に、駐車場の台数と車の出し入れのしやすさです。
A・B共に、間口が約7.5mあるので、車種を選びますがお車を3台とめる事ができます。
これも、間口に恵まれていないと実現できない条件です。
前面道路も広く間口も広い為、2台の駐車であればかなり余裕を持って駐車できます。
さらに、2台の駐車の場合、人が通るアプローチをしっかり計画できるというメリットがあります。
車と車の間を気を使いながら玄関にアプローチする必要はありません。
外構デザイン上もアプローチをしっかり表現でき、ゆとりのある計画を実現できます。
さらに、間口が広い土地には、正方形に近く耐震的にもバランスの良い建物を計画する事ができます。
「相生山駅東の家」は、荷重が最もかかる1階に壁を多く配置し、壁が少ない大空間のリビングを2階に上げているので、その点も耐震的には有利です。
北向きの土地。実はメリットがたくさん。
お部屋の明るさを決定する要素はいろいろありますが、主に下記に集約できると思います。
1、お部屋の向き(南向きのお部屋はやっぱり明るい)
2、窓の大きさと数
3、南側のお家(障害物)までの距離と高さ
一般的には、南向きの物件が明るさでは有利というイメージがありますが、実はこれら3つの条件のうち、南向きの物件が明らかに有利なのは「3」だけです。
※ただし、これらの中でもっとも大切なのは「3」です。「3」を満たしていないお家は、いくら「1」と「2」を満たしていても、意味がありません。
「1」と「2」は、土地の向きよりも、土地や建物の間口によるところが大きいです。
北向きの物件は、これらの条件をバランスよくクリアしやすい上に、北向きならではのメリットがたくさんあります。
まず、南側道路の物件は、南側の良い場所を玄関にとられてしまい、リビングにつけられる窓は意外と小さなものになってしまう事が多いのですが、北側道路の物件は、南側を採光面としてフル活用できます。その事によって、1と2の条件が満たしやすいのです。
また、南側道路の物件の場合、採光を優先しようとすると、私の物件の特徴とも言える大型玄関納戸を設置する事が難しい場合が多いのです。その点、北側道路の物件は採光を気にする事なく玄関を大きく計画できるので、収納もたっぷり確保できる場合が多いのです。
南向きの物件は、道路側に窓をたくさん計画する事になりますので、どうしても外からの音がリビング内に侵入しやすいです。その点、北側道路の物件は、道路側に大きな窓を計画する必要がなく、道路と反対側に大きな窓を計画するので、静かなリビング環境を実現しやすいです。
北側道路の物件は、道路からバルコニーやお庭に干したお洗濯物やお部屋の中が見えず、プライバシー性が高い事も特徴です。
また、北側道路の場合、採光を確保する為に南側に大きな空き寸法を確保する事が多いので、結果的にまとまった広さのプライベートなお庭が確保できます。
南向きの物件は、南側に車をとめる事になるので、車が傷みやすいのです。しかし、カーポートを取り付けるとなるとリビングの陽当たりが悪くなる事も多く、悩むところです。その点、北側道路の物件は、建物が影になる時間が多いので、南向きの物件に比べると車にやさしいのです。
諸条件はありますが、それさえ満たすことができる土地なら、下手な南向き(間口が小さく、奥行きも確保できず、道路からの緩衝地帯がつくれない土地)の物件よりは明るく静かで落ち着いた住環境が実現できるのが北向きの土地なのです。
そのような理由から、北向きの土地は好んで購入しています。
「相生山駅東の家」も、まさに1~3の条件をバランスよく満たす事ができる北向きの土地なのです。
※結局、良い間取りが入る条件のお話になってしまったような気がしますが・・。
株式会社ミキプランニング
代表取締役 佐藤 幹展